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「洋服とか自分で脱げるじゃん!もう大丈夫じゃないの?」
「そんなこと言わないで。ほら。包帯取ると、こんなに切れてるんだよ」
確かに、痛そう。
縫わなくて良かったと思うくらいの傷だ。
瑞希くんがシャワーを浴びたいと言うので、それを今手伝っている。
「傷口にシャンプーとか、絶対滲みるから」
という理由だった。
まぁ、そう思ったけど。
どうして私まで裸にならなきゃいけないの?
バスタオルは巻いているけど。
ちなみに瑞希くんも下半身にはタオルを巻いてもらっている。
「いいじゃん。もうあんなことまでしてるんだ……」
彼の口を塞いだ。
「変なこと言ったら手伝わない」
「わかった」
なんとかお風呂に入る。
「葵、おいで。先にお湯浴びな。寒いだろ?」
彼がシャワーを浴びるのが目的なのに、やっぱり私のことを優先してくれる。
「瑞希くん、座って。頭洗ってあげる」
片手じゃ洗いにくいよね。
「マジ?嬉しい……」
素直に彼は座り、私に洗われる。
人の頭を洗うなんて、弟を洗ったことがあるのはもう何十年も前だ。
「気持ちいい。人に頭洗ってもらうのって気持ち良いよな」
「お湯かけるよ」
シャワーを髪の毛にかけて泡を流す。
私は瑞希くんのうしろにいた。
「葵。ごめん。言いにくいんだけど」
なんだろう。まだ洗い足りなかった?
「ごめん、まだ足りなかった?もう一度……」
「胸が俺の背中に当たってる。俺は嬉しいんだけど、身体が反応しちゃうっていうか……」
「えっ?」
一生懸命になっていて気づかなかった。
「あっ、ごめん!!」
慌てて彼から離れる。
「身体は片手でも大丈夫だよね?」
私はお風呂から出ようとした。
「ダメ、洗えない」
彼から引き止められる。これって甘えてるだけなんじゃ?
「わかった。じゃあ、できないところ手伝うから」
ボディーソープをタオルに染み込ませ泡をたてる。
「この辺?」
彼の背中を洗う。大きな背中だな。やっぱり男性なんだよね、当たり前だけど。
「ありがとう。前は自分で洗うから、シャワーで流すまでいて」
「うん」
目線を逸らし彼が身体を洗うのを待った。
そしてシャワーをかける。
よしっ、これで終わり。
「じゃあ、私は……」
「ダメ!今度は俺が葵のこと、洗う番だから」
「ちょっと、待って。私は自分で……」
彼にひっぱられ、椅子に座らされる。
「瑞希くん!」
立ち上がろうとするが彼に挟まれ動けない。
片手でもこんなに力があるんだ。
もしかして最初からこれが狙い?
「俺だって最初はただ本当に手伝ってもらうだけのつもりだった。だけど、さっきので我慢できなくなった。しかも、昨日早く帰ってきてする予定だったのに」
そう言うと彼は、私の顎を持ちキスをした。
「んん……。はぁ……」
キスされているうちに、バスタオルを剥がされた。
「んん、ちょっと!」
気づいたら、タオルがなくなっている。
なんとか胸を隠そうとするが
「じゃあ、葵、洗ってあげる。利き手じゃないから、上手くできなかったらごめん」
彼はボディーソープを取り出した。
「そういう問題じゃ」
彼の手のひらが私の身体に直接触れる。
ビクっと反応する。いつもよりヌルヌルしてる。 そんな私を見て瑞希くんは、舌を絡めながらキスをしてくる。
もう、完全元気じゃん。
「ん……。はぁ……」
胸に触られるが、いつもより感度が良い気がする。滑りが良いせい?
「ちょっ、瑞希くん!」
気持ち良い、身体がもう反応しちゃってる。
「葵、もうここ、硬くなってきてる」
胸のピンク色の先端を指で挟まれる。
「だめ……!」
「じゃあ、次はこっち」
彼の手が太ももに伸びる。
「いや!」
「いやって言うけど、身体は素直だよ」
「あっ、いつもよりなんかヌルヌルして」
「そうだね。滑りがいいから気持ち良いでしょ?」
「んんん!」
彼は唇を合わせながら、私の感じてしまう部分に手を伸ばし、指の腹で擦る。
「はぁ……!」
「葵、すごいエロい顔してるけど、もうイっちゃいそうなの?」
「イキそ……」
どうしてこんなに簡単に?
