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0. 帰路
今日も不満まみれの1日を終え帰路につく。
この不満さえも自分の考え方次第で幸せに変わるのだろうか。
好きなことも、いつの間にか好きだったことに変わり、好きな人はいつの間にか好きだった人に変わる。
大人はこれを自然なことだと私に言う。
どれだけ多くのことを選択し進み諦めてきたのか。
自分とは何者で、何を考えているのか。
多くの人が言う”わからない”をいつになったら理解できるのか。
1. 運命コーティング
世間では運命の人は3人いると言われているが、本当なのか。
ショート動画などでこの類の動画を見ると過去の恋人や思いを寄せていた人の中から運命の3人を思い浮かべるのが大半だろう。
私もその一人である。
世界では存在する人間の数に比例して多くの恋が存在している。
もし運命が決まっているならこの人であってほしい。そんなふうに思った人がいた。
誰よりも彼を愛し、尽くした。でも彼は裏切った。
彼は私じゃないと嫌だと泣いて縋った。
縋られるたび気持ちが揺らいだ。
許したかった。許してしまいたかった。
でも許してしまったら、この先辛いのは私なのだ。
彼の顔を見るたびに傷ついてしまう。
それを知っていた。なぜか。
もう5回目だからである。
なぜ私ではなくてはダメと自分でわかっているのに同じことを繰り返すのか。
何度も裏切られ傷つき泣き腫らす私を見ているのに行動を起こす前になぜ思いとどまれなかったのか。
彼からしたら私はその程度であった。それだけである。
自分の弱さに向き合えない私は彼のいない未来を考えるのが怖かった。
彼のいない未来など考えたくなかった。
この時私は5回目にして初めて気づいたのだ。
彼が運命の人なのではない。運命の人だと思いたかっただけだったのだと。
皆さんにこれから先すごく好きになってしまう人ができた時。
運命という甘い甘いコーティングを舐め取ってから現実を見ることを進める。
私は3年半甘い甘いコーティングを纏った彼を運命の人だと錯覚していた。
幸せで、憎くて、苦しくて、悲しくて、好きだった。
今も好きなままきっとこの先もだ。
どれくらい好きかって。
自分の書きたいことの一番はじめに思い浮かぶほどにだ。
好きな人はいずれ好きだった人に変わる。
それでもまだ私は甘い甘い砂糖にコーティングされた彼を眺めていたい。