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息をするように軍パロ。
ご本人様には関係ありません。
語彙力皆無
お薬はよ飲めのグルさんはいません。平和です。
ほのぼのです。
〜総統執務室
「はあぁぁ〜疲れたんじゃああもうやりたくないンゴおおおおおお」
長期に渡る大国との戦争の末、勝利という戦果を収めたW 軍、総統室にて、大量の書類捌きに嘆き喚く者がいた
背もたれにもたれかかり両腕を思い切りぐっと伸ばし暫し固まった体をほぐす、首を左右に曲げ、腕をぶん回す
[うっるさいなぁ…..急に騒ぐんじゃないめぅ…]
そんな嘆くものを、オスマンは哀れみの目で見ていた
「あ、あと少しなんじゃ…..」
[はぁ、溜めてたグルッペンが悪いめう〜、区切りつくとこまで終わったし、 マンちゃんはお菓子取ってくるめぅ〜]
「あ、俺の分もよろ、オスマンの部屋に置いておいたシュバルツヴェダー・キルシュトルテ、クリーム増し増しで」
[めんどくさっなんで俺の部屋においてあんの…あと増やしたいなら自分でやるめぅ..]
[昨日近場の甘味処で新商品が出たらしいのだが…奢ってやるぞ?]
[……..もー..今回だけだよ]
「あーオスマン先生ほんま神っすわーあざすチッスチッス」
[はいはい]
そういうと部屋を出て行く
「……ふぅ…..今日はやけに静かだな」
かなり防音も効く頑丈な部屋だが、普段聞こえてくる、内ゲバ、誰かの悲鳴に笑い声、外の遠くから訓練に励む音が時々聞こえるものの、全くと言っていいほど聞こえなかった
「…..皆忙しいのだろうな、 」
まさに静寂、嫌に静まり返った基地に、突然
‘_ッぼろっ_ロボロ…!!…’
と荒らげた名を呼ぶ声が響いた
「何事だ…..」
声を上げているのは恐らく普段あまり声を荒げない鬱だ、何があったのだろうか
思わず立ち上がり部屋から出る
ガチャ
〜廊下
廊下にでた途端、先程までの静けさがまるで嘘だったかのように、慌てふためく声が飛び交う
しばらく廊下を行った先に、先程声を上げていたであろう張本人を見つけ、声をかける
「何事だ、鬱、侵入者か」
[あぇっ、グルちゃん?!すまんそっちまで聞こえとったんか]
[いや、そこは気にするな、状況を説明してくれ]
[あぁ…そっか、わかったわ、えっと、ロボロ久しぶりに最前線でて戦ったやろ?]
「そうだな」
[多分…..というか、ほぼ確実に、幻覚とか幻聴聴こえとるんやろうな、バリ怪我して包帯ぐるぐるなんに現在進行形で暴れ散らかしとってん]
「….なるほど」
[とんちと…ゾムが、今何とかしとるんやけど…..]
稀に、戦争が終わったあとでもなお、『今自分は戦場にいる、戦わねばならない』と脳が判断してしまい、緊張状態が解けない者がいる
[せやから…グルちゃん危ないから離れとってな?]
「……ふむ、」
[え、ちょっと、何考えてはりますん、いやあの、そっち危ないですぅ]
「いい、私に任せろ」
「これは、私の責任でもあるだろうからな」
[は、はいー…..]
総統に言われてしまえばそれまで、逆らうことなど不可能に近しい
基地の、いわばロビーのような場所で、持ってもいない武器を構え逃げ惑う彼の姿があった
「……..」
‘め、…目ぇ覚ましてや…!’
‘なぁ!ロボロ!’
ピッ
「….“Situation beendet”」
ブツッ
グルッペンがロボロにインカムを繋げ一言放つ
途端
‘え’
糸が切れたように突然、ロボロは地に伏した
「大丈夫か、怪我は」
[えっ、あっグルさん!?]
[グルッペン…がやったん?え?何したん?]
大きく目を見開き、床に倒れたロボロと前で腕を組みながら歩いてきたグルッペンを交互に見る
「何も無いか?」
[怪我は…..打撲って程度やけど]
[お、ん…俺も ]
[なら良かった]
[な、なぁ何したん、今?]
混乱を隠さずゾムはグルッペンに問うた
「…..いつも作戦が終了した時にロボロが言っている言葉があるだろう?」
そういうと、2人はハッとした顔をしてロボロを見る
「状況終了、と言っているだろう」
「今回の戦争は、司令塔がチーノとエーミール、ロボロ隊の副隊長だった」
[あ…あの違和感はまさか]
「あぁ、そのまさかだ」
「必ず作戦が終わり、戦争が終了した時に言うあの魔法の言葉がなかったのだ」
[はぁあ…..なるほどな…..]
[ロボロはいつも自分で言っとるから….それで切りかえとったんやな…..]
「そうなんだろうな、詳しいことはあまり聞かないが」
[すまんな…..ロボロ]
そう言って床に倒れているロボロをそっと抱き上げる
[俺医務室連れてくわ、]
「おう」
[ありがとな、頼んだわぁー]
姫抱きをしてゾムが医務室へと向かっていった
[…..盲点やった、すまん、ありがとうグルさん]
グルッペンに体を向けると頭を下げてそう言う
「….トン氏が謝ることはない、頭を上げてくれ、今回に限っては私にも責任がある、私もすまなかった」
[そ、そか…..わかった]
「うむ、…さて事が落ち着いたことだし部屋に戻るとするか…..」
[おーせやな、そんじゃ]
「おう」
〜総統執務室
ガチャ
[…..なにかあったん?]
