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私たちは今日もタイムマシーンで、各地を巡っていた。
案内人が声をあげる。
案内人「ここは、2042年……」
セレンは装置を撫でながら、軽く答える。
セレン「知ってるわよ、2042年のクリスマスでしょ?」
案内人「……はい。(最後まで言わせてほしい……)」
クロナがせかす。
クロナ「お母さん、説明始まってるよ!」
セレン「あら、プリン食べない?クロナ」
案内人は、思わず泣きそうになる。
案内人「……(深呼吸)さあ、今回の舞台は……」
セレン「あ、案内人さん、あっちで警察官が走ってるわよ!行きましょ!」
案内人「私の説明フェーズを飛ばさないでください!!」
案内人「ここは、2042年12月25日の日本です」
街を歩いていると、目に入ったのは車椅子に縛られた高齢者と、手に刃物を握る介護士。
介護士が刃物を振り下ろそうとした瞬間、私は叫んだ。
セレン「待って!」
魔法で刃物を取り上げる。
介護士は混乱した声で叫ぶ。
介護士「なんで、俺だけ、こんなに仕事に押しつぶされなければならないんだ! 本来なら家族とクリスマスを過ごすはずだったのに!」
そして、泣き崩れる。
すぐに警察官が駆けつけ、介護士を連行した。
私は心の中で呟く。
セレン「あの人は、本気で困っている人を助けたくて介護士になったはずなのに……。身体拘束や増え続ける高齢者の現実に押し潰され、精神が摩耗してしまったのね」
元介護士として、私はその重みがよくわかる。
クロナが手を握る。
クロナ「大丈夫だよ、お母さん。私には難しいことは分からないけれど、あの人は正しい道を歩んでくれると思う」
セレンは深く息をつき、クロナの手を握り返す。
セレン「そうだね。じゃあ、行こうか」