テラーノベル
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……ひとしきり期待して、諦めて、家に帰ることにした。
しかし真っ直ぐ帰りたくはないので、適当に近くの山を見て帰ることにした。
特に何も無い、ただの湿っていて何が居るかも、そもそも何かがあるかも分からない。
ただ湿った落ち葉が重なっていて、層になっていることだけ分かった。
理系の科目の授業で先生は、何か地中にいる…微生物みたいな小さな何かが落ち葉を食べて、何かして…環境の為になることをしてくれている、と言っていた記憶がある。
詳細はあまり覚えていないが、少し羨ましいと思った記憶もある。
罵倒に聞こえるかもしれないが、知能が無ければ、ただ環境の為になることだけして死ねるのだ。
知能が無ければ、環境の為になることも分からないだろうが。
彼らからすればそれは生活の一種で、私たちが目にする環境は彼らの知らない、世界の外のことだ。
私の適当なこの徘徊も、何かの為であればいいのに。知能があるのにこれは分からない。分かった方がまだマシに生きれたかもしれない。
ずりっ
刹那、落ち葉によって隠されていた石を踏んだ私が、バランスを崩して、右足首がぐにゃりと、バレリーナよりも足を曲げたことが分かった。
あぁ、今の私の足、バレリーナがトゥシューズを慣らす時のトゥシューズの形にそっくりだろうな。
次に、私は落下した。そうえばここ、小さな川みたいなものがあったっけ。
浅すぎて、川とも呼べなさそうな川。
私の肉体は、無意識に全身に力を入れて、何処か掴める場所はないのか、あったら全身で掴み、激しい痛みから逃れたいと体を動かそうとしている。
しかし重力には逆らえないようで、重力が強過ぎるのか、はたまた一定だけど私の肉体があまりに鈍いのか、空を切ることさえ何も出来ていない。
このさまは、まるで自由落下のようで少し笑えた。
この長い一瞬で、私は生を諦めた。痛みが嫌だともがく肉体を黙らせる為に目を閉じた。
ごんっ
地獄とか天国って本当にあるのかな。あるなら私はどちら行きかな。
きっと閻魔様も審判に困り果てるような人生だっただろう。
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