kyo視点
つかの間の恋だった
一瞬だったんだ、どれもキラキラして
水みたいで、俺の前でだけ見せてくれる
深い青藍(せいらん)色の瞳も綺麗で大好きだが
皆に見せる真っ黒な瞳も、瞳と同じ髪の色も
藍(あい)色ののニット帽も深緋(こきひ)色の
マフラーも、
みんなと一緒の白いシャツと白いズボンも、全て
愛していた
最初は非常食だのいつ食べるの?
など、言われ変なやつ認定した俺だったが
一緒に過ごしているうちに好きになった
あいつは、口はうるさいものの、面倒見が良くて
ノリのいい彼を好いてしまった
彼は仲いい人といないと一人だ
正直、アイツが他のやつと喋っていると
妬いてしまう、自分がいる……
まだ仲良い人となら許せるが
よく知らない奴と喋っているのはやはり許せなかった
抱き潰してやりたい、俺だけに荒れた姿を
淫乱な顔を見せて欲しい
俺を見て欲しい
「俺だけを見ろよ……」
なんて…言えないな……
「ばぁっ……」
「らっ……だぁ…、!?!」
「誰に自分だけ見てて欲しいの?w」
「はっ……なんでもねぇよ……!///」
「ふ〜ん?w」
俺が好きになった人、
少し色気のある言い方するからびっくりした
襲うぞ()こら()
「お前こそどうした?」
「……暇だっただけだよw」
「そうか…」
「…、ぁ、…っ…コホッコホッ」
「らっだぁ!?」
コイツはたまに何にもなくても
咳き込むから心配やねんな……
「大丈夫か!?らっだぁ!?」
「ゴホッゴホッ…ゴホッ…ごめっ……」
全然止まらん……
こういう時どうするんだったっけ……
そういえば…キスすれば……ってあったな…
チュッ
「んっ……ふっ…はっ……ぁ…、ぷはぁっ…///」
「過呼吸止まったか…?」
「きょっ…さん……、━━///」
「えっ…?」
「きょーさん大胆すぎ……///」
頭の中で”大胆”という言葉がリピートされる
何とかしないといけんから、キスしてもええかって
勝手にやってしもうた……
「あ…えっと…今のはちゃうんや…その…///」
「いぃ…よ…、またしてね…?」
消え入りそうな小さい声で言ったあと
らっだぁが頬にキスをした
「は!?///」
「……ははっw///」
「…心臓に悪いは、お前……!///」
「ごめんね……?w」
「ほんまに…抱くぞ……(?)」
「いいよ……(?)」
いいよ……?
言ったな……
今夜は絶対に寝させねぇかんな…、…
ドサッ…
「ほんとにヤる気じゃん…、まぁ、いいよ来て」
「はぁっ…もうヤるからな…」
顔があとゼロ距離……
というところで
ママが「ご飯よ〜」と言った
「おぁ…っ……飯か…」
「…また今度ね……w」
「夜覚えとけよ……、」
「分かったよ…wほら!行こ!」
「ん〜……」
らっだぁとヤれなくて多分俺は
ムスッとしていたと思う
「らっだぁ、」
「ん?」
「つきあってよ」
「別に良いよ…」
「…正式に付き合えて良かったわ……」
「大切にしろよ…?w」
━━━━━あたりめぇだよ━━━━━
何があっても、絶対に離さないから……