テラーノベル
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回想入ります
(💛×❤表現あり)
カーテンから差し込む優しい光と肌寒さで目が覚める。
どうやら布団がかかっていなかったようだ。
布団が逆側にあるかも、とそのまま寝返りを打つと
自分の布団をそっちのけに、僕の布団にくるまっている涼ちゃんがいた。
「….涼ちゃん。」
そう声をかけても反応はしない。
ただただ、幸せそうにすやすやと眠っている。
その愛しくて、健気なあなたの寝顔に、そっと触れる。
最近ケア頑張ってるんだ~と言っていた涼ちゃんの頬は、とても暖かくて、ふにっと柔らかかった。
「…ん。」
それでもなかなか起きない。
僕は、自分の唇を涼ちゃんの唇にそっと重ねた。
「…ん…もときぃ?」
「いまキスしたでしょ…。ぼくずっと起きてたんだからねっ。」
そう得意げに言ってえへへと、いつものへにゃっとした笑顔を見せてくれる。
寝起きのとろんとした涼ちゃんの顔を見れるは恋人である僕のお泊り時の特権だ。
僕はそのまま布団にくるまった涼ちゃんを抱き寄せる。
「…涼ちゃんが朝から可愛いのが悪い。」
そう言って頬にキスを落とす。
フレンチキスなんて何回もしたことがあるはずなのに、涼ちゃんはいつも顔を真っ赤にして手で顔を覆う。そして
「もう…朝からもたないって….。」と、いう。
可愛いな、もう。
可愛くて、愛おしくて仕方がない。
少しだけ布団をもぞもぞして、涼ちゃんは起き上がる。
「…、元貴、。」
涼ちゃんはどこか悲し気な、寂し気な、でも愛おしそうな瞳を僕に向けてきた。
その時の涼ちゃんは、たまたまカーテンから差し込んだ光のせいで後光が差したように見えて、一瞬ドキッとした。
このまま涼ちゃんが天国に行ってしまうような気がして。
僕が唖然としていると
涼ちゃんは俺の好きな、ふにゃっとした笑顔に戻って
「今日は…何しよっか!」
そう言った。
僕はこの笑顔を眺めることができるのも残り少ないということも。
このままでいてくれたらどれだけよかったのかも。
今だ知る由もない。
普通の風邪かと思ったら百日咳で出席停止なりました….。
皆さんも気を付けて…。
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