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紅蓮「橙ペア、兎白ペア失格」雨花「あら二人共、失格になっちゃった。まぁ橙ちゃんはこの行事そのものを楽しんでたみたいだし、それに、賞品を貰っても使わなさそうだし。兎白くんも橙ちゃんと同様な理由だろうね。」
「そ、そこまで分かっちゃうんですか?」
雨花「まぁ長い付き合いだから!あはっ!」
「さてと」
雨花「窓ガラスが割れたのは校舎の中からだから、校舎で何かあったのは明確。ゆっくり入ろう」
「は、はい!」
この人、何でこんなに闘い方が上手いんだろう
まるで
経験があるみたいだ
雨花「よし入るよ」
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雨花「ここか」
「窓ガラスが飛び散ってますね。よっぽど校舎内で激闘があったんでしょうか」
雨花「校舎内ではないんじゃないかな」
「どういうことです?」
雨花「だってガラスの破片のほとんどが校舎内に入ってる。つまり外から狙撃されたんだよ」
「あぁ!なるほど!」
雨花「ここから撃てるのは……屋上だけだね」
「慎重に行きましょう」
バタン
雨花「あら、桃時ちゃん」
桃時「さっきぶり〜雨花」
雨花「桃時ちゃんのペアの方は?」
「ここだ」
「ぶ、部長!」
部長が屋上の入口の影から出てきた。
「お前が「黒い彼岸花」ここまで来れたこと賞賛に値する」
雨花「いや、わたしたち一人しか倒してませんよ」
「俺はお前を倒す」
雨花「無視かい」
部長は眼光が鋭く、雨花のペア相手は「ひぃ!」と雨花の背中に隠れてしまった。
「お前は因縁の相手だ」
雨花「因縁……」
「お前は俺の宿敵。必ず倒す」
雨花「宿敵……」
「お前、俺を舐めてるな」
雨花「いや、それどころかあなたの言ってることが全く分からん」
「それを舐めてると言っている」
桃時「なんかね。この人雨花のことすっごく敵視してるの」
雨花「えぇ〜心当たりしかないな。図書室の本破壊でしょ。屋上の扉破壊でしょ。資料室破壊。蔵の窓破壊……」
「そんなくだらないものじゃない」
桃時「いや結構大切なものじゃない?」
雨花「あなた何か言いたいことあるんでしょ?言ってみなよ。知ろうとはするから」
「…………だからだ」
雨花「ごめん!もう少し大きな声で!」
「!」
「「桃時さんが好きだからだ!!!!!!!!」」
桃時「…………へ?」
雨花「なるほど。つまり、桃時ちゃんと兎白くんを引き会わせたわたしを恨んでるってこと?」
「そうだ」
「完全に逆恨みじゃないですか!?」
雨花「…………なるほど。そういう事ね」
「俺はお前を倒す。そうしないと自分にケジメがつかない!!」
雨花「そう?じゃああなたのケジメとやら試してもらおうかな」
雨花は、単発銃を向ける。
「雨花さn……」
雨花は自分のペア相手に待機するよう空中で手を添えた。
「……!撃つ」
部長は、雨花にスコープを向けて、銃を連発する。しかし……
「あ、当たらない……だと……」
雨花「どうしたの?」
「桃時さん。俺から離れてて下さい。あいつがいつ撃つか分からないので!」
桃時「え、えぇ」
雨花「へぇ」
雨花はニヤリと笑うと、空中で体を回転させて、部長の持つ銃の銃口の前で立った。
桃時「あ、雨……!」
「雨花さん!」
「な、何のつもりだ。撃つぞ」
雨花「どうぞ〜」
部長は引き金を改めて持ち替えて、しっかり狙う。
雨花「うん。あなたの勝ちだね」
「…………は?」
雨花は、さらに銃口に近づく。
「……な、何なんだ。お前」
雨花「だから言ってるでしょ。あなたの勝ちだって」
「…………どういうことだ?」