「あーあ。利き手が使えないのが残念。ここじゃイかせてあげない」
シャワーをかけられ、バスタオルで包まれ、寝室に連れて行かれる。
「待って。ちゃんと拭かないとベッド濡れちゃうよ」
「そんなこと考えなくていーの」
ベッドに押し倒される。チュッっとキスを交わし続けた。
「シャワーで流したけど、もうこんなに濡れてる」
私の下腹部に瑞希くんは手を伸ばした。
さっきイキそうだったから、身体が疼いている。
「んあぁ!」
彼の指が私の身体の中で動くたび、快感が襲う。
「ぁあ!気持ち……」
「やっぱり、いつもより上手くできない」
彼は満足していないようだ。
「今日から葵、帰っちゃうんでしょ?だから、いっぱい充電したかった」
「葵。もう……。挿れたい……」
私は、彼の上に跨る。
「俺に掴まっていいよ」
彼の肩に掴まりながら、ゆっくり自分の中に挿れる。
「あぁっ」
「挿ったね」
なんか、不思議。私の方が目線が高い。
彼とキスをして、舌を絡める。
「ふっ……。はぁ」
「葵の胸が目の前にあるのも幸せだけど、こうしてキスできるのも幸せだな」
そう言って、彼は私の胸をチュッと吸った。
「あっ…」
気持ち良くて、動けない。
「我慢できない。下から突いていい?」
「えっ」
そういうと、彼は私の腰を少し持ち上げ自分の腰を動かした。
「はっ、あっ!」
私は結局、彼に掴まってしまう。
彼に突かれるたびに声が大きくなる。
「やばっ。葵、キスして」
もう、イキそう。
「葵、イキそう?」
「う……ん。もっ、はぁ」
「俺も…」
彼の動きが先ほどよりもさらに速くなった。
「ああぁ!!」
身体に力が入らない。
彼の吐息が耳にかかる。
「幸せだな。こうやって葵にギュってしてもらえるの」
「いつでもするよ」
フッと彼は笑って
「マジ、幸せ」
しばらく瑞希くんと抱き合っていた。
その後、瑞希くんに送ってもらって自宅に帰った。そんなに日は経っていないはずなのに、自分の家じゃないみたい。新しい鍵を使って入る。
「大丈夫?」
慎重に鍵を開ける私を見て、彼は心配をしてくれた。
「うん、大丈夫」
念のため、瑞希くんに一緒に部屋に入ってもらう。何も変わってはいなかった。
「ありがとう。じゃあ、またね」
玄関で彼を見送る。
「うん」
本当はもっと一緒にいたいけど。自分で帰るって決めたんだから、ケジメをつけなきゃ。
「葵、なんかあったらすぐ連絡しろよ」
「うん、ありがとう」
彼が帰り、自分のベッドで横になる。自分の部屋は落ち着くけど。虚しいな。
鍵も変えたし、勝手に尊が部屋に入ってくることはない。
優亜って子にフラれたみたいだし、私にお金を求めてくることもないよね。
ひとまず安心かな。
それから一週間、二週間、瑞希くんと会うことはなかった。
連絡は毎日取り合っていて
<今日は、これから出勤です!>
<昨日は、春人に売上抜かされた泣>
返信の時間が合わないため、一日数通のやり取りだったけれど、それでも嬉しい。
必ず「おはよう」「おやすみ」は言い合えたから。時間を見て電話もかけてくれた。電話をかけてくれるのは、決まって夜だった。
瑞希くんのうしろでは、軽快な音楽が聞こえてきた。
<今、電話大丈夫?>
「うん、大丈夫だよ。瑞希くん、仕事中でしょ?いいの?」
<うん、少しくらいなら。最近、全然会えてないから。なんか一年くらい会えてない気分……>
「そんなに昔!?」
思わず笑ってしまう。
「瑞希くん、手はもう大丈夫?」
<手?ああ、もう包帯はしなくなった。少し傷跡が残っているけど、痛みもないし大丈夫>
「そっか。良かった」
<葵の方は、その後何もない?大丈夫?>
「うん、大丈夫。家に来ないし、連絡は全部ブロックしているから」
瑞希くんは元彼の尊のことを気にしてくれた。
<ならいいけど。なんかあったら言えよ。遠慮とかしなくていいから>
「心配性だなぁ。大丈夫だよ」
<俺にとって、今、一番葵が大切だから>
そんなこと言わないで。なんて返事をすればいいの。ドキドキしちゃうじゃん。
<ごめん。呼ばれた。行くね。ゆっくり休めよ?おやすみ>
彼との電話が終わり、ベッドへ倒れ込む。
うぅ、瑞希くんあんなこと言うなんて反則だよ。
今、瑞希くんは私とは違う女の子と話したり、近い距離で話してるのかな。女の子からは、ボディタッチされたり。どこまで触れるのかな?
考えると苦しかった。触れて欲しくない。
私だけの瑞希くんでいてほしい。
あー、私って結構余裕ないんだな。