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そして、オスマンが姿をくらませてから約2年が過ぎた。


今年も桜が散り、春の終わりを告げる。


フランス)…で、イタ王。本当にそこに行くのか?


イタ王)先輩に会いたいんだ。行くよ。


フランス)ふーん、お前にしては珍しく諦めが悪いんだな。


新校舎の窓際。椅子2つ置いて話していると、普段話さない女子がキャッキャと笑いながらスマホの画面を見せてきた。


女子生徒)イタ王君、フランス君!見てよこれ…!


画面には落ち着いた雰囲気の喫茶店が写っていた。


フランス)はぁー?これがどうしたって…。


女子生徒)見て欲しいのは次よ、次!すっごいイケメンのマスターがいるのよー!


イタ王)…!?


よく見れば、マスターの後ろに隠れるように写っている小柄な人には見覚えがある。


フランス)っ、おい…イタ王、急にどうした、


イタ王)ごめん、そこどこにあるか教えて。


女子生徒)あ、イタ王君来るの!?じゃあ隣のフランス君も一緒に行こー!


フランス)えっ、いや、俺は…!


イタ王)じゃ、今日お昼までだからその後行こう。


フランス)…はぁ、急に乗り気なんだから。


先輩…俺の知らない間に見知らぬイケメンと2人きりだなんてっ、妬けちゃうなぁもう。


イタ王)ところで、場所どこだっけ。


女子生徒)あ、それはね〜。ちょっと遠いの。


ここの最寄駅から20駅以上乗った先だった。


イタ王)よし、じゃあ2時に駅集合ね。


少しワクワクとした気持ちで、俺は着ていく服やら最初の話しかけ方やら、色々考えた。


特急列車に乗ると、僅か30分ほどで到着した。3人で駅を降りると、女子生徒が地図アプリを開いた。


女子生徒)それにしても本当イケメンよね!この人既婚者じゃなかったらなぁ…。


ほっ。既婚者か。だったら先輩を取られる心配もない…!


フランス)おい、この店で合ってるか?


写真で見たのと同じ。こぢんまりとした小さな喫茶店だった。


カランカラン


ドアにつけられた鈴を小さく鳴らして店に入った。


オスマン)いらっしゃいま…せ…、、。


やばっ…エプロン姿が…可愛い。それに、なんかぎこちない感じも変わらない…。


イタ王)さ、探しましたよ…。先輩。


オスマン)……?!


あの時とほとんど変わらない背丈で、相変わらず華奢な身体を、無意識に包み込んでいた。

病んでる先輩が可愛すぎる!

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