お菓子を机の上に並べて端末をいじっていたオスマンが入ってきたグルッペンを凝視する
「いや、ロボロが幻覚を見て暴れていたから止めに行っていた」
[ロボロ..か…珍しいめぅね〜]
「ずっと司令塔に配置していたからな」
[確かに]
グルッペンが椅子に座ると、オスマンが切り分けられたシュバルツウェダーを置く
[とりあえず食べながら少し休憩して、書類終わらせて、ロボロの様子見に行くめぅよ]
「あぁ、ありがとう、そうするよ」
フォークを手に取り1口サイズにして口に運ぶ
「ん、美味しいな」
[よかったね]
[マンちゃんもたーべよ]
数時間後
〜医務室
ガラガラ…..
「失礼する」
[あら、また来たん?夜中なのに珍しいな、いらっしゃいグルッペン]
「ロボロの容態はどうだ?」
[とりあえずは落ち着いたかな、今はぐっすり眠ってるよ]
グルッペンがベッドのそばまで歩み寄ると、雑面が外され、顔が顕になったロボロが目に入る
「…..安らかな顔はしているな、よかった」
[せやね、朝頃には普通に起きてきそうかなって具合]
「そうか」
[うん、夜遅いからグルッペンも早く寝ないとダメだよ?書類整理で疲れてるだろうし]
「あぁ、わかっている」
[あ〜俺疲れたから今日はもう寝るわ、電気の明かり少し暗くするからね?部屋戻る時にでも消してね]
「おう」
[おやすみ]
「おう、おやすみ」
そう言って、電気の明かりを少々下げ、医務室の奥へと行くしんぺい神を背に、ベッドのそばの椅子に座る、時計の針は既に頂点を過ぎていた
視線をロボロに移す、普段は隠された色白い肌にはられた絆創膏や、頭に巻かれた包帯が痛々しい、毛布から放り出された手にも、包帯が巻かれていた
「…これでは…冷えてしまうぞ」
椅子から立ち上がり放り出された手を取り、少し握る、すっかり冷えきってしまった小さな手
「……」
手を毛布の中にしまい込み、包帯の上から少し頭を撫でて、また椅子に座る
このような場に立ち会うと、いつも、生きていてくれて、死ななくて良かったと何度も思う
生きている人間の温もりを感じると安心するのだ
「ふわぁ…..」
欠伸をひとつ、次第に重たくなっていく瞼、蓄積していた疲労が体にのしかかる、体はもう限界だった
電気を消す、背もたれにもたれかかり、楽な姿勢をとる
「…..まぁ、…..いいか」
そんな独り言を零して目を瞑る
次第に落ちていく意識に逆らわず、そのまま眠りにつく
〜医務室
チュンチュン…..
[お、やっと起きたか…こんなとこで寝とるなんて、ほんま風邪ひいてまうで?]
グルッペンより先に目が覚めていたのかベッドに座り壁にもたれ掛かるロボロが微笑みながらそういう
ぐるぐると回る脳内、ぼやけた視界をはっきりさせようと寝ぼけ眼を手で擦る、静かな医務室、外から鳥のさえずりが聞こえ、今は朝だと認識する
「…..ろぼろ、…よかった元気そうで…」
[寝起きのグルッペン見れるなんて貴重やからな、元気にもなるわ]
「..んふ…そうか…」
ふふ、とロボロが小さく笑みを零す
ゆっくりと、少しづつ表情が固くなり、いつもの大きな声とは対比に、小さく少し弱々しい声で話し出す
[なぁ、グルさん…..]
「….なんだ?」
[その、…ほんまに申し訳ない、戦争には勝てたけどその後冷静になれんかった、自分の管理を怠ってしまった、目が覚めた時…神が全部話してくれてん、あいつらに怪我させてしまったし、グルさんにも手間をかけてしまった、こんな忙しい時なのに..]
「…全く……」
ため息混じりにグルッペンがそう零すとロボロはグルッペンの顔色を伺った
[す、すまん….ほんま…]
「…いい、謝るなそれ以上、なんだかそこまで謝られてしまうと軽く考えてた私が惨めに思える…..正直謝りたいのは私の方だ、いつも司令塔で指示を出し、遠距離防衛として戦わせていたのに突然前線に送り込んでしまったことをずった謝りたかったんだ、申し訳ない 」
[でも、あれは仕方がなかった…から]
「そう言ってしまえば、お前が暴走してしまったのも仕方の無いことだろう?今回に限ってお前は悪くない、うむ、よし、これで終わりだ」
[え…いや、でも]
「総統命令、それ以上口答えはするな?」
[…..は..い、わかりました….ほんま..こんなとこで使うなや…..]
「こうでもしないとお前はずっと根に持ちそうだからな」
そう言うと、椅子で寝ていたせいで固まってしまった体を解しつつ、椅子から立ち上がる、いつの間にかかけられていたブランケットが膝からひらりとひとりでに落ちていく
それをしゃがみこんで掴むと4つ折りにして椅子に置く
「うむ..9時か、随分寝過ごしてしまったな」
[…..ほんまやね]
「ロボロは医務室から出てもいいことになっているのか?なっていなかったら私がペ神にお願いするが」
[いや…大丈夫やけど、過度な訓練とかはまだするなって言われたくらいやな]
「そうか…ならいつもより少し遅くなってしまったが朝食に行くとしようじゃないか」
[あぁ…うん、せやな]
枕元に置かれていた雑面を手に取って額に当て後ろに手を回して結び目を作る
「そのお面はずっとつけとくのか?」
[まぁせやね、俺のアイデンティティやから]
「確かにな」
ベットから降りてグルッペンの隣に立つ
「痛いところはないか?」
[多少あるけど、かすり傷みたいなもんや、大丈夫やで]
「そうか…よかった、行くか」
[おう]
END