テラーノベル
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ヤバい完結するかな…
しないかも…(?)
─────
「車おっそい!!!!早く!!!!」
「これが限界だわ舐めてんのか車!!!!!!」
「……スマホ傷付いた…」
「それはもうしょうがない感じだね」
「私がもし汰異怪だったらバキバキに割れてたかもだよ」
「……」
「それにしても車大丈夫?スピード速くない?」
「ごめん前歩いて」
「……じゃあ横歩くね」
「近くにいないと虚しいでしょ」
「まるで置いてかれる気分だよ」
目に映る桜並木で自分を紛らわしたつもりだった。
その顔が目に入った瞬間、異様な苦しさに顔が引き攣った。
見たくもないその顔は、「嫌」の一言で表せなかった。
「あ!久しぶり!」
「元気してた?」
「…っー、ふぅー、っ…」
気が乱れたらどうなるか分からない。
一歩間違えたら死ぬ。
死ぬんだ、そう死ぬんだ。
こいつがいる時点で、僕は死ぬんじゃないか?
「どうした?顔色が悪いじゃない」
そりゃあそうだよ。理解できないのか。
僕の最愛の母親を殺したも同然で
散々人をいいように扱ったんだから
お前を見て吐き気がするや否や当たり前だ。
その横で、僕を安心させるように黙って近づく君は、
ふっと優しく笑みを見せた。
こいつ、まさか自分が消えようと思ってるんじゃないか?
「ラヴ、大丈夫」
「君はここに存在する価値がある」
死人を抹消する能力はあいつにはないと考える。
それ以前に死んでほしくない。
お前を待つ人がどれだけいると思ってるんだ───
「あれ?」
「ねえ汰異怪、あのピンク髪の子はお友達?」
「…ああそうだよ、手を出すなら俺にしてよね」
「そうだよね!どこかで見たと思えば…」
「手間が省けた!」
「久しぶり奈々、元気そうだねぇ」
やはりこいつには片腕がない。
左腕がない。
どこで失った?僕が見た時は両腕残っていたはず
そんなことする場面がこいつにあったのか?
「……っ」
「大きくなったねえ。」
「6歳まで見ていたから……29年ぶりか」
「懐かしいものだねえ!その癖っ毛も変わらない」
「…信じらんない、どこまで見えてるの…?」
「か、槭ちゃん…!」
「その子、顔立ちを見ればまだ成人してないんじゃない?」
「そんな子を連れてくるなんて…」
「うるさいな、文句があるならかかってこい」
スフェの刀の鋭い刃先が宙を舞うように動く。
「おっと、生憎俺は武器は持ってないんだよねえ……」
「…あ、借りるよラヴくん」
「…っな、」
「腕に見えたものだから」
「っ…!返せ俺のだ!!」
「あらあら、そんなに自分のナイフで仲間を刺されるのが嫌なの?」
「昔は全部刺してた癖にねえ」
喧嘩売る気満々だな……
僕もやれたらいいものの武器がない…
素手…か…?
ブンッ
「ラヴ、傷つけてもいいの」
「お前ならいい」
「あ〜あお前のナイフ切れ味やばいんだけどなァ!!!」
ジャキッ
ガチッッ
鉄と鉄が重なる歪な音。
できることなら聞きたくない。
……それに、あいつ絶対手加減してる。
スフェはもう既に汗かいてるんだから。
こんな夏場だよ?スフェもやりたくない筈だ
「あのさぁ、あんま動かすのやめてくれる?」
「めんどくさいんだけど」
「動きは軽いみたいだけど?」
「……ま、喋ってる暇あったら守ったほうがいいよね!」
グシャッ
シャキッ
シャッ
「っ゛…」
「…マジふざけんな」
……いやこいつナイフ投げるのうますぎだろ
顔に刺さらないギリギリ狙うな…
「おっと、君は舐めちゃいけないみたいだね」
「スフェ大丈夫か!?」
「そんなめんどくさいとこは刺されてない…」(※腹のはじっこ)
「…なんだっけ、名前」
「聖苦だよ」
「…あぁ聖苦。」
「お父さんって呼んでほしいなあ〜」
「楽しいか俺を虐めるの」
「…楽しい?」
「そうだね、楽しいや!」
「狂ってやがる……」
「……奈々 槭、めんどくさいことになる前に帰れ」
「お前らには生きてほしい」
「嫌だよ羽瑠人」
「私の友達の復讐はできないけど」
「できることはしたい」
「…できることが生きることなんじゃねーの」
「…」
「お前だけには、ちゃんと寿命が尽きるまで生きてほしい」
「ほら、行くぞ」
「……まぁ、そうだね」
「…私はここにいます」
「槭ちゃん…!」
「運命は変えられなくても」
「そうもがけば、ほんの少し変わるかもしれないじゃない」
「…分かった」
「それに、いざとなったら能力があるんだから!」
「……」
「死んだ後に私の命と引き換えに生き返らせるなんて、」
「あの馬鹿達が許すわけないから。」
槭 side
ややややややばい……スフェボロボロになるこのままじゃ…
いや簡単にそうならないことは分かってるけど……
スフェは何も悪くないけど…
私に何ができる…?
