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時神アリスは、日本のどこにでもあるような街に住む高校二年生だ。特別な才能も、目立つといえば幼いということ、友達からは「アリスちゃん可愛らしい」とよく言われる方だ。
その日もいつものように、学校帰りに友達と駄菓子屋に寄っていた。
「ねえ、アリス、このグミ超美味しいよ!」
親友のあかりが袋を差し出す。アリスは笑いながら一つ摘まんで口に放り込んだ。
「ほんとだ!甘酸っぱいね。次はお菓子パーティーしよっか?」
「いいね!アリスの家でやろうよ、アリスのお母さんの手作りクッキー美味しいから 食べたいし!」
あかりが目を輝かせると、アリスは「了解!」と元気よくグッジョブしました。
友達のあかりはカバンから漫画をだし
「アリスこの本私のおすすめだから読んで見てこんな恋愛は嫌です公爵様ていう漫画なんだけどね 」
アリスはニコニコしなから「わかった今夜に読むね明日までには返すよ」
家族にも愛されて、友達と笑い合うこんな時間が、アリスにとって何よりの幸せだった。
夕陽がオレンジ色に染まる帰り道、アリスは友達と別れて一人になった。イヤホンから流れるキュートな音楽に合わせて鼻歌を歌いながら、家の近道である細い路地に入る。
その瞬間だった。
背後から鋭い気配を感じた時には、もう遅かった。冷たい刃が背中に突き刺さり、アリスは息を詰まらせて膝をついた。
「何…?」
血が地面に広がり、視界がぼやける。通り魔だった。ニュースで見たことのある言葉が頭をよぎるが、痛みと恐怖で思考がまとまらない。
「助けて…誰か…」
力なく呟いた声は、夕暮れの風にかき消された。 意識が遠く中聞こえないはずの音、懐中時計の針がチクタクと鳴り響く。
アリスの意識はとうとう闇に落ち、彼女の平凡で愛おしい日常はそこで終わりを告げたのでした。
次に目を開けた時、アリスはふわっとした感触に包まれていた。
「ん…?」
目蓋を上げると、そこは見慣れない豪華な部屋だった。天蓋付きのベッド、壁には星と時計の針が刻まれた紋章。腰に何か硬いものが当たっているのに気づき、手を伸ばすと、星がちりばめられた懐中時計がドレスのリボンに結ばれていた。
「ここ、どこ!?」
慌てて起き上がろうとした瞬間、背中に鈍い痛みが走った。
「っ…痛い?」
鏡を覗き込むと、金色のロングウェーブの髪と、幼く可愛らしい顔立ちの少女が映っていた。「誰?」言った。
背中のドレスに微かに血が滲んでいるのが見えた。
「私、刺されてた…!?」
混乱する頭に断片的な記憶が流れ込む。アリスは通り魔に刺され死にかけていた。だが、なぜか死にきれず、この異世界――エテルニア歴 E.E. 1023年――にいる。何かが傷を抑え、彼女を救ったのだ。