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???「そういえば雨花のことを「黒い彼岸花」って名前付けたのって誰なんだろうな?」???「確かに……」
???「誰なんでしょうか……?」
???「俺も知らないな」
???「わたしは興味無い」
「雨花」、「橙」、「桃時」、「兎白」、「瑠璃人」は生徒会の仕事をしながら、ある疑問について話していた。
桃時「え?あんた興味無いの?「黒い彼岸花」って言われてる張本人なのに」
雨花「……んーん。ふぁ〜……どうでも良いかな〜」
雨花を大きく伸びをして、欠伸を出す。
瑠璃人「自分の異名に興味を持たないのって強キャラっぽくてかっこいいな!」
橙「多分雨花さんは、かっこよさのために興味を持ってない訳じゃないと想いますが……」
兎白「「黒い彼岸花」の頃の雨花かぁ。まぁ今でもその片鱗がみえる時があるけどな」
雨花「そうかな〜」
桃時「いやめっちゃ出てるでしょ!!」
???「「黒い彼岸花」の名付け親はアタイだよ」
橙・桃時・兎白・瑠璃人「!?」
雨花「はぁ……またお前?」
目の前に現れたのは、「化茶」だった。
化茶「よっ!久しぶりだな!あ・め・か♡」
雨花「キモイウザイ失せろ」
化茶「それ前も聴いたなぁ〜くぅ〜罵倒されるの気持ちいい〜」
瑠璃人「それで名付け親って?」
化茶「あぁ実はな。雨花と初めて会ったのは図書室じゃないんだよ。雨花は知らないだろうけど、アタイはなぁ。あの時……」
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
化茶「あぁあ〜どいつもこいつも締めがいないなぁ〜アタイを派閥に入れようとする奴ばっか。そのたんびに相手しなくちゃいけないのがマジでめんど〜だにや〜どうしたものか……ん?」
化茶の目の前には空き教室があった。そこから何やら話し声がする。
化茶「何だ何だにゃ?」
化茶は小さく、扉を開ける。すると中には……
???「ねぇ。どうするの?これ」
雨花がいた。
「ここは俺たちの縄張りだ!どうしようと俺たちの勝手だ!!」
「人間なんかに指図される言われねぇ!!」
「お前の事情なんて知るか!!」
雨花の周りには妖怪たちが立っていた。
雨花「あなたたちの縄張りなんてわたしにはどうでも良い。あなたたちがわたしの事情をどうでも良いって想ってるように。そんなことより、わたしはね」
雨花は、燃えカスになった資料の残骸をみる。
雨花「これをどうするのか聴いてるんだけど」
「ふん!何だそりゃ。ただのゴミじゃねぇか」
雨花「確かにゴミだ。何の価値もないクズ以下の資料だよ。でもね」
「「この資料と同じようにクズ以下であるわたしには必要なものなんだよ」」
一気に温度のない空気が妖怪を襲う。みてるだけの化茶ですら気を失いそうだった。
「そ、それが何だ!知るかよ!俺たちの縄張りでどうしようと俺らの勝手……」
ドグッッ!!!!
「……っ!!!!いってぇ!!何しや……!」
ドグッッドグッッドグッッ!!!!
「ひ、ひぃ!あいつ鼻から流血が止まらねぇ!」
雨花は何度も何度も妖怪の髪を引っ掴み、床に顔を叩きつける。
「も、もう……や、めて、くれ」
雨花「ん?なに見てるの?あなたたちも一緒にやる?」
「ひぃ!」
雨花「ほら、鼻血が沢山出るでしょ。止まらないでしょ。あんたらのくだらない縄張り談義なんてほとほとどうでも良いんだよ。あんたらが資料を壊したおかげで、わたしの「探し物」の調査は更に難航を極めることとなった……ってわけ。そこまで分かるよね?」
「あ、あぁ……」
雨花「あんたら……わたしが言うのも何だけど」
「「こんなクズ以下に殴られるくらい弱いなら縄張りなんて簡単に取られちゃうよ?」」
「も、もう許してくれるよな?」
妖怪たちは怯えながら、許しを乞いている。
雨花「うーん……」
雨花はしゃがむと殴った妖怪の指をすりすりと触る。
雨花「綺麗な指だね」
「次やったら」
「「お前らの手の指を全部ひね折る」」
「あ、あぁぁぁ!!!!」
雨花「足の指さえあれば日常生活くらい送れるでしょ?まぁ使いづらいだろうけど」
雨花はニコッと笑うと、燃えカスになった資料を踏み、教室の外に出た。
化茶「ふーん。面白そうな子だにゃ〜」
化茶は、雨花を追う。
「あいつやべぇよ」「また妖怪倒したんだろ?」「身体どうなってんだよ」「気味わりぃ」
雨花の周りには怯えや恐怖、怒りや憎しみなど当てられると大体しんどくなる感情ばかりが溢れていた。
雨花「…………まぁいいや」
雨花はそんな人たちの中を進んで、探し物を探すための次の場所へ向かった。
化茶「あの姿。憂いと絶望の化身だにゃ〜……うーんそうだ。あいつの名前には「花」があったはずだし、真っ黒だから……」
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
化茶「……ってことで「黒い彼岸花」になったんだにゃ〜」
橙・桃時・瑠璃人「…………」
雨花「…………すみませんでした!!!!」
橙、桃時、瑠璃人は雨花をみる。雨花は目を背けているので分かっていないが、橙たちは憐れみを雨花に向けている。そして……
兎白「…………」
なぁ、お前が言っている「探し物」って何なんだ?
その疑問をみ透かしたのか、雨花は応える。
雨花「…………あははっ!大したことないよ〜兎白くんたちに関係ないって言ったら嘘になるけど……ね?でも今はみつかってないし、大丈夫だよ!」
雨花は後ろめたそうに笑う。
妖怪を傷つけたからなのか
大切な人に秘密を打ち明けられないからなのか
それとも両方なのか
雨花は笑顔を無理やり貼り付け続けている
橙「雨花さん。これだけは言っておきます。」
「私たちは」
「「雨花さんの味方です」」
雨花「…………。ありがとう!頼もしいね!」
いつの間にか、化茶はいなくなり、雨花たちは仕事に戻ったのであった。