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「杉元さんは前世はどんな人だったかとか考えたことありますか??」
「考えたことないな.でも案外そこら辺の虫だったりして.」
「虫だなんて,きっと名のある人だっかもしれませんよ??」
「🌸さんは前世はどんな人だったと思う??」
「食堂で働いてた人か兵士か….」
「それ🌸さんが夢でよく見るやつ.」
「はい.前世の私が今の私に何かを伝えるために見せてるのかって最近思ってて,そしたらここにタイムスリップしたのにも納得いくかなって.」
「何を伝えたいのかな….」
「きっと金塊が見つかったら分かりますよ.」
といつの日かした会話.それからついに.
「見つかった!!ほんとにあった…!!」
喜ぶのも束の間,第七師団から逃げるため必死に砲弾の雨の中を走る.
「危ないっ!!」
横槍を入れにきた兵士から🌸は杉元を庇った.杉元は間髪入れずその兵士を殴って刺殺す.
「大丈夫!?🌸さん…嘘だ!!もう少しで元の世界に帰れるのにっ!!」
倒れた🌸の地面には血だまりができはじめている.
「あの夢は杉元さんを護るためだったんですかね….」
「喋らないで!!くそっ!!血が止まらねぇ!!」
「杉元さん!!アシリパさんと幸せになっ…て.」
か細い声でそう言った🌸の目の光が消えた.杉元は咆哮のような声をあげ噛み締めた唇から出血しているのにも気づかず,ただ前を見て走った.
それから150年の◯◯県にて.
「大丈夫!!絶対助けるから!!」
青年は橋から飛び降りた🌸を救うべく真冬の川から彼女を抱き上げ,声をかけた.
「おはよう,気分はどう??」
あれから病院にて,お見舞いに来た青年は未だ目覚めない女性の手を取る.
「今日は何を話そうかな??」
髪を撫でたその時.
「🌸さん??🌸さんっ!!」
呼びかけに答えるように目に光が戻っていく🌸.
「やっと目を覚ましてくれた…!!」
目の前の青年が誰か分からなくて🌸は困惑の表情を浮かべる.
「そうだよね,もう何から話せばいいか….とりあえず看護師さん呼ぶね!!」
あわただしく青年はナースコールを押した.
それから.
「私あなたとは初めて会うはずなのに,そうじゃない気がして….」
会話ができるくらい体力が回復した🌸は話を切り出した.
「実は会うのこれが初めてじゃないんだよ.」
驚いて彼を見つめる🌸.その首もとを見ると….
「そのマフラー,杉元さんが巻いてたのと一緒.」
「当たり.俺がその杉元だよ.」
「嘘,明治の北海道でアシリパさんと一緒に金塊を探したあの…??」
「そうだよ.」
「なんでここにっ…!!」
涙で声を詰まらす🌸.
「150年後の🌸さんに会いたくて.ここまで来るのにだいぶ時間かかっちゃったけど,もう目一杯急いで来た!!」
「何ですかそれ…!!説明になってないですよ….」
🌸自信満々に言う彼に呆気を取られながらも嬉し涙を流す.
「アシリパさんとはどうなったんですか??」
「そうそう,聞いてくれる??」
と話し始める杉元.
🌸の心が明治での杉元の心を動かし,杉元の心は現代の🌸の心を動かした.そしてようやく2人はこの時代で一緒になれた.
これはどこかで聴いたことのある歌詞のような物語のほんの序章のお話.