【お知らせ】
なんか単発で出した方が伸びそう!という欲求マシマシ思考の元、今回から1話単発でお話を書くことに致しました。らせんです。
「ふわぐさBL」の方を読んでくださっていた方々、本当にありがとうございます!
あくまで形式が変わるだけであって、これからも同じようなものを書いていくつもりなので、何卒よろしくお願いします!
あと、1話単発にするとチャット式かノベル式か気分で選べていいですね✨
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回はaknが風邪を引くお話です。
(ポカリと、冷えピタと……。)
突然あきなから、「助けて」とだけメッセージが来た。
その後いくら返信しても既読つかないし、寝起きだったのもあってかなりパニクったんだから……。
後でスタッフさんに連絡したら、酷い風邪を引いて家から出られないんだってさ。
今は水やらなんやらを買って、あきなの家に行くところ。
ピンポーン
もう聴きなれたインターホンの音。ここに来るのも何回目だっけ……。
そんなことを考えていたら、静かな足音と共に玄関のドアがゆっくりと開いた。
「ん゛んッ、は゛ー゛い゛……。」
中からは、ずるずると毛布を引きずって、髪もボサボサのひとりの男が出てきた。
明らかに体調不良。相当酷いなこれは……。
「んは、ひっでー声。」
少し冗談めかした俺の声でも、聞くなり彼はぱっと顔をあげた。
「ふわっち……!!」
「なーに、俺が来たの、そんなに嬉しかった?」
「……ぁ、」
「……ぃや、来ると思ってなかったから……。」
少し赤くなって、言葉に詰まる。
そういう分かりやすいとこ、ほんと可愛い。
「てかあきなフラフラじゃん、出てきてくれたのは嬉しいけど、ちゃんと寝てないと。」
「ん、平気……朝よりはマシになったし。」
「だーめ、ほら戻って。」
そう言って中に入ろうとした瞬間、あきなの身体がぐらっと揺れ、俺に正面からもたれかかった。
「え、ちょ、ほんとに大丈夫あきな!?」
あきなはその言葉にも反応せず、ただ息を荒くしてぎゅう、と俺の服を掴んでくる。
(口ではああ言ってたけど、やっぱかなり辛いんやな……。)
仕方なく、俺はあきなを抱え上げて寝室まで連れて行った。
いつもなら、お姫様抱っこなんてしたら顔を真っ赤にして怒るのに、今は素直に大人しくしている。
ベッドに着くなり、あきなはすぐに寝てしまった。
起こさないように優しく布団を掛け、そっと頭を撫でてみる。
手を近づけるだけでわかるほど、酷い熱。よくこんな状態で玄関まで……。
「さて……、」
一息ついて、俺はキッチンへ向かった。
「んっっま!!」
「あはは、飲み込んでからでいいよ。」
俺の作ったおかゆを口いっぱいに詰め込んで、目をキラキラさせている。かわいい。
「…んぐ、まさかふわっち、料理まで出来るとはね〜、マジで完璧じゃん。」
「え〜?惚れ直した?」
「んーん、イラつく。」
「なんでww」
何はともあれ、少しは元気になったみたいで良かった。熱も下がったし。
「さーてと、ご飯食べたら風邪薬飲まないとね〜。」
「ぇ……、」
薬の箱をゆらゆらと振って見せると、子供みたいに分かりやすく嫌な顔をする。
「やだ、だってそれ苦いんだもん……。」
「わがままちゃんやね〜。」
「…しゃーないな、」
俺は錠剤を口に含み、逸らしているあきなの顔をぐいっとこちらへ向かせた。
「んぇ……、、」
ちゅ
「っ!!!???」
「ん、ぁ、、ふぁっ、ち……、」
ごくん
「ぷはぁっ、……え、なに急に!!??」
「あきながお薬飲みたくないっていうから、仕方なく?」
「いやこんなことしなくても飲むし!!」
とか言いながら、口元を隠して少し顔を赤くしてる。可愛いけど、また熱あがっちゃったら困るなぁ。
「それに……、ふわっちに風邪うつっちゃう……。」
「あきなの風邪ならオールオッケーっしょ!」
「ふ、なにそれ……、」
くす、と困ったように笑う。
その顔に、少し安心して力が抜けた。
「あー、俺も疲れちゃったわ、あきないっしょに寝よ〜〜。」
「え、じゃあマスク取ってく……、」
「だいじょーぶだって〜、ほら早く〜。」
仕方ないなぁ、というように、渋々布団の中に入ってくる。
まだ身体が少し熱い。
「ねぇ、ふわっち、」
「ん〜?」
「今日、ほんとにありがとね。」
「ふわっちがいなかったら、俺……、」
「んは、そんな改まらなくても。」
「それに、」
「それに?」
「あきなだって、たまには甘えてくれていいんだよ?」
「いつも頑張ってるの知ってるからさ。」
「……、」
「そういうとこ、ほんとずるい……。」
後日、
「あきな〜、看病して〜〜……、」
「自業自得。」
しっかり移りましたとさ。
END
コメント
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風邪移るENDくっそ好きw