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野々さくら
990
#ラブコメ
猫塚ルイ

752
半ば強引に話をまとめられてしまったが
正直なところ、俺の胸の中にも小さな好奇心と期待が芽生えていたのは事実だった。
(圭ちゃん…普段、どんなの見るんだろ。やっぱり巨乳系とか…?好きなシチュエーションとかもあるのかな……)
そんな邪推をしつつも、俺は放課後の大イベントに向けて
緊張で張り裂けそうな心をなんとか奮い立たせ、腹を括ることにしたのだった。
◆◇◆◇
その日の放課後
いつも通りのチャイムの音が、今日ばかりは処刑台へのカウントダウンのように聞こえた。
俺たちは特に言葉を交わすこともなく、並んで圭ちゃんの家へと足を運んだ。
「お邪魔します……」
何度も来ているはずの圭ちゃんの部屋なのに、今日ばかりは全く違う空間に見える。
緊張で足がすくむ俺を置いて、圭ちゃんはカバンを床に放り投げると
さっそく机の上のノートパソコンを開いて電源を入れた。
「とりま、ネットで探してみるか。配信サイトとかに無料のサンプル動画って結構転がってるし」
「パ、パソコンで……っ!?や、やっぱり圭ちゃんだけ見るだけじゃ、ダメ…?」
テレビの大画面で見るのも心臓に悪かったが
ノートパソコンの小さな画面を並んで見るとなると、物理的な距離が近くなる。
肩と肩が触れ合う距離に、俺の緊張は最高潮に達した。
「お前も見ないと勉強になんねぇだろ。ほら、テーブルで見ようぜ」
そう言うと、圭ちゃんはパソコンを部屋の中心にあるローテーブルに移動させ、床にどさりと座った。
そして、部屋の入り口で突っ立っている俺に「早く座れよ」と手招きをしてくる。
心臓のバクバクという音が圭ちゃんに聞こえてしまうんじゃないかと怯えながら
俺は彼の隣、わずか数センチしか離れていない場所に腰を下ろした。
圭ちゃんが手慣れた手つきで検索バーに特定のワードを打ち込み、エンターキーを押す。
次の瞬間
画面にはずらりと刺激的な動画のサムネイルと、過激な文言が並んだ。
そこに躍るポップやタイトルを見て、俺は思わず息を呑み、絶句した。
【親友から恋人に変わる瞬間】
【巨根教師のエッチな保健指導】
【童貞男子を優しく犯す年上彼氏】
【イケメン大学生の童貞卒業 〜初めての生ハメ】
【ドS幼馴染による逃げられない連続中出し調教】
【部活帰りのシャワールーム~先輩と僕だけの秘密の特訓~】
……などなど、今まで一般の生活ではお目にかかれないような
あまりにも過激で、それでいてどこか背徳的なタイトルばかりだったからだ。
「す、すごいタイトル…だね。なんか、情報量が多すぎるというか……」