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「ここが君達の部屋ねー。隣の部屋は悠仁だから何かあったら悠仁に聞きなー。」
葛葉と叶は五条に案内され一つの部屋に入る。
この部屋は二人部屋ではなく元々一人部屋なのだろう。
ベッドが一つとトイレ、シャワールームがあった。
残りの空間に布団を敷けば二人部屋になる広さだ。
「本当にありがとうございます。」
五条に向かい礼をする叶。
「あざまーす…。」
葛葉も続けた。
五条が去り、叶がベッドに飛び込んだ。
「うわぁー!疲れたー!」
飛び込みながら叶は叫んだ。
それを見た葛葉は叶の頭を叩いた。
「おい!大きい声出すなよ!てか、俺もベッドがいいんだけどー。」
睨みつける葛葉に対して叶はあっかんべーをした。
「僕が先に取ったから僕のベッドです~。」
二人は異世界に来たとは思えないほどいつも通りだった。
葛葉は布団を敷き、寝転がった。
「悠仁くん達には申し訳ないことをしたね。」
叶は天井を見上げ、先程の出来事を思い返していた。
ここに来る前、葛葉と叶が元の世界に帰るための手助けをすることになった呪術高専東京校一年生の三人。
伏黒と釘崎は最初は面倒事に巻き込まれたと虎杖を睨んでいた。
しかし、葛葉と叶はどちらとも美形の持ち主だ。
叶が釘崎に微笑んだところ、寝返ったかのように協力を申し出てくれた。
伏黒はというと、虎杖と釘崎のキラキラした目で頼まれ、仕方なく折れた。
元はといえば、葛葉と叶の同僚であるでびでび・でびるの失敗で起こった出来事だ。
手助けをしてくらることは嬉しいが、彼らの本来の仕事を中断させてしまい申し訳なくなる叶。
「仕方ないだろ。俺達だけじゃ呪霊を倒せるかなんてわからねぇし。」
葛葉は腕を枕にして天井を見ている。
葛葉には魔力があるがそれが呪霊に効くかは分からない。
葛葉の魔力が効かないとなると呪霊を捕まえる事は困難だ。
「そうだね…。とりあえず今日はもう寝ようかな。疲れたし。」
叶は目を閉じた。
「ふわぁ、俺も寝る…。」
葛葉も目を閉じて眠りに着いた。
同時刻。
呪術高専東京校の一年教室では一年生三人が話していた。
「なあ、伏黒。葛葉さんと叶さんが元の世界に帰るためにはどれくらいの強さの呪霊が必要なのかな?」
虎杖は伏黒の隣の席の机の上に座り話しかける。
「本当に信じられない話よねぇ。異世界から来たなんて。」
釘崎も伏黒の横に立ち話しかける。
「とにかくいろいろな呪霊で試していくしかないだろうな。」
虎杖と釘崎の真ん中に座り伏黒は答える。
どのくらいのレベルの呪霊で異世界をつなげられるのかは誰にも分からないのだ。
それなら一から潰していくのが最善策だろうと伏黒は考えたのだ。
「それなら、いつまでこっちにいるか分からないし、なにか生活に必要な物とか買った方がいいよな。」
虎杖の言葉に釘崎が目を見開いた。
「そうよ!でかした虎杖!それを口実に叶さんと葛葉さんと買い物行くのよ!」
釘崎は妄想を膨らませながら伏黒の机を片手でバシッと叩く。
「お金はどうするんだよ。あの人たちがお金を持っていたとしても、こっちで使えるとは限らないだろ。」
伏黒が釘崎に向かって答える。
伏黒の言葉にテンションが下がる釘崎。
「あとで五条先生にも聞いてみようぜ。」
虎杖の言葉に伏黒と釘崎は頷く。
それからも三人は葛葉と叶を元の世界に帰すために出来ることを話し合っていた。