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目の前にそびえ立つ大きな建築物。レオナの育った場所……つまるところ、王宮である。
「レレオレオナ先輩!!私王宮ナンデ!?聞いてない!!」
「誰だそいつ。仕方ねぇだろ。オーバーブロットに巻き込こんじまった謝罪をしてぇんだとよ。……ったく。いつもは俺の事なんて構いやしねぇのに」
「……レオナ先輩。前に言った事、覚えてます?」
「あ?……ああ、あの事かよ。」
レオナはそっと目を閉じ、考える。
『何してるんですか、王様?』
『…なんだ、その王様ってのは。馬鹿にしてんのか?』
『馬鹿になんてしてませんよ。私ね、こう思うんです。血筋とか、ユニーク魔法とか。そういうのは関係ないって。誰かがレオナ先輩を王様だと思えば、その人の中でレオナ先輩は王様になるんですよ。』
『……そんなんじゃダメだ。俺は、国の…』
『国の王になりたいのなら、レオナ先輩はもうなってますよ。』
『は?』
『ほら。』
『レオナさーん!!もう、探したっスよ!今日こそは授業出てもらうっスからね!』
『あ、寮長おはようございますッス!!!』
『今日もかっけぇ……!』
『あのヴィルが認める顔立ち…くっ羨ましい……!』
『頭も良い、顔もいい、その上魔力も優れてるとか…さすが寮長!!』
『__レオナ先輩の王国。サバナクロー寮。皆、レオナ先輩を尊敬してるんですよ。』
『ね、立派な国の王様でしょ!』
日陰の下に居たはずなのに、何故かキラキラと眩しかったのを覚えている。
「………レオナ先輩ってば!!」
「…あ?」
「もー、何回も呼んでるのに無視しないでくださいよ〜!」
「うるせぇ。なんだよ」
「まぁいいですけど。それで、案内して下さい。私、道分かりませんよ」
「俺に案内役任せるのなんてお前くらいだぞ……はぁ、めんどくせぇ。」
「おら、行くぞ」
「そんな事言って連れてってくれるレオナ先輩すってきぃ!」
「………」
「あ、ちょっと置いてかないで下さいよ!!」
「ったく…早くしろ。置いてくぞ」
「はぁーい」
いつもは相手なんか関係なしにスタスタと歩いていくレオナだが、監督生だと歩幅を合わせて少しだけゆっくり目に歩く。それを見た侍女が綺麗な2度見をする。
「あの……き、緊張してきたんですけども……王様に会うとか無理…王様はおろか、芸能人すら会ったことないのに……!無理ゲー過ぎる…!!」
「公式の場じゃないから大丈夫だっつの。」
「公式の場じゃなくても無理なものは無理なんです!!!小心者なので特に!!!!!」
「うるせぇ!砂にすんぞ!」
「酷い!!!」
「ああそんな事より着いちゃったよどうしよう無理無理お腹痛い頭痛い吐き気してきた」
「やめろ」
扉が開かれ、煌びやかな部屋が視界に広がる。部屋の中には、召使らしき人が2人、そして椅子にレオナ先輩見たいな顔の男性と、綺麗な女性が座っていた。
「其方がユウ・コクブンジか?」
「は、はい!ゆっユウです!」
「そう固くならなくて良い。こちらへ座れ」
「えっとぉ…」
チラ、と監督生はレオナの方を見る。すると、レオナは「言われた通りにしろ」とでも言うように顎で椅子を指す。
「で、ではお言葉に甘えて……失礼します。」
「レオナ、どこに行く。お前も座れ。」
「……チッ」
「ああ、もう下がってくれ。」
「かしこまりました」
使用人が出ていくのを確認し、監督生へ視線を戻すファレナ。
「まずは、ここまで来てくれてありがとう。大変だったろう?」
「いっいえ!そんな事はないですはい!!」
「はは、そんなに緊張しなくていい。公共ではないんだ、気軽にしてくれていいよ」
「え?ですが…」
「いいね?」
「あ、はい」
(圧が強い……圧が強いよ……!!)
「…さて、急な呼び出しに応じてくれてありがとう。今日はレオナが君に迷惑を掛けた事を謝罪したくて呼んだんだ。すまなかった。」
ファレナが立ち上がり、深々と頭を下げる。同時に隣に座っていた女性も頭を下げる。一王国の国王がそうやすやすと頭を下げるとは思わなかったレオナは目を大きく開いて驚いた。
「あああの、頭を上げてください!!レオナ先輩にはもう謝ってもらったのでそこまでされる理由はありません!」
「いや、オーバーブロットというのは本来死者が出てもおかしくないんだ。レオナは魔力量も多いから特にな。魔力を持たない貴方はいつ死んでしまったか分からない。王だからではなく、レオナの兄として謝罪する理由は十分だ。」
「そして、詫びと言ってはなんだが、今日はパーティーを開くつもりだ。といっても、君の友人等を招くのでそう畏まったものでは無い。」
「……」
「…なんだよ。いいって言ってんだろ。」
「えっと…で、ではお言葉に甘えさせてもらいます。」
「ああ。自己紹介がまだだったね。俺はファレナ。隣にいるのが俺の妻、リオンだ。君は?」
「えっ、と…ユウ………クロウリーです。」
「は!?」
「な、なんですかレオナ先輩!仕方ないでしょ私も嫌なんですよ!!」
「クロウリー…あいつに子供はいないと聞いていたが…君は」
「違います!断じて違います!あの烏の隠し子とか違います!!てか嫌です!!!」
「そうか、ならいい。」
「?」
「チッ…何考えてやがる。」
クロウリーの子ならレオナと結婚させるのは難しいがそうでは無いなら容易い事だと考えるファレナ。実はこの人、レオナの事はなんやかんや言って好きである。国の王として公共の場とかでは嫌われ者と言われているレオナをフル無視している(本当はしたくない)のである。だが個人的に何かと用を付けて会いに行っている。レオナは察しが良いので薄々気づいて入るが劣等感等で一方的に毛嫌いしているのである。それらを傍で見ているリオンは可愛らしいとクスクス笑っている
「あの…?」
「ああ、なんでもない。今パーティーの準備をさせている終わるまでの間、ここで好きに過ごしていてくれ。」
「は、はい。有難う御座います。」
「これだけでは足りないと思うから宝庫から好きな物を持っていくといい」
「はい。有難う御座いま………ん???すみません、今なんて言いました?」
「宝庫から好きな物を持ってけ」
「命令形になった…ではなく、頂けません!私そんな大層なことしてませんし…!」
「それでは示しがつかん。ユウが何を持っていこうと構わん。それとも、俺の国はそこまで財がないと言いたいのか?」
「いや違います違いますけど恐れ多いというか今まで宝石すら本物を見てこなかったもので過剰摂取でやばいと言うかなんと言うか」
「ならば違う物を持っていくといい。なんでも用意出来るぞ?財も名も何もかも」
「エ普通にいらん…じゃなくて私宝庫よりもレオナ先輩とチェカくんと遊んでたいです!そっちの方が嬉しく思います!」
「おい俺を巻き込むな」
「何言ってるんですかレオナ先輩。死なば諸共ですよ♡」
「…………ク」
(あれ怒った?怒らせた?ふざけ過ぎた???死ぬ??私死ぬの????)
「クク、ハハハハ!ユウ、気に入ったぞ!宝目的かと思ったがそんなものでいいとは!」
「えっ私そんな守銭奴に見えます……?」
「いや、最初からユウは謙虚だ。そうは思わんが、試してみてだけだ。」
「ワア……えっと、レオナ先輩、愉快な方ですね?」
「いっそ殺せ」
「私がレオナ先輩を殺せるとお思いで???」
「思わないな」
「ですよね!!」
「まァ、面倒臭い奴に気に入られたな。付き纏われるぞ。」
「エなにそれ死刑宣告?」
「そうだな。ま、頑張れよw」
「こいつ人の不幸をなんだと」
「何の話だ?俺も混ぜてくれ」
「ンギャ」
「んぎゃ?」
「つーかなんで兄貴にはそんな緊張してんだよ。」
「え、だって王族の方ですし……」
「俺も王族だが?」
「レオナ先輩はレオナ先輩でしょ何言ってるんですいででで!!ちょほおをひっひゃらないでくらひゃい!(頬を引っ張らないでください!)」
「うるせぇ」
「りふいん!(理不尽!)」
終わり時がわかんなァい!!!