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mogyumogyuGemi
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mogyumogyuGemi
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#AI
みら

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みら

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第二十九話 整う世界の綻び
図書館は、少しずつ“整って”いっていた。
壊れていた本棚は修復され。
漂っていた星々は、規則的な軌道を取り戻し。
未練たちは、静かに分類され始めている。
まるで。
ずっと乱れていた呼吸が、やっと落ち着いたみたいに。
⸻
伊織は端末を見ながら言う。
「安定してきましたね」
「ほんとに?」
「ええ」
でもその声は、どこか曖昧だった。
安心しているようで。
まだ何かを疑っているようで。
⸻
澪は記憶瓶の間を歩いていた。
『ねえ』
小さな声に返事をする。
『うん?』
『ここ、前より静か』
「いいことじゃない?」
澪は少し考えてから頷く。
『……うん。でもちょっとだけ』
『前のほうが“生きてた”気がする』
その言葉に、私は少しだけ胸が引っかかった。
⸻
渚は、中央恒星庫の光を見上げている。
『あの星』
『ずっと見てる』
「うん」
『変わった気がする』
私は同じ光を見る。
以前より安定している。
やさしい。
でも。
どこか“決まってしまった”感じがある。
⸻
その時だった。
栞が、静かに動きを止める。
『……異常検知』
伊織が顔を上げる。
「何ですか」
栞の瞳に、細かいノイズが走っていた。
『記録に存在しないログを検出』
「は?」
『中央恒星庫内部アクセス履歴』
空間が一瞬冷える。
⸻
伊織が即座に端末を確認する。
「そんなものないはずです」
『はい』
栞は淡々と続ける。
『しかし存在します』
画面に文字列が浮かぶ。
⸻
【未登録アクセスログ】
【観測主体:不明】
【内容:恒星構造調整】
⸻
伊織の表情が変わる。
「……誰が?」
誰も答えられない。
⸻
その瞬間。
中央恒星庫の光が、ふっと揺れた。
ほんの一瞬。
規則性が崩れる。
まるで。
誰かが“中身を書き換えた”みたいに。
⸻
澪が小さく呟く。
『……今の、なに?』
渚も空を見ている。
『星、ずれた』
私は息を止める。
確かに。
さっきまで“安定していたはず”の光が。
一瞬だけ、違う形をした。
⸻
伊織が低く言う。
「整ってきたんじゃない……」
彼は画面を見つめる。
「“整えられている”んだ」
空気が静まる。
⸻
栞が続ける。
『補足』
『このログは過去にも断続的に存在』
「過去にも?」
『はい』
短い沈黙。
そして。
『ただし全て、“記録以前”に発生』
伊織の顔が固まる。
「記録以前……?」
⸻
その言葉が落ちた瞬間。
私はなぜか、背筋が冷えた。
この図書館はずっと、
“記録されたものだけでできている”と思っていた。
でも。
記録される前に、誰かが触れていたとしたら。
⸻
中央恒星庫の光が、もう一度静かに瞬く。
その一瞬だけ。
まるで誰かが、こちらを見た気がした。
⸻
『――観測は継続されています』
あの声が響く。
でも今回は、少しだけ違った。
どこか。
“外側”から聞こえるような響きだった。
コメント
1件
「整っている」と思わせてからの「整えられている」——この一文で全部持っていかれました。澪ちゃんの「前のほうが生きてた気がする」って言葉、すごく刺さりました。安定って必ずしもいいことじゃないんだなって。最後の“外側から聞こえる響き”、背筋が冷えました。続きが気になりすぎます……!