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『おはようございます、イタリア君。』
「おはよう、菊。」
昨日のことは忘れもしない。
忘れたくない。
私の視線は自然とイタリア君の唇に向かってしまい、顔が熱くなった。
あれは夢心地だった。
もう一度したい…なんて…
「日本?どうかした?」
『あっ…えっと…』
突然顔を覗き込まれ、赤らめた顔を隠すように他所を向く。
「今日は世界会議だよ?しっかりしなきゃ。」
『そうですね。』
監禁生活は終わり、世界会議にも出れるようになった。
思い返してみれば、短い束縛であった。
怖かったけれど、同時に嬉しい日々だった。
「ほら、行くよ?」
『ええ。』
いつものように笑っているイタリア君を見て、また孫のような感覚を覚える。
けれど、それ以外にも何らかの感情を感じた。
いつものイタリア君じゃないイタリア君を知っているという特別感だ。
他 にもある気がするが、今は分からない。
昨日までの監禁を終えて、日本を解放した。
本当に悪い事をしたと思っている。
でも、日本への思いは変わらない。
心配だし、不安だし、好きだし、愛してる。
『今日の会議はドイツだってさ。』
「そうなのですね。」
『ドイツはヴルストが有名らしいよ!』
「ドイツさんの作るじゃがいも料理も美味しいですよね。」
またその顔。
顔が緩んで、自然と微笑むような、いつも真面目な日本の可愛らしい笑い方。
あぁ、その顔俺以外に見せたくないなぁ…
しかも、ドイツの話で笑顔になるの…?
『俺の料理だって美味しいよ!』
変なとこで張り合ってしまう。
ドイツは友達だけど、恋愛的にはライバルなんだ。
日本は誰にも渡さない。
日本は驚いたような顔をしてから微笑んだ。
『イタリア君の料理も”好き”ですよ。』
『また頂きたいです。』
「本当!?」
『ええ。』
ドイツさんの話で盛り上がっていたら、急にイタリア君が自分の話に変えた。
じぇらしーというやつだろうか。
イタリア君も可愛らしいところありますね。
「着いたよ〜」
『もうですか。』
『さすがプライベートジェットですね。』
「でしょ?」
自慢げに笑うイタリア君に私はまた微笑む。
この方は周りを明るくする力を持っているのだと、改めて実感した。
「イタリア、日本。2人同時は珍しいな。」
「特にイタリアがこんな早いなんて…」
ドイツさんがイタリアを懐疑気味に見つめたため、急いでいいわけをする。
『イタリア君に送ってもらったのです。』
「なるほどな。」
「ドイツ〜お腹空いた〜」
「朝食は食べてないのか?」
グゥ~
『そういえば、食べてませんね。』
色々とあり朝食を食べ忘れていたのを思い出した。
「そうだった…」
「会議までまだ時間がある。」
「近所で何か食べるか?」
「やった〜!」
ドイツ料理は美味しいので、私も乗り気になる。
『いいですね。』
『支払いはもちろん…』
「『私が持ちますよ。/割り勘だろう?/奢ってくれるよね!』」
「ヴェっ…」
『えぇっと…』
こうなると予想していた。
ここは年上である私が奢ろうとしていたのに…
「国の文化の違いか…」
「君たちなんの話ししてるんだい!」
乱入が起こった。
枢軸3人の話し合いに1人で突っ込んでくるアメリカさんの勇気と度胸だけは尊敬している。
『朝食の支払いの話ですよ。』
「なんだそんなことかい!」
「ヒーローである俺が奢ってやるんだぞ!」
「『ご馳走様です。/それで解決だな。/ありがとう〜!』」
最近後輩に奢りすぎて上司に怒られていたから、ちょうど良かった。
世界会議は滞りなく終わった。
朝から酔っ払ったアメリカさんが私に抱きついてイタリア君に殴られたため、司会がドイツさんになったのは別の話である。
コメント
2件
あ、アメリカさん?何してんの?w うっわ最高ですね愛してます フェリちゃん殴んないであげてw