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『やっぱり…!』



人生がつまらない。

そう思うようになったのは、…いつだっけ。

みんな、ずっと友達だと思っていた。


…けど、「1番の大親友」なんて思ってくれる人なんていなかった。

私が「友達だよね…!」って言えば「うん、友達だね」って返してくれる。


私は信用しすぎていたんだ。


みんな私以外の人とばっかり話してるってことに気づいた。

そして、私には興味がないってことも。


大したこともできない。特技なんてない。

取り柄は…真面目なところ。いや、真面目すぎるところ。


…私って、空気なのかな。


最初はそれでもやっていけた。

でも、だんだんわかってきたんだ。

「私の必要性」なんてないんじゃないかな?って。


どこか知らない街。

体が勝手に動く。

誰かに導かれるように。


チリンチリン、と音が聞こえる。

私は我に帰った。

ここってどこ?

近くに見えるのは、大きなビル。こんな大都会なとこってあったんだ。

っていうか私迷子なんじゃない?…まいっか。

あとは、全然周りの風景に馴染まなくて目立っている小さな家、そして私くらいの女の子。

いかにも「元気!」って感じの。


「前世、来世の売り買い行っておりまーす!」


一瞬戸惑った。

この人、何言ってんの?


でも、考えるよりも前に体が動く。


「すみません、私、前世を売りたいです。」


「こうやって言ってくる人なんてなかなかないからさぁ、めっちゃうれしかった〜!ありがとうねぇ!」

「…それはどうも…」

ここはさっきの家のなか。

「それはそうと、はやく言ってください」

「何が?」

「前世、来世がどーのこーののやつ」

「あーあれね。ちゃちゃっと教えるよ」


早く教えてよ、と思ったけど、意外にもこの人と話してると、なんだか楽しいと思えてしまう。


「ていうかさ、なんにも知らないのによく『前世を売りたいです』なんて言えたねぇ」

「そうですか。」

とてもおしゃべりな人だ。

「じゃあ説明するね。

まず、前世を売る、とか言ってたけど、簡単に言えば、

『今の人生を売って、新しい人生を買う』って感じなんだよねぇ。」

「じゃあ、その売った人生は他の人が買うってことですか。」

「そうなる!意外と賢いね!」


人生で「賢い」なんて言われたのは初めてかもしれない。


「で、人生を売った人は、前売った人の人生から選ぶことができるんだよ!」

なるほど。そういうことか。

…でも、私の人生なんか買う人いるのかな?


「で、ここまで言ったけど、やっぱり前世売りたい?」


自分でもよくわからなかった。

「売りたい」って気持ちと「どうしよう」と思う気持ちが頭の中でぐるぐるしている。

前なら「売りたい」とすぐに言えただろうな。

なんでだろう、なんだかモヤモヤする。


「私、一旦帰って考えてきます」

悩んだ末、こう答えた。

「でも、君家わかんなくなったんでしょ」

あ、そうだった。…って、え?

「なんで私が家がわかんなくなったことを知っているんですか?」

「ん〜それは企業秘密!」

「企業秘密って…」

「まぁそれはいいとして!帰れなさそうだから、泊まってく?」

「おねがいします…!」

ほんとありがたい。


今日は、この人の家(?)泊まることにした。

ご飯を食べて、たくさん話して。

とても楽しかった。

…こんな気持ち、何年ぶりだろう。


「おやすみ!」

パチっと電気が消える。

私は布団の中で、いろんなことを考えていた。

(今日とても楽しかったな。)

(前世や来世って本当にあったんだ。)

(あの人、名前なんだろう。明日聞いてみよ。)

色々考えていたら、心の中のモヤモヤはだんだん晴れていった。

…私、わかったかもしれない。

(今までの人生がつまらなかった理由が…)



気づくと朝になっていた。

2人で起こしあったり、ご飯食べたり、なんやかんやした後。


「じゃあ本題にいくんだけど、前世、売る?」

とてもド直球だった。

けど、私も、今回は確信を持って言える。

「いえ、私の人生、私なりに生きようと思います」


・ ・ ・


「やっぱこーなるかぁ〜」

予想外の返しだった。

「どういうことですか?」

「やっぱさ、こうやって『前世売る!』って言ってきた人、だいたい結局『やっぱいいです』って言われちゃうんだよぉ…なんでかな?」

その顔は、がっかりしてはいたけれど、少しうれしそうだった。

あ、あと、これは言わないと。

「ありがとうございます…!」

「急にどした?私何にもしてないよ?」

「私、気づいたんです。今まで『人生がつまらない』と思っていた理由が。

ずっとだれからも大事にされていなかった。だから、私自身も他の人と関わろうとなんかしなかった。

いや、関わりたくなかった。

でも、あなたに会って、変わりました。

他の人から思いやりの心を感じて、とても嬉しかったんです。

『やっぱり私、生きよう!』と思えるきっかけになりました。

これからは私から思いやりの心を持って過ごしたいとおもいます。

今まで本当にありがとうございました。」

「それはよかったよ。それじゃ私の出番も終わりか…」




気づくと朝だった。

ベットの中。あ、私の家だ。

もしかしたら、全部夢だったのかな?

私はこれから、あの人のように、精一杯生きようと思う。

…そういえば、名前、なんだったのかな?


私はいつも通り、学校の準備をする。

あの人を思い浮かべながら。

私はそっと独り言を言う。

「ねぇ、名前、なんて言うの?」



その後、「ミライ。」と微かに聞こえたような気がした。





❇︎-END-✴︎






どうだったでしょうか?

私にとって初めての物語、初めてのノベル、初めての長短編(短編だけど長いって意味。読切が1番あってるかも。)です!

楽しんでくれたら嬉しいです⁽⁽٩(◍˃̶ᗜ˂̶◍)۶⁾⁾(下手だったらごめんよ)

ハートが欲しいぃぃぃぃぃ!

いいなと思ったら、ハート、コメントよろしく゚+。(o・ω-人)・.。

ちなみにこれ実は2578文字なんよ!(最後のまで含めて)

すごくね!めっちゃがんばったんだよ!

ということで!バイバイ(ˊᗜˋ*)

最後まで読んでくれてありがとう!

(⑉•ᴗ•⑉)τнänκ чöü ❤︎

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