「よくやった」って褒めてくれそうなこと私にできる…?
ここで逃げちゃいけない…!
「槭!怪我とかねぇか!?」
「わっ私は無傷!!!」
「そうか、無理しないでいいからな!!」
「……」
そっちがずっとずっと、人一倍無理してんじゃないの…!!!
バカ言わないでよね…!
ジャキッ
…ドサッ
問題はいつするか…
今してもいいけど…
終わる保証がない…
でもこのままやったら取り返しが…
どうするの槭…
こんな18歳にできるの…?!
実質私は3人分の命を背負ってるってことだよね?
そんな重い物…
私から溢れ出ちゃうんじゃ……
ポロッと零れたら、もう取り返しつかない……
生と死の狭間なんだつまり。
どうする……、?
「ねえあそこで突っ立ってるあの子は何してるの?」
「なんのためにいるの?」
「意味とか存在する?」
「うるせぇ…!」
「ああいう美女に意味とか聞くんじゃない!!!」
「おいスフェ汰異怪狂ったぞ!!」
「あの父親のせいじゃなーい!!!!」
び、美女って…
…気がつけばみんな結構ヤバい。
戦いに来たわけじゃないでしょうよこっちは…!!
「結局人間ってこんなもんだよね」
「ああ、そんなモノになるからだよ汰異怪。」
「大人しく俺のとこにいればよかったものを…」
「…は?」
「…ふふ、俺と雨瑠は幼馴染でねぇ」
「勝手につけられた許婚だったんだよ」
「いい…なずけ…!?」
「毎日毎日喧嘩ばっかでつまらなかったね」
「あの子は気が弱いからすぐ俺に負ける」
「そんなとこも似てるね」
「その長い髪もいらないモノなんじゃない?」
「君がこの世界に来たせいで全員もろとも変わってしまった。」
「スフェちゃん、君が変わることもなかったかもね」
「……まぁ、全員悪いのは奈々だと思うけど」
「覚えていないだろうけど、あの子は俺の言うことを破ってね。」
「勝手に出ていって勝手に育って勝手にああなった。」
「俺は何も悪くない!」
「この左腕も、奈々の関係者がやったんだから」
「\=奈々のせいってわけ!」
「そこらへんで生きていればよかったモノをさ」
空気が固まる。
吸ったこともない空気。
全部がピリついて、みんなおそらく考えていることは一緒。
「お前……!!!!」
「────あの!」
「はーい、槭ちゃん、だっけ」
「ちょ、槭!危ない…!」
「あなたのその赤い瞳の彼方に何があるかは知りませんけど」
「そういうのは私が許しません!」
「……何が言いたいのかな?」
「君、呪いの子じゃない」
「……え?」
「君の家系は悪いことのそばにいる槭樹じゃないっけ?」
「それを名前につけるなんて可笑しいね」
「君の親は今頃地獄かな」
「…」
「それが何?」
「槭が呪われてるって言うの?」
「ああ、そっちの方がおかしいね。」
スフェ……
私のこと、お姉ちゃんみたいに支えてくれてる。
「槭のどこがそう見える?」
「ただの優しい兎好きの子じゃない」
薄々分かってた。
なんか、そんな感じはするって。
能力はチートだし。
友達、まともにできたのは18歳から 。
全部、みんなのおかげ。
…でも
「……今はそう言う場合じゃないんだよね」
「…やれるもんならやってみなって!!!」
「─────”造夢開花“!!!」
▶︎ 最終話
コメント
3件
ふあぁぁぁっ!?!? 『自分のナイフで仲間を~』のとこ「全員」じゃなくて「全部」なの…あの語彙力が無いから何て言えばいいか分からないんだけど好きです((((( 楓さああああん!!!そこで造夢開花は泣きそうになりますってぇぇ!!!
終わりませんでした!!!!!!() まさか一日にこんな投稿するとは…ハハ…