コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
20××年 午後9時頃、誰もいない山にある展望台にタキオンさんと私が居る。
暗くなっていった夜は呆気なく月明かりに照らされ、夜の街灯も要らないのでは?と思うぐらい明るくなってきた。そして私と貴方の瞳が照らされる。光が増せば増すほど貴方の瞳の深さも比例していく。
…嗚呼、貴方に見惚れる前に言ってしまわないと。覚悟を決め、「お友達」にも、ユキノさんにも、応援してもらってここまで来た。私はここで言わなければならない、この気持ちを。
「タキオンさん、1つお話があります。」
「ん?何だいカフェ?もしかして私の実験に協力を自分から申し出てくれるのかい?」
私は何処までも変わらない実験欲に呆れながら食い気味に
「まさか、そんな訳ないじゃないですか。」
「はは、そんなことだろうと思ったよ。それで?話ってなんのことだい?」
彼女が話した後、少しの間が空いた頃私は語った「…黙って聞いててくださいね。…私は昔、「お友達」が嫌いでした。「お友達」がいるせいで私は友達が出来ないのだと、「お友達」のせいでこれだけの怪異に悩まされるのだと。ですがこれらは全て「お友達」のせいではなく、自分自身によるものだったのです。それに気づいた以降、私は「お友達」を好きになり、それと共にライバルとなりました。ですが私はいつまで経っても「お友達」を追い越せませんでした。そんな時、現れたのが貴方でした。」
長い長い独り言をタキオンさんに伝え終わり、彼女を見ていると少し動揺しているみたいだ。
いつもリードされている私が今、彼女をリードしているのだ。立場が変わって困惑している。
「なるほどねぇ…それで?私がどうしたんだい?」
「…貴方が初めてでした。「お友達」に追いつけ、追い越せるのは。私はすぐに「お友達」に問い詰めました。「なんで追い越せられたの?」と「お友達」は言います「分からない」ただそれだけの言葉で私は貴方がとてつもない存在ということの気づきました。タキオンさん、貴方は私にとって特別な存在なんです。」
「ふぅン…まるで告白みたいだねぇ。かつて私がトレーナー君に言ったみたいな言葉だ」
「告白ですよ。」
「!?」
「そのときからでした。私が貴方を好きになって言ったのは。「お友達」を超える存在、そんな貴方が大好きです。…タキオンさん、貴方はどうです?私の事、好きですか?」
うーんうーんと頭をひねりながら
「…少し考えさせてくれないかい?」
「…はい。明日、教室で教えてください」
「あぁ。明日までに答えるよ」
また、タキオンさんの流れに乗ってしまった…
…………………………………………………………「すー…すー…」私が寮に戻るとユキノさんが寝ていた。無理もない。今は12時、寮の消灯時間もすぎていた。…フジさんにも怒られてしまいそうだ。
私はすぐさまベッドに潜り、明日のことを考えた。
…明日、タキオンさんに振られてしまってはどうしよう…これでも言える気持ちは全て言い、吐き出した。これをタキオンさんは受け入れてくれるのだろうか…?「お友達」とユキノさんに応援してもらって、振られるということになれば……考えたくはない、だが可能性があるのだそんなモヤモヤとした感情を抱えながら私は寝付いてしまった。