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容疑者が警察署に集まっている。
と刑事は東屋に連絡した。
「ここまで来れば東屋お得意の心理的な捜査ができますね。」
容疑者が警察署に集まっている。
と刑事は東屋に連絡した。
「ここまで来れば東屋お得意の心理的な捜査ができますね。」
「…そうとは限らないんだよね、」
すこし驚いた。いつも自画自賛ばかりしている彼女から初めて弱音を聞いた気がする。
「えーと、どうしてです?」
「今回の事件さ、不思議なとこ多いんだよね。金目的で実行犯が動いてるっていうのは推理してるけど指示役が何したいのかイマイチわかってないじゃん。」
「まあ、でも前回の事件だって動機じゃなくって矛盾点で当てたじゃないですか。」
「それもそうだけど、まずあの時は警察がファインプレーだったとしか言い様ないな。」
「?」
「あの事件はぱっと集めた3人の中に犯人がいたから私が当てれたけど、今回だって集めた人の中に居るとは限らないんだよ。」
確かにそうだ。
東屋さんはエスパーではないから本人を目前にしたり、情報があったりしなければ解くことは難しいだろう。
話している間に警察署に着いた。
外で待っていた刑事が樹達を案内する。
ドアの前に着き、取っ手を回すその瞬間。
「なんで私がこんなとこに居なきゃいけないのよ!」
ドアノブが揺れた感覚がした。
構わず開けるとそこには4,50の女が立っていた。
風貌は貴婦人のようだが荒々しい言葉遣いがそうではないことを語る。
その奥にも数人の被疑者と思われる人が居る。
「死亡推定時刻、あなたたちは何をしていたか。嘘は無しでお願いします。」
その声にかぶせるように先ほどの貴婦人もどきが声を上げた。
「私じゃないわ!その時私はレストランにいたもの!予約制だったから私が居た証拠はあるはずだわ!」
「ちょ、落ち着いてください。」
慌てて止めようとした樹を跳ね飛ばした。
「痛っ、。」
奥にいた人たちが駆け寄る。
楽観的な脳みそ
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119
※ 柿之萩 ているは ※
257
ついた足からは血が出ていた。
「君、大丈夫かい?おい、いくらなんでもやっていいことと悪いことがあるだろう。」
起き上がる樹に手を貸してあげたのは髭を生やした老紳士だった。
老紳士の説教に腹を立てた貴婦人もどきはムキになって反抗する。
「喧しいわ!そいつらはどうせ冤罪でもふっかけて犯罪者呼ばわりするつもりだろ!?」
「そんな事しませんって、」
ああ、これは色々な意味で面倒な事件のようだ。
それにしても驚いた。
前回の事件はたった3人に絞られていたにも関わらず今回は10人近い。
改めて聞き直す。
「この時間帯に何してましたか。」
老紳士は「近くの店へ買い物に」、貴婦人風の女性は「家に居た」。
白髪の女性は「夫の送迎に」、丸眼鏡の男は「大学へ」と答える。
そして順番に周りの人たちも答えだした。
「刑事さん、これってどういう人たちなんですか。」
「まあ被害者の知り合いだな。だいたい皆小綺麗だろ。」
刑事の言うとおり着こなしも良く、雰囲気もそういう感じだった。
「次は何を聞こう」と言った表情の東屋はふーむと頭を悩ましていた。
「えーっとまずお名前伺ってもいいですか。」
そう東屋が近づいたのは老紳士だった。
「私は進藤進といいます。変な名前でしょう。漢字で回文になるんですよ。」
老紳士は微笑を浮かべる。
東屋も同じように微笑を浮かべたがそれは口だけだった。
いかにも今から仕留めるといった覚悟を決めている顔。
「ご職業は?」
「恥ずかしながら定年退職して今は隠居です。」
とても若く見えた。50半ばでも通じる。
「買い物はどこへ?」
「近所にピオンモールという場所がありまして。そこへ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
彼女は刑事のもとへ行くとモール周辺のカメラの調査を頼んだ。
東屋は笑顔で貴婦人風の女性に近づいていった。
さっきあんなに嫌そうな顔をしていたのに、やっぱりこの人はちょっと怖い。
「すみません、そこの御婦人。」
優しく話しに行った彼女に対して女性は嫌そうな顔をした。
「お名前伺ってもよろしいでしょうか。」
「名前ですって?私は加納よ。」
「フルネームでもいいですか。」
「はぁ。めんどくさいわね。杏子よ。加納杏子。」
「えーっとまずは、家からその時一回も出てないんですか。」
「だからそう言ってるじゃない。出てたら言ってるわよ。」
東屋へのあたりが強い。
「不快な思いをさせてしまいすみません。職業は。」
「仕事?そんなのやってるわけないじゃない。女性よ?」
多様性ガン無視の言動に呆れつつメモを取る。
「被害者との関係は?」
「被害者って、ああ城川のことね。あいつとは」
その瞬間。
貴婦人の肩を誰かが掴んだ。
その手は紛れも無い樹のものだった。
それに自分で気づくまで何秒かの間が空く。
「え、えーっと…西ヶ谷君?」
呼びかけられてやっと正気になった。
「あ、え、あ…すみません。」
遠くで刑事がため息をつき、何やってんだとでも言わんばかりに眉間に指を置いた。
「何よ。触らないでくれる?」
明らかに頭にきている声だったが樹は止まらない。
自分でも不思議だ。
「突然触れたこと、申し訳ございません。」
「もうわかったからあっち行ってくれる?邪魔なのよ。」
「ですが、ひとつお聞きしたいことがありまして、」
集められた人たちが集った警察署内。
そこに無造作に置かれた椅子と机。
さらにその奥。
一つ置かれた鏡に映った樹の目は、東屋が獲物を狩る時の目そのものだった。
「あなた、嘘ついてますよね。」
コメント
5件
うそついてる……!? どんな嘘をついてるんだろう……次回楽しみにしてます!🥰️
ついに東屋さんの弱音!「そうとは限らないんだよね」にめっちゃ驚いたし、樹くんの衝動的な行動にもドキドキしたよ…!最後の「嘘ついてますよね」で樹くんの目が東屋さんと同じになってるの熱すぎる🔥 次、どうなるの!?気になりすぎる〜😭💕