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駄作
#三角関係
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『永遠に〜バラ〜』
皇宮に着き、バイクを乗り捨てる。
じゃりっと荒れた道を走り、目の前に飛び込んで来たのは、正門の前にある大きな明るい光。
夜空から星の欠片が落ちてきて、地上を灯しているかのように幻想的だった。
眩しい輝きに目を細める。
まるで夜に咲く花。
金色の炎は揺らめいているが、周囲を焼き尽くすような熱量は不思議と感じない。やわらかな暖かさがそこにあった。
「この炎は環に違いない。この炎の中に環と土蜘蛛がいる……!」
炎の中を必死で目を凝らして見つめるが、中の様子はわからない。
思い切って炎へと手を伸ばすと、手をバチンっと強く弾かれた。
それは誰も炎の中に来るなという、強い意志を感じた。
「──ッ。環っ! 俺だ! この炎の中にいるのかっ!? 居たら答えて欲しいっ」
炎の中から環の反応があれば、黒洞を打つ場所を少しでも把握して、土蜘蛛に狙いを定めることが出来る。
今まで人体に向かって黒洞を打ったことなどない。
黒洞に触れた箇所は例外なく喪失する。その危険を出来るだけ回避したかったのだ。
「俺が環を傷付けてなるものか」
炎に向かって再度環の名を叫ぶが、周囲に俺の声が虚しく響いただけ。
返ってこない反応に歯痒い。ぐっと歯を喰いしばる。
よく見ると炎の輪郭はゆっくりと、夜空へ向けて煌々と輝きを散逸させていた。
それを見て勘だが、この環の炎もそう長くは続かない。
いつかは儚く消えてしまうのではと思った。
やはりあれこれ悩んでいる暇はない。炎の中の状況を掴めず、黒洞を打つしかなさそうだ。
ざっとあたりを見回すが、吸収された人達の人影は見当たらない。
脳裏にまだ土蜘蛛に吸収されたままかと考えがよぎるが環は救うと言っていた。
きっと病院からここまでの道中。もしくは俺のいる場所から見えないところで、環は五人の救出を済ませ、炎にて土蜘蛛を足止めしていると思い至った。
五人は無事だ。俺は環を信じている。
だから後は俺が迷いなく、土蜘蛛だけを──。
「倒すだけか」
はぁっと深呼吸する。冷たい夜の空気を肺の奥深くへと流し込む。緩やかに手を前に突き出す。
環だけの気配を探るには──真円結界を展開。そして同時に黒洞を発動しかないだろう。
「……真円結界なんて使ったことないがな」
しかし真守の真円結界の術式は先ほども含めて、何度も見て来た。祝詞、印章も思い出せる。ぶっつけ本番で成功させるしかない。
意識を集中させようと瞳を閉じた。瞼の裏には環の笑顔が自然と浮かぶ。
そして帝都の人達。
全て守ってこそ帝都の剣。
誰も欠けさせはしないと心に誓うと──ちりんと涼やかな鈴の音がした。