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リビングでは、若井がソファーの肘掛けにもたれながら、元貴と話していた。
テレビはついているけど、二人ともほとんど見ていない。
ふと若井が思い出したように言う。
「そういえばさ」
元貴を見る。
「涼ちゃん、さっきその箱持って上行かなかった?笑」
元貴は一瞬きょとんとしてから、目を瞬かせる。
「……え、まじか?」
少し間を置いて、口の端を上げる。
「何してんだあいつ」
若井が肩を揺らして笑う。
「さあ?」
「一人反省会でもしてんじゃないの」
元貴は小さく鼻で笑う。
「くくく……」
「意味わかんねえ」
若井も釣られて笑う。
「ほんと、何したいんだか」
二人の笑い声が、リビングに静かに広がる。
そのやり取りの向こうで、
二階の部屋のドアは閉じたまま。
それぞれが別々のことを考えているのに、
同じ家の中にいる安心感だけは、ちゃんとそこにあった。