一瞬だけねりあめ(KP)さん出ます。
しらすさんは恐らく今後も出ないかもです。
あと1人喫煙者要素があります。
ニュージーランド航空の南極観光ジェット機が、謎の失踪を遂げた。
南極調査隊の必死の探索の末、旅客様の無線信号が途絶えた座標の先には、未知の巨大な山脈が立ちはだかっていた。
前人未踏のその山脈は、最高高度が海抜一万メートルを超える、エベレストを超える世界最高峰であることが明らかになった。誰が呼んだか、狂気山脈。
そのあまりに暴力的な山脈に今、無謀に挑もうとするものがいる。
果たして、神々の頂(いただき)の上で登山家たちが出会う者とは──
ーーーーー
オーストラリア、某所。
登山用具が所狭しと壁にかけられたロッジの中、暖炉がパチパチと音を立てて部屋を暖めている。
白髪の老年男性を中心として、6名がその場に集まっている。
いずれも、色とりどりのウェアを着た登山家たちだ。
K2「やぁ皆、集まってくれてありがとう。
僕はケヴィン・キングストンだ。」
K2「イニシャルをとって”K2(ケーツー)“と呼んでくれると嬉しい。」
K2「もちろん、イニシャルに恥じないよう、K2は単独で登頂している。 …流石に、K2を知らない人は居ないよな?」
黒「当然知っていますとも…!世界で2番目に高い山ですよね…!」
直央「カラコルム山脈にある山だよね。当然知ってる。」
凜々蝶「お前ら絶対調べてるだろ…」
ねりあめ(KP)「エベレスト登山者の死亡率は2パーセントですが、K2では27パーセント。」
ねりあめ(KP)「なおかつ300人しか登頂に成功していない超危険な山。」
ねりあめ(KP)「この人はそのK2に単独で登頂に成功している、界隈ではかなり伝説的な人です。」
K2「今回、パーティのリーダーを務めることとなった。よろしく頼むよ。」
K2「今回のパーティはここに集まった6名だ。初対面の者も多いだろう。まずは自己紹介をしてくれ。」
黒「…猫川 黒(ねこがわ くろ)、写真家です…、!伝説の瞬間を一枚の絵に収めに来ました…!」
ドヤ顔気味に喋る。
黒「…相宮さん、俺はあなたがこの狂気山脈に登頂する瞬間を収めます。」
凜々蝶「…え、相宮さんってそんな凄い人なの…?」
直央「知らなかった…??」
K2「なるほど、何はともあれ若いのに命懸けの登頂に参加してくれてありがとう。」
黒「俺がこんな世紀の瞬間を逃すわけないじゃないですか…!」
直央「…次は俺かな。」
直央「相宮 直央(あいみや なお)。登山家。」
直央「俺はそこの写真家みたく、山に登るにあたっての理由は無い。ただそこに山があるから、登るだけ。」
直央「頂を目指すのに理由はいらない。」
直央「…天国に近い位置から吸うたばこの味は格別。」
ニコニコと喋る。それほど煙草が好きなのだろうか。
K2「おお、君の噂はかねがね聞いているよ。随分と才能がある登山家のようだし、大いに期待してるよ。」
直央「よろしく。」
凜々蝶「…次は俺か…」
凜々蝶「緑井 凜々蝶(みどりい りりちよ)っていいます。」
凜々蝶「普段は山を登りつつ見た風景や、登山での体験をブログに書いたりSNSに投稿して生計を立ててます。」
凜々蝶「それとこれは余談ですが、最近山にタバコを捨てる輩がいるそうなので携帯灰皿を持ってきてるよ。」
凜々蝶は直央を見つめる。
直央「…な、なんで俺の方を見るの…?」
凜々蝶「それと狂気山脈に登る理由だけど、第一次登山隊に居た親友を見つけたいんだ。」
K2「ほう、第一次登山隊に知り合いがいたのか。」
K2「今回は踏破及び調査がメインで、救助はあくまで継いで、という形にはなるが…」
凜々蝶「勿論、承知の上での参加なので、気にしないでください」
梓「次は私ですね。」
そういうと、一人の女性が前に進み出てくる。
目つきは鋭いが、容姿端麗と言っていい女性。セミロングの黒髪に利発的な表情。
梓「穂高 梓(ほだか あずさ)です。日本生まれ。医者をしてます。」
梓「今回はパーティの医療スタッフとして参加させてもらいます。」
梓「職業登山家ってわけじゃないから、皆さんのように先鋭登山の実績がある訳じゃないけど。」
梓「それなりに山は登ってるつもり。」
K2が肩に手を当てながら補足する。
K2「彼女は僕が個人的に声をかけたんだ。そこいらの自称登山家よりよっぽど登れるよ。」
黒(あれ、俺のことじゃないですよね…)
凜々蝶(あれ、俺のことじゃないですよね…?)
K2「国境なき医師団で紛争地帯を走り回りながら働く傍ら、休日には色々な山をやってる。」
K2「技術も知識も十分だ。信頼していい。」
直央「…でも随分めかしこんでるみたいだけど、本当に役に立つのか?」
凜々蝶「バチバチやん…」
黒「怖いですねぇ…」
梓「わ、私そんなにめかしこんでるかしら…」
コージー「…最後は俺だな」
そう言うと、若く軽薄そうな表情の男が話し始める。どことなく衣服や装備が高価なように感じます。
コージー「コージーだ。出身はオーストラリア。よろしく。」
K2「彼は今回の登山隊のスポンサーとなってくれた、オスコー財団の御曹司だ。」
コージー「御曹司だなんて言い方、やめてくれよ。俺はいわゆる金持ちのボンボンとは違う。」
コージー「自らの足で、自然に抗う一流のアルピニストだ。」
コージー「今回の登山だって、親父がカネを出さなかったとしても俺は登っていたさ。」
コージー「いいか。俺は、俺の力で登るんだ。オスコー家の力で登るんじゃない。」
K2「…だそうだ、よろしく頼むよ。」
黒「まぁまぁ、足は引っ張らないでくださいね!」
凜々蝶「…ねえねえ、アルピニストって何?」
若干小声気味に凜々蝶が聞く。
K2「み、緑井くん、アルピニストを知らないのかい?」
K2「私は人選を間違えてしまったのか…?」
凜々蝶「いやいや、…!あのアルピニストですよね、!!当然知っていますとも…、!!」
凄く焦っているように見える。
直央「まさかアルピニストも知らないような人がメンバーとして参加しているとは思わなかったわ。」
黒「本当に大丈夫なんですかぁ…?」
直央「でもK2、君のことは信頼してるけど、他2人に関しては信頼に足る実績はあるの?」
K2「ふむ。先程言ったことの繰り返しになってしまうが、梓に関しては間違いない。プロの登山家と言っても問題ないだろう。」
直央「…まぁ、君がそこまで言うならとりあえずは信じよう。」
K2「コージー、君はどうだ。登山に自信はあるか?」
コージー「何言ってんだ。オスコー財団の跡取りだぞ?!自信なんかあるに決まってる…!」
凜々蝶「ちょっとマズそう…」(小声)
黒「いやいや、他にももう1人まずそうな人がいるじゃないですか。」
凜々蝶「…え、俺ですか?」
直央「ま。俺は誰が死のうと別に構わないけど。