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「そろそろ聞かせろよ。」
佐倉くんの低い声が、心の奥まで響いた。
(そんなふうに言われたら……もう誤魔化せないじゃん……。)
胡々はぎゅっと手に持っていたジュースを握りしめる。
隣を見ると、佐倉くんはいつもの軽い雰囲気とは違って、じっと真剣な目をしていた。
「……私、佐倉くんといると、楽しい。」
やっとの思いで、そう絞り出す。
「そんだけ?」
「えっ?」
「楽しいだけなら、別に他のやつとでもいいだろ?」
「ち、違うよ! 佐倉くんだから、楽しいの!」
気がつけば、勢いよくそう口にしていた。
「……俺だから?」
佐倉くんが少し目を細める。
胡々は、自分の顔が一気に熱くなったのを感じた。
「そ、それは……!」
「だったら、はっきり言えよ。」
佐倉くんがゆっくりと近づいてくる。
「俺は、ちゃんと聞きたい。」
「……!」
ずるい。
そんなに真っ直ぐ見つめられたら、逃げられないじゃん。
「私……佐倉くんのこと……。」
声が震える。
「好き、なの……かも。」
「かも?」
佐倉くんの口角が、ほんの少しだけ上がる。
「じゃあ、確かめてみる?」
「えっ?」
「……これ以上近づいたら、お前、どう思う?」
そう言いながら、佐倉くんがさらに顔を近づける。
胡々の心臓が、爆発しそうなくらいドキドキして――
「ちょ、近いってば!」
思わず顔を背けると、佐倉くんがクスクスと笑った。
「なんだよ、それ。めっちゃ意識してんじゃん。」
「~~~!! 佐倉くんのバカ!!」
顔を真っ赤にしながらジュースを一気に飲む。
(もう、からかうのやめてよ……!)
「……まあ、俺も胡々のこと、好きだけど。」
「……え?」
「ん? 聞こえなかった?」
「聞こえた……けど……。」
「なら、ちゃんと覚えとけよ。」
佐倉くんはそう言って、立ち上がった。
「ほら、そろそろ帰るぞ。」
「……うん。」
頬に残る熱を冷ますように、胡々はゆっくりと歩き出した。
(佐倉くんが……好きって言った……?)
なんだか、夢みたいだった。