アイツが居なければ
あんな命令が無ければ
俺が天使じゃなければ
……いや
それは違うか
雲の上
彼方上空
なんて言えば伝わるかな
まぁ君たちよりもずっとずぅっと上に居るってこと
俺はあんた達とは違う
『天使』だから
綺麗な翼があって
光り輝く天使の輪があって、みたいな
君達が創り上げた偶像とおんなじ感じだよ
まぁ実物のが綺麗なんだけどね、
例えば、俺みたいな
そんな呑気な事を考えていたら
俺の唯一つの光の姿が見えた
「紫」
「はぁい」
甘い声で返事を返すのも
彼にだけだ
僕の先輩。同じ種族である天使
彼の方が髪色とか性格とかは俺よりも天使っぽいかもね。
「上からの命令だ」
「え、?」
「✗月✗✗日、地上に降りて一人の少女の悲惨な運命を回避せよ。」
「とのことだ」
「へぇぇ」
”ついに”か
「今回は、ここぞと言わんばかりに真面目にやらなければいけない。」
「分かってます」
「ちゃんと真面目にするつもりです」
確定はしない。
絶対は絶対に無いから
「……そうか」
「そうですよ〜」
「真面目な後輩を信じてくださぁい」
「その割には勉強を余りしていないと聞くが」
「……ソンナコトナイヨ」
「図星か」
「えへ」
「でも、ヤバイときは先輩が守ってくれるんですよね…?」
「あぁ」
「守り抜くよ」
「絶対に」
ふ〜ん
「頼もしい限りですね」
「格好いいです。」
「そう、か」
俺の視線から目を逸らし
微かに見えている耳は赤く染まっていた
「ふふ、」
「楽しい事でもあったのか?」
「先輩と一緒にいれて嬉しいんですよ」
お遊び
先輩をからかって遊ぶのが唯一の楽しみ
生きる希望
あなただけが、ね
だから
裏切らないでくださいよ
信じてますから
絶対に
「照れてるんですか〜?」
「……」
「照れてるんですね〜」
「可愛い♡」
俺より可愛いなんていうのはちょっと気に食わないけれど
先輩だから
許してあげるとしよう
コメント
1件
そういえば私今日誕生日〜🎉