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ヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッ♡ 2人ともかわいいぃぃ
どうやったら君を救える?
どうやったら君を助けられる?
君を癒す役目を
どうか俺に
泣き疲れて眠る涼ちゃんの顔を見て思う。
もう限界かもしれない。
若井【元貴、今日ちょっと話せる?】
寝室を出て元貴にラインをする。今仕事中かもしれないからすぐに返事は来ないと思っていたが意外とすぐ既読が付き、電話が来た。
『若井、今どこ?』
「涼ちゃんち。」
『涼ちゃん、調子はどう・・・?』
「今日また倒れた。」
『え?!病院は?!』
「そこまでひどいのじゃないから病院へは行ってない。今は寝てる。」
『そっか・・・。』
「それで元貴に相談なんだけど、しばらく休みが欲しい。」
『まぁ、それはしょうがないよな。明日は涼ちゃん一日オフだし、そっから調整して3日くらいなら・・・。』
「俺も。」
『え?若井も?』
「涼ちゃん一人にできないから。」
『涼ちゃんはともかく、お前まで休んだら何言われるか分かんないじゃん。何より仕事投げ出すとかないんだけど?』
これは俺が涼ちゃんと一緒に居たいっていうのただの我儘
分かってる
分かってるけど・・・
受話器の向こうからため息が聞こえた。
『若井、お前無理してない?』
「無理?」
『今だって涼ちゃんの所から出勤して、涼ちゃんの所に帰ってんでしょ?心配なのはわかるけど、無理してお前が倒れたら意味ないじゃん。』
「いや、別に無理はしてないけど。」
『共依存じゃないけどさ、ちょっと離れたほうがいいんじゃない?』
「でも、また今日みたいになったらっ・・・。」
『いつまでも涼ちゃんが自分で対処できなくてもいいの?お前は涼ちゃんを家に閉じ込めておきたいの?』
「・・・・。」
そうか。俺はすでに自分の我儘を押し付けていたのかもしれない。もしかしたら、俺がいたら涼ちゃんも気になってゆっくりできなかったかも。
「・・・そうだよな。倒れたとこ見て気が動転してた。ごめん。」
『まぁ休みのことはチーフ(マネージャー)と相談しとく。』
「ありがと。」
電話を切った後、床に放り出してたスーパーの袋に気が付いた。
「・・・卵割れてる・・・。」
1時間くらい経った頃、目をこすりながら涼ちゃんが起きてきた。
「体調どう?」
「大丈夫、ありがとう。それと・・・。」
「ん?」
「さっきは恥ずかしいところを見せてしまい・・・。」
顔を真っ赤にさせて謝る涼ちゃん。目はそこまで腫れてないみたい。よかった。
「涼ちゃん。」
「は、はい?!」
「卵たっぷりの野菜雑炊あるけど食べる?」
「わー!食べるー!」
ふふっと笑うと、涼ちゃんは頬を膨らませた。
「食い意地張ってるって思ってる?」
「いや、食べる元気があってよかったよ。」
食卓に着いた涼ちゃんの前に、茶碗によそった雑炊を出す。
「おかずは形の悪い卵焼きです。召し上がれ。」
焦げてるとまではいかないけど、若干色と形の悪い卵焼きを出す。
「あははは。巻けてるだけ十分だよ。いただきまーす。」
一口食べる。果たしてお味は・・・?
「おいしー!」
「よかった。卵割れちゃっててさ。どうしようって思って雑炊と卵焼きにしたんだ。」
「あ・・・。」
「涼ちゃんのせいじゃないからね?俺が放り出したせいなんだから。」
「でも・・・。」
「6個入りでよかったよ。10個入だったらこれに茶碗蒸し足してたかもしれない。」
「え、茶碗蒸し作れるの?!」
「電子レンジで作る簡単な奴なら。」
「食べたい!」
「じゃ今度作るね。」
「うん!」
笑顔で頷く涼ちゃん
俺、この笑顔に弱んだよね
だからなんでもしてあげたくなる
なんでも差し出したくなる
元貴に言われるまで気づかなかったけど
俺が涼ちゃんに依存してるんだ
「ねぇ、涼ちゃん。」
「んー?」
「これから出かけられる?」
「え?」
「気分転換にドライブに行かない?」
「ドライブか・・・。うん、行く!」
「車取ってくるから。30分後くらいかな。下に着いたらラインするから。」
「わかった。」
一度自分の家に戻り、車に乗って再び涼ちゃんの家に戻る。
『着いた』とラインすれば、1,2分で涼ちゃんは降りてきた。
「じゃ、しゅっぱーつ!」
「お願いしまーす!」
車は高速に乗り、海上にあるPAへとやってきた。
「ここ来たの久しぶり!」
「涼ちゃん来たことあるの?」
「東京で運転慣れるために一人でここまで来たんだよ。あっちまで行かずにUターンして帰ったけど。」
丁度夕焼けが沈みかけており、空がゆっくりと夜へ変わっていく。
「綺麗だねー。」
海を見る涼ちゃんの横顔はとても穏やかだ。
この時間が永遠に続けばいいのに
なんて青臭いことを考えてしまうのは
どうやったって戻らなければいけないから
あの光り出した街の中へ
大切な人が傷つくことが分かっている世界へ
「今だけは色んなこと忘れてのんびりしよう。」
「・・・ありがとね、若井。」