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空は、少しどんよりとしていた。多分明日は雨だ。

「明日、出発前かぁ〜……‼」

MENが欠伸混じりに言った。

多分、僕ら3人は戦場へ行くことに対して何も感じていない。ことはないけど。

「手紙……書く?」

おんりーが便箋を手渡してくれた。

「おんりーは書くの?」

僕の問いかけに「うーん……」と唸るおんりー。

「送る人はいないけど……。書くなら、ぼんさんとおらふくんに紙飛行機飛ばしたいなぁ。」

亡くなった人へ手紙を送る方法は、遺体と一緒に焼くか、空へ紙飛行機を飛ばすしか方法はないと聞いたことがある。

ぼんさんとおらふくんが、本当に亡くなってしまったかは知らないけれど、手紙が直接渡せないなら、飛ばして届けようということだろう。

「それ、良いな。」

MENが、ペンで紙に文字を書く。そして、紙飛行機の形に折った。

僕もMENからペンをもらって、ぼんさんとおらふくんへ手紙を書いた。そして、MENに教わって紙飛行機を折る。

おんりーも紙飛行機ができたみたい。


ぼんさんとおらふくんと別れた場所へ3人で歩いていく。

少し前に通ったのに、もう懐かしいと感じてしまう道のりだった。

ぼんさんとおらふくんは、今、どこにいるだろうか。

2人と別れた所に着くと、僕たち3人は顔を見合わせた。

気づいたら、雲の隙間から太陽が顔を覗かせていた。

「約束だよ。」

「もちろん。」

「絶対に、叶えようね。」

そして、3人でぼんさんとおらふくんが消えてった方へ紙飛行機を飛ばした。

3つの紙飛行機は、太陽の光に照らされてキラキラと輝いてるように見えた。

「「「またね。」」」

と、満面の笑みで。



ぼんさん、おらふくんへ

俺たちは、明日戦場へ行きます。

今でも、2人のことは鮮明に思い出せます。

一応、年上のぼんさん。言うて4ヶ月くらいしか変わらないけど。

でも、一番年上くらい面倒見が良かったよね。ありがとう。

一応、一番年上のおらふくん。

一番年上とは思えないくらいに、明るくて幼くて。でも元気をもらえたよ。

ありがとう。

2人とも、大切な家族。大好きだからね。

もし、2人ともお空へ行っちゃってたとしたら、俺も行くからね。

大丈夫だよ。待っててね。


おんりーより。



ぼんさん、おらふくんへ

元気?俺は元気!

明日戦場へ行くってのは気の毒だけど。大丈夫だと思う。

ぼんさん、お兄ちゃんみたいに優しくて……大好きだよ。

兄弟のいない俺にとって、ぼんさんは唯一無二の存在だった。

そんな俺にわがまま言わないで側に置いてくれてありがとう。

おらふくんは、初めて会ったときめっちゃ驚いた!

だって、おらふくん元気すぎて、戦争起こってるの気付いてないんじゃないかと思って(笑)

そんなおらふくんも、戦場が怖いってことを知って安心した。みんな同じなんだって。はちゃめちゃに元気なおらふくんが大好き!

2人と”同じ場所”に行くとなったら、いっぱい遊ぼうな。

実の家族以上に大好きだぜ!


おおはらMENより。


ぼんさん、おらふくんへ

初めて出会ったとき、初対面だったのに昔からの友達みたいに喋りかけてくれて、ありがとう。

そのお陰で不安は何一つ無くなったよ。

5人でつくった思い出は、あの世へ行っても忘れることはないよ。

明日、戦場へ3人で向かうから。

僕たちが助けに行くから、待っててね。

絶対、夢を叶えようね!大好きだよ。


ドズルより。

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コメント

2

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グス

ユーザー

3人からの2人への手紙がめっちゃ良い…やば…どうしよう、虚しすぎる…( > <。)

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