この世界は、昔あった国……よく言われる呼び名としては旧国だな、その旧国が現在にも存在している国、同じくよく言われる名は現国…その現国に取り憑いている…まぁいわばスタンド的な感じだな…取り憑かれるのは絶対ではなく、取り憑かれていない国もいる。俺も最初はそうだと思っていた。…そんなこの世界で、少し前にあった事件について……ここに記し残そうと思う。
「はぁ……休日に呼び出すなよ……」
事件があったの夏の日曜日、馬鹿みたいに暑い日に国連本部へ呼び出された
「まぁ、仕方がないじゃないですか、我々は常任理事国なんですから、それにこの様な仕事を任せられるのは名誉なのですよ?」
この時、一緒に国連本部に向かっていたのは中華人民共和国…ちょっとした腐れ縁だ
「そういう問題じゃねぇんだよ……」
俺の国は北にある。冬はまつ毛が凍っている国民も見られるほどだ。出国する前でさえ暑かったのにニューヨークにある国連本部とかマジでふざけてると思う
「あ、あはは……まぁでも、もうすぐで着きますから、きっと本部内は涼しいですよ」
「それもそうだな……」
この後あんな事になるとは知らずに、楽観的な考えで国連本部へと足を進める。それから数十分で国連本部へ着いた。全然もうすぐじゃなかったからこの時密かにイライラしていた
「失礼します」
「……」
中国は律儀に礼をしていたな
「あら、中国とロシアじゃない」
「久しぶりだな」
すると本部内にはフランスとイギリスがいた
「……お久しぶりですね、フランスさん」
「おい、俺は無視か?」
「当たり前じゃないですかイギリス、我に取り憑いている旧国が貴方の事大嫌いなんですから」
「はっ……あいつか……あいつに取り憑かれているだなんて可哀想だなァ?あんな雑魚、いない方がマシだろ?」
「本当にクズですね……!!!!」
「ちょっとアンタ達?喧嘩はやめなさい?」
喧嘩する中国とイギリス、そしてそれを仲介するフランス。
「そうだぞ中国……今は喧嘩するな、そもそもまだ呼び出した本人が来てねぇだろうが」
「む……確かにそうですね」
俺は中国を説得した。無意味な喧嘩はしない方がいいからな
「それで、本当にまだかしらね」
「あいつはそういうところがあるからな、親として分かる」
「あぁ、やっぱり待たせていたか、ごめんな」
「!」
その時奥から声が聞こえた
「……クソ暑い休日に呼び出しかけた上に遅刻とはどういうことだ?アメリカ」
俺達を呼び出した奴は、この世界の覇権国であるアメリカだ
「はは、そう怒らないでくれ、すこーし準備に時間がかかったんだ。」
「それで、我々を呼び出した理由は?準備に時間が掛かったということは相当な事なんでしょうね?」
「あぁ、そこは問題無い……それにここで話す事でもない、会議室へ行こう」
そうして、俺達は会議室へ行く事になった。アメリカの後を、みんな黙って着いて行く
「ここが会議室だ。」
そう言い、ドアの前で立ち止まる。アメリカがドアを開け、手招きをして会議室に全員を入れる。
「さて……常任理事国である皆を呼び出したのは、とある計画について話す為だ」
すぅっとアメリカは息を吸い、改めたかのように話し始める
「……あのな、俺はこの世界を破壊しようとしている」
「は……?」
みんなが困惑した様な顔をした。まぁ無理もないさ、世界を破壊しようとしているだなんて言われたら
「待て、アメリカ……貴様……どういう事だ……!」
イギリスが少し高圧的な態度でアメリカにそう問う
「そのままだ。俺はこの世界にウンザリしてる……」
対するアメリカも物怖じせず、イギリスに焦点を合わせる
「だからって何故……!?」
「何故……か……ふふ、中国?お前の行動を振り返ったら分かるさ」
不気味な笑顔をうかべるアメリカ
「ここにいる常任理事国は全員旧国に取り憑かれている……だから、戦闘はピカイチだ。きっと停めたいやつもいるだろうと思ってな、この場にお前らを呼び出してチャンスをやろうと思って」
笑顔でそう話すアメリカ、だが今の話には間違いがあった
「嫌味か?アメリカ……俺は旧国に取り憑かれてないぞ?」
そう、俺は旧国に取り憑かれてない、つまり呼び出して戦えないんだ
「……はは……勘違いも大概にしな、ロシア」
「つまり……?」
「お前が気付いてないだけで、お前は取り憑かれてるよ」
俺は正直驚いた。だってずっと違うと思ってたんだから
「まぁそんなこんなで、停めるチャンスはやる……ってだけだ。」
そしてアメリカはパンパンと手を叩く
「と、いうわけでー!かいさーん!!!」
「ちょッ……解散じゃないわよ!!」
フランスさんがそう叫ぶも……
「はいはい、フランスさん?もう質問は無しです!」
そうしてアメリカはどこかへと消えてしまった。部屋に沈黙が流れる
「……とりあえず出ません……?」
中国がその沈黙を消し去る
「そうね……」
「……」
フランスは立ち上がり、イギリスの腕を引っ張る
「帰るわよ、イギリス」
「……嗚呼」
そのまま2人で部屋を出ていく
「……ロシア」
2人しか居なくなった部屋で、中国が話しかけてくる
「……どうする?」
その声は質問を投げかける声だった
「……決まってるだろ」
俺はゆっくりと呼吸をし……
「停める……それに、俺に旧国が取り憑いてるってのも気になる」
そう答えた
「……そうですね、私もその意見に賛成です」
「まずは俺の国に帰ろう?」
そうして、長い旅が始まった
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誰が誰に取り憑いてるのかが気になる··