(前回の続きです)
「咲希っ いつか絶対に美容師さんになろうねっ!」
「うんっ!」
あれから11年の月日がたち、咲希は20歳、咲良は23歳になっていた。
あの日以来、憧れの美容師になるために咲良お姉ちゃんと頑張ってきたはずなのに…
「こらーーっ!! 咲希ぃ! ちゃんと散らばった髪の毛、掃除しろって言っただろっー!!」
「すっ すみませんっ 店長っ」
「ったく、ちったぁ咲良を見直えよなっ」
ズキッ 「すみません…」
私達は美容師国家試験に合格して、8か月前から駅前の人気店『ビューティーhope』(美しい希望)で働いている。家は小さなアパートで2人暮らしだ。でも私はまだアシスタントでシャンプーのみ。はさみも持たせてもらえない。一方、咲良お姉ちゃんは…
「咲良にご指名があったぞ。カットが気に入ったそうだ」
「わぁっ ありがとうございますっ!」
そう言って綺麗な茶髪でセミロングの髪を揺らす。その顔立ちはシュッとした小顔にくりくりとした二重で、妹から見ても可愛い、自慢の姉だった。
…まだアシスタントだけれど、はさみを持たせてもらい、お客さんを担当できるなんて。しかもお客さんからご指名があったみたいだし…
(はぁっ 咲良お姉ちゃんはいいなぁ) サッサッ っとほうきで勢いをつけ、髪の毛をはく。
「きゃあっ」
今日はここまでです! 見ていただき、ありがとうございました!(*‘▽’*)