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薄暗い部屋に差し込む光は、机の上にあるスタンドライトと、窓から差し込む月明かりぐらいだ。
暗闇の中で見る君の顔は、まさに男らしく愛おしい。
手を繋いで
キスをして
ハグをして
恋の延長線上とやらにあるものは、もう殆ど経験しただろう。学生のボクらが思いつくようなものはひと通りやった。
大好きな人と、手を繋いで
大好きな人と、キスをして
大好きな人と、ハグをして
大好きな人に、抱いてもらって
第三者からは『恋人』に見える距離感。それなのに、ボクらの関係にその言葉は甘すぎた。甘すぎて、似合いもしない言葉。それなら何を当てはめればいいのだろうか。
手を繋いで
キスをして
ハグをして
抱いてもらって
『セフレ』とでも言えばいいのか。
実際、今のボクらの関係を表すのにこれ以上ないくらい適した言葉ではある。それなのに、ボクにはその言葉が苦すぎる。
『甘いのも苦いのも駄目なのかい?』
角砂糖3つ入れて、丁寧に混ぜる。明るい茶色の液体は、白いカップの中で静かに泳いでいる。口を着け、1口。ちょうどいい甘さが、ボクには会っている。
なら、ボクらの関係にも、ちょうどいい甘さがお似合いなのだろうか。