口元に手を当てながら笑う彼女を見てなんだか微笑ましくなった。
紫の方を見るとカップを持ったまま固まっている「おい、紫どうしたんじゃ!」
「ん?どうしたん?」成千神も紫に声をかけるも返事をせずにいた
「….チャイ口に合わなかったかしら」
「し……い…..」
「ん?なんじゃ?」
「すごく美味しい」
小さな声で子供のように大きな目を輝かせ、チャイが気に入ったのか飲むたびに「美味しい」と小さな声で呟いていた、それを見ていた茉莉子さんは口元をほころばせ「それはよかったわ。紫さんがチャイ気に入ってくれて嬉しいわ」
って親しみのこもった声で言うものの、静かで淋しそうな顔をした。
「あの子もチャイ好きなんです」
チャイが入っているカップを持ち遠い目をする茉莉子さんになんだか切なくなり、大都くんのことを尋ねた。
「あの、つかぬことを聞きますが茉莉子さんは大都くんの実の母親ではないですよね?」
儂らの方に目を向け静かな声で。
「はい。違います。
私と大都には血は繋がっていません。」
気づいてはいた….が
彼女の言葉や表情、大都くんの言葉からー。
そして我々神や死神には視える血縁関係が違うのも
成千神は知っていたかのように顔色一つ変えず彼女を見ていた。
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