コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
side tn
ゾムのお母さんに新しい恋人が出来たとき。俺は高校二年生で、ゾムは小学四年生だった。今ほど夏は熱くなかったが、ここらへんは高校に行けばそりゃ人は増えるが小学生は少なかった。それに、ゾムは普通の小学生を飛び抜けて綺麗だった。馴染めなかったんだろう。親の離婚、引っ越しも含め、周りの変化が多かっただろうが、あまり変わってないように思ってた。ただ、変わったとすれば。
笑顔がわざとらしかった。
ところだろうか。スマホに残った写真をスクロールし、思い出に浸る。とっくに課題の確認は終わっているのに、席を立とうとしない俺は、この思い出に未練でもあるのだろうか。ショッピが俺のフォルダに出てきたくらいで思い出す。指の動きも、頭の動きも全て止まる。
このときはちょうど俺の進路が決まったくらいだった。そのことで頭がいっぱいで、ショッピとの懐かしい思い出も、ほぼ思い出せない。ゾムとの会話もほぼ。
だが、思い出したと言うか、感じてしまったのだ。さっきのショッピの話と、この時のゾムの感じを照らし合わせると、どうしても辻褄が合ってしまう。
違う、そう思いたかった。前の自分は自分のことしか見てなかった。向き合う自信がきっとなかったのだ。ただ、教師となった今。俺はこの問題に向き合うべきなのではないか?。やらない後悔よりやって後悔。それを胸にいだき、教室をあとにした。