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放課後、図書室
いつも通り静かな空間。
ほのかは、歴史書の中の「忍者」の記述を読み込んでいた。
・「異能のものが身を隠す術」
・「変わった動きは訓練によるもの」
・「時に大切な人を守るため、嘘をつく」
そのページを目に止めたまま、ふとつぶやく。
「……あの二人、本当に普通なのかな」
そう思っているうちにチャイムがなった
「あ、もう帰んなきゃ」
チャイム直後︰楓とむつる、食育裏の応接室へと呼び出される
そこに待っていたのは紫藤縁先生。
「よく来た。光流・炎熊」
声のとがいつもの教師モードではない。
先生ははどのカーテンを閉め、小さな巻物を取り出した。
「ほのかが影廻にマークされた。理由は楓。お前のの師匠孫娘だからだ。」
楓が息を呑む。
「……ほのかを、狙ってる?」
「今のところ直接的な接触はないが、時間の問題だ。今回の任務は護衛だ。ただし、ほのかに気付かれずに、な」
「嘘をつき続けろ、ってことか」
むつるが低くつぶやく。
紫藤は静かにうなずく
その夜
帰り道、ほのかが何者かに尾行される。
彼女自身は気づいていない。だが、その直後ー
「……そこまでだ」
月の下、光をまとったむつる(光流)が現れる。
尾行者が刀を振るう寸前、まばゆい閃光が辺りを包んだ。
「目が……!くっ……!」
むつるは一瞬で敵の腕を打ち払い、逃げ道を塞ぐ。
それと同時に、楓(炎熊)がビルの陰から飛び降り、炎を纏った影分身を操り出す。
敵は退散ー。
翌朝︰教室
「……昨日、帰り道で……なんか後ろを歩いてた人が……」
ほのかの顔にかすかな不安が浮かぶ。
楓は笑って言う。
「大丈夫。ここって変な人多いから、用心しなきゃね」
その笑顔の奥で、楓の指先が小さく震えていた。