雨花「「勝つ」ということは、自分のルールに則ってそれをぶつけて、自分の形状のまま正しいものとして相手に納得させること……だよ?」
「!」
雨花「あなたは今、自分のルールに従った。そして、それを相手に納得させた。あなたの勝ちだよ」
「だからね」
「「こっちの勝ちは譲ってね?」」
「え」
雨花「今だよ!」
雨花は急いで銃口から離れて、雨花のペア相手が桃時と部長を撃ち抜いた。
「なっ!」
桃時「あぁら。負けちゃった。……ちょっと雨花!あんたもしこれが本物の銃だったらどうするつもりだったのよ!!」
雨花「えぇ〜分かんない〜」
桃時「雨花ぁ?」
雨花「はいすみません」
「やりましたよ!勝ちました!!」
「はぁ……お前がどうして妖怪たちをまとめる署名活動を始められたか……分かった気がするよ」
雨花「そのことに関しての答えは一つ。「悪者扱いされるのはごめん」……てね」
「何だよそれ……ははっ…………桃時さん」
桃時「……ん?何?」
「俺、桃時さんのこと幼等部の頃から好きでした。すごく可愛くて、不器用な優しさを持ってて、それなのに男を誑かすぶりっ子とか言われてて、誰も何か事情があるとか考えてなかった。俺はそいつらを注意するぐらいしかできなくて、桃時さんに直接何か言葉をかけられたら良かったのに……そしたら、もしかしたら、俺の事を好きになってくれたのかなって想って、それがすっごく悔しくて、だから、今回勝って、この気持ちに踏ん切りをつけるつもりでした。でも、本当はあなたの周りが、あなたがあまりにも楽しそうだから、あなたのあの笑顔を自分の手で咲かせてみたくて、だから……こんなことを……」
桃時「……アタシから言えるのは」
「「好きになってくれてありがとう」」
「え?」
桃時「好きになってくれて嬉しい。あの楽しくない学校生活の中、一人でもそう想ってくれてた人がいてくれたの。すっごく嬉しいし、ありがとう。」
桃時はけらっと笑う。
「へへ。その笑顔だけは俺だけの想い出の中に入れときます」
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紅蓮「今回の優勝者は……」
「「雨花ペア!!!!」」
橙「おめでとうございます!」
兎白「おめでとう」
瑠璃人「おめでとさん!」
桃時「おめ〜」
「おめでとう!!」
「……おめでと」
「おめでとうございます」
「おめでとう」
生徒会メンバーと狙撃部の鋭兵たちが、拍手する。
雨花「やった!これでしばらく美術の出席日数のことで悩む心配はなくなる〜」
「良かったですね」
閉式後、紅蓮先生は部長をみつめている。そこに話しかけるのは雨花。
雨花「このサバゲー大会。本質的には彼が影響してますよね?」
紅蓮「…………あいつはずっと桃時さんのことを引きづって、お前ら生徒会を羨ましく想ってたようだ。自分もあの笑顔を、自分の手で咲かせてみたかったって」
雨花「それならさっき二人で話して、笑いあってましたよ」
紅蓮「……そうか」
雨花「……紅蓮先生は、彼のことを想ってこの大会を想い付いたんですよね。」
紅蓮「俺がそんな大層なことするわけないだろ?これぞ天からの恵みって奴?」
雨花「天からの災難とも言えますけどね」
紅蓮「ははっ!受け取り方は人それぞれだ」
雨花「紅蓮先生はどうして女子から人気出ないんでしょうね?」
紅蓮「ホントだよ!どうしてだ?」
雨花「あははっ!本当に何ででしょう?」
その後の話
窓ガラスや教室の扉の窓の破壊などで、紅蓮先生が全責任を負って、インクで汚れた箇所の掃除を言いつけられ、あまりにも可哀想だと想った生徒会と狙撃部は大掃除を手伝ったそうな。修繕費は、紅蓮先生に行くところを雫さんが代わってくれた。ちなみに、今回紅葉先生は事情を察して怒らなかった模様。紅蓮先生曰く、「これが一番恐かった」そう。