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こんなイタリア君…嫌いです。
貴方の、優しいところが好きだった。
誰にも負けないような笑顔で、周りの雰囲気を変えてくれる貴方が。
なのに…なのに…
やはり、私のせいでしょうか。
でも、不思議と昨日は…
やってしまった。
本当は手を出す気はなかったのに。
俺、嫌われちゃったかなぁ…
俺は不器用で、日本のこととなると敏感で、ついやり過ぎてしまう。
これは言い訳に過ぎない。
今更日本にこんなこと言ったところで、昨日のように怖がられてしまうだろう。
俺のバカ…
『ねぇ、日本。』
ビクッ
「…なんでしょうか。」
やっぱり、怖がられてる。
俺のせいだろうな。
『その、昨日はごめん。』
「え?」
意外にも日本は、疑うような目はせず、純粋に驚いたような顔をした。
そういう所が昔から大好きなんだ。
でも、今そんなこと言った所で…
「なぜ、謝るのです?」
なぜ?なぜって言われても…
『だって、俺…』
「私、昨日嫌なんて言いましたか?」
『え?』
そういえば、嫌とは…
「急で吃驚しましたし、状況が理解できずにいましたが…」
「嫌ではありませんでしたよ。」
『それって…』
「もちろん、私はいつもの貴方の方が好きです。」
そんなの、期待しちゃうじゃんか。
俺は続きを待つように固唾を飲み、日本は 目を伏せたまま語り続ける。
「急にキスしてくるようなイタリア君は嫌いです。」
『…そうだよね。』
そりゃそうだ。
何期待してたんだよ。
「でも、そんな所も含めたイタリア君が好きなのです。」
「気分屋で、誰よりも明るくて、その裏には私にしか見せない影があって…」
期待してもいいのかな。
『日本…』
期待させたのは日本の方だからね。
「はい。」
『キス、していい?』
勇気を出して聞く。
なぜか、日本を探していた時くらい緊張した。
「もちろんです。」
短いキスだった。挨拶くらいの。
でも、俺には十分だった。
俺の顔は燃えるように暑くて、目の前の日本も同じように顔を赤らめていた。
あの時無理やりしたのより、何万、何億倍、幸せなキスだった。
俺、この世にもう悔いないかも…
『もちろん、私はいつもの貴方の方が好きです。』
私の中でも色々と整理がつき、ふとそんな話を始めた。
『急にキスしてくるようなイタリア君は嫌いです。』
「…そうだよね。」
嘘は付いていない。
がっかりしたような顔をしたイタリア君を見て、私は焦って次の言葉を口にした。
『でも、そんな所も含めたイタリア君が好きなのです。』
どんどん顔が熱くなる。
自分で言い出しておきながら、物凄く恥ずかしい。
『気分屋で、誰よりも明るくて、その裏には私にしか見せない影があって…』
私は、目の前にいる貴方が好きなんです。
「日本…」
呆気にとられたような顔をしていたイタリア君が、突然口を開く。
私は咄嗟に返事をした。
「はい。」
『キス、していい?』
イタリア君の顔がここまで強ばっているのは、あの時以来かもしれない。
意外と初々しいイタリア君に、私はまた孫のような感覚を覚える。
「もちろんです。」
私は優しく笑いかけた。
軽く、いつものハグくらいのキスだった。
でも、不思議と心地よかった。
もう一度を求めてしまいそうなキス。
でも、私からは求めない。
貴方がきっと、また誘ってくれるから。
貴方となら、喜んでしますよ。
コメント
2件
泣ける後半泣けます😢菊ぅぅぅぅぁぁぁこれって終わりですか?続きありますか??(合ってくれ)幸せになって良かったですね☺✨