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シオンは、リックの兄貴だというジャックからの脅迫に苦しんでいた。高級クラブでの接客の過去、
売人リックとの関係、そして密かに施設に預けた子供——そのすべてが、トップアイドルを目指すシオンにとって
重くのしかかる秘密だった。リックのドラッグをシオンが本当に盗んだのかは、
まだ謎のままだ。ただ、彼女が最後まで子供を守ろうとした意志だけは確かだった。
その意志を継ぎ、エイミーは子供を連れ逃亡を続けている
ポテトは少し迷いながらワトリーに問いかけた。
「これからどうする?施設に行ってみる?」
ワトリーは真剣な表情で首を振る。
「いや、まだ密室の謎をといていないのだ、現場に行くのだ。」
ポテトは腕を組みながら口を尖らせる。
「でも、もうルーカスは逃げてるんだよ?手がかりなんて残ってる?」
ワトリーはポテトをじっと見つめ、静かに問いかけた。
「ルーカスがなぜシオンに接触したと思うのだ?」
ポテトは首を傾げながら答える。
「うーん、脅すためとか?」
ワトリーはすぐに否定する。
「それならば、楽屋に入ってたった数分で出てきた説明がつかないのだ。脅す暇すらない。」
ポテトはさらに考え込む。
「じゃあ、ただ様子を見に行ったのかな?」
ワトリーは目を細め、鋭く答えた。
「ルーカスは防犯カメラに映ることが目的だったのだ。
それは『犯猫は自分だ』と思わせるためだった可能性が高いのだ」
ポテトは驚きの表情を浮かべた。
「ということは…ルーカスは犯猫じゃない?」
ワトリーは重々しく頷きながら続けた。
「その可能性が高いのだ。」
ワトリーは静かに決意を固めるように言った。
「シオンがどのように殺害されたのか。
それを突き止めるために、もう一度現場を調べ直すのだ。」
カオリ「ワトリー・・助ける」
ワトリー「ありがとうカオリ」
ワトリーとカオリ、ポテトは、事件の現場へと足を運んだ。
会場の外はスタッフたちが、片付けの準備をしている。
「あれ、まだ作業が続いてるね」とポテトが呟く。
「昨日、ファンが押し寄せて撤去が中断されたらしいのだ」
「でも、どうやって犯猫はシオンの楽屋に入ったんだろう、防犯カメラには誰も映ってなかったよ
透明マントでもあったのかな?」
「透明マント・・・」
「ワトリー?」と、ポテトが問いかける。
ワトリー「そうか、透明マントなのだ!」
ポテト「え?」
会場の裏口に到着すると、ポテトがインターホンに向かって告げた。
「警察です。現場をもう一度確認しに来ました」
裏口は関係者以外の出入りを厳重に管理しており、外部の猫が入ることは難しい。
少ししてインターホンから応答があった。
「お待ちください」
警備員のデイビスがインターホン越しに答えると、裏口の自動ロックが解除された。
ワトリーとポテトはドアを押し開け、中に入ると、デイビスは「ごくろう様です」とあいさつをした
ワトリーは警備室のボードに目を向けた、そこには来週の予定が’書かれている
「来週、シオンの追悼ライブがあるの?」
デイビス「そうみたいだね、また忙しくなるよ」といった。
ワトリー達は会場の中にはいると
スタッフたちが作業で忙しそうに動き回っているのが見えた。
イベントの片付けも途中なのだろう、あちこちで慌ただしい様子だった。
ポテトが首を傾げる。「でも、子供を誘拐したと言ったから
連絡を待った方がいいんじゃないの?」
ワトリーは真剣な表情で言った。「もしエイミーが子供を連れ去ったとバレたら、次に狙われるのは誰だと思う?」
ポテトは考え込んでから答えた。「あのことを知っているのは…サリーかな?」
ポテトは続けた。「来週、追悼ライブがあるから、
そこでまた同じトリックが使われてサリーが狙われるかもしれないってこと?」
ワトリーは頷きながら言った。「そうだなのだ。
ジョージには、ジャックから連絡が来たら
すぐに知らせるように頼んであるのだ。だから、それまでにトリックを暴くのだ。」
ワトリーとポテト、カオリは事件のあった楽屋に向かった。
ワトリーは廊下を歩きながら、ポテトに尋ねた。「ポテト、花瓶は直せた?」
ポテトはにっこりと笑いながら「忘れた」
ワトリーは残念そうに「そうなのか」
カオリがバッグの中から花瓶を出して「これ・・・ジョセフから」といった
ポテトはびっくりして「さすが先輩です!!」
「ありがとうカオリ」
その時、廊下には清掃員のジムが作業をしていた。ワトリーは声をかける。
「ジム、割れた花瓶はこれ?」
ジムが振り返り、ワトリーの手元を見た。「ああ、そうだよ。それ、直したのかい?」
ワトリーは頷いて、手にした花瓶を掲げて見せた。それは美しい緑色の花瓶だった。
「この花瓶に花は入っていた?」
「もちろんだよ。青色のバラが生けてあった。」
ワトリーの目が鋭く光る。「その花瓶と花は、どこに置かれていたのだ?」
ジムは廊下の一角を指差した。「そこだよ。シオンさんの楽屋の前にあるこの台の上だ。」
ワトリーとポテトがその台を見ると、今は別の観葉植物が置かれていた。ジムが新しく飾ったものだ
ポテトは首を傾げた。「あれ?バラの花なんて、防犯カメラの映像に映ってたっけ?」
ジム「確か、エイミーさんが花瓶ごと倒したんだろ?」
「でも、奇妙だと思わないか?」とワトリーが問いかける。「その青いバラと花瓶が防犯カメラに映っていないのだ。」
ポテトが驚いたように目を見開いた。「えっ、どういうこと?」
ワトリーは、静かに言った。「それこそが、この事件のトリックの鍵なのだ。」
ポテトは息を呑む。「トリック?」
ワトリーは一瞬の間を置き、急に踵を返した。「もう一度、防犯カメラの映像を確認するのだ。」
ワトリーは何か思いついたように「ジム、カオリ、お願いがあるのだ」といい
二匹に作戦を伝えると、ジム「わかった、やってみよう」カオリもうなずいた。
ワトリーは警備室へと足早に向かった。ポテトもその後を慌てて追いかける。