今日は案の定、雨だった。
本当に降っているのか分からない程の小雨だけれど。
「じゃあ……またね。」
戦場では、3人とも別々になってしまうことになった。
「うん、絶対に生き残ろう。」
「2人とも、死んだら許さんからな‼」
3人で生き残る。絶対に生き残る。
いや……”5人”で生き残る。
戦場に着いた。一目見て分かった。
───最悪だ。
時々聞こえる悲鳴。地面を揺らすほどの爆発。
僕は、ここにいる人たちの救助をすることになっている。多分、2人もそうだ。
近くにいる小さな子供2人を抱えて、物陰に走った。
「……お兄さん…。僕たち……、死んじゃうの…?」
抱えていた男の子が言う。
まだ小さい男の子は、不安気に瞳を揺らす。……まだ小さいのに、怖かっただろうに。小さいうちにこんな経験したら、トラウマでしかないだろう。
「───大丈夫‼」
僕は子共たちを不安にさせないよう、満面の笑みで伝えた。
「絶対に、僕がこの世界を平和にしてみせるからね。」
2人は、ぱぁあっと表情を明るくさせた。
2人に、近くの防空壕に入るよう指示をし、僕はまた他の人を助けに走った。
……悲鳴の雨に耐えながら。