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※不幸体質のぼんさんのお話。
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幸運が1来たとしたら不幸が2来る感じです。
ドズルさんがぼんさんをお誘いした時期あたりです。
「えっ…?ほんと、ですか…?」
「本当ですよ、どうです?僕の会社で、僕の相方として働きませんか?」
手を差し出して、はち切れんばかりの笑顔でそう誘ってくれたドズルさん。
幸せ……いや、幸せじゃない。
仕事するって事じゃん。幸せじゃない。
第一不幸体質の俺の事だ。仕事に就けて相方なれて…。そんな莫大な幸せを手にしたらどうなる?
きっと倍以上の不幸が振りかかる。あなたを失いだってするだろう。怖い。
手を取りたい気持ちを抑え、下を向く。
「……すみません、それは承諾できません」
「……どうしてですか」
冷や汗がブワッと流れる。これで“不幸体質だから、幸運を手にしたら不幸なっちゃう”なんて言ってみろ。巻き込まれると離れられる。結局不幸になる。グルグルと頭のなかに言い訳が巡る。
「…僕たちはさ、仕事上の関係じゃないから仲良くできるんですよ。ビジネス上の関係になりたくない。上司…いや、社長さんか。社長さん。社長さんと一社員って関係になるの、嫌なんです」
一社員じゃない俺にここまで色々としてくれてんのは特別だろうから。
けど相方として雇われたとなれば“そういう関係の社員”になるわけで。
…つまり、社員じゃないけど一緒に撮影したい人としてそばに居たいのだ。
義務として、ビジネスとして、お金のため……そんなガッチリ構成された関係ではなく……なんというか、何もないけど一緒に居てくれてる、そうやって思い込みたいのさ。
「そ、それにさ!お金貰えるくらいすごい働きしてないしさ、できない、だろうし…w」
そう笑って取り繕う。
パッと彼の顔を見る。
子供を見るような穏やかな目をしたドズルさんが、優しく言った。
「すごい働きしているから誘ってるんですよ。もし自信を持てないのだとしたら持てるまで褒めますよ。……でも、あなたが嫌だと言うなら僕はいつまでも待ちます。受けてくれなくても良いです。あなたにお金を払ってでもそばにいて欲しい、僕の自己中心的な考えなので…。」
ゆっくりそう喋った彼の言葉にじんわりと心が温かくなる。
「……うん、そっか…ありがと…大丈夫よ、あなたが容認してくれる限りそばにいるから…」
いつか来る不幸に怯えながら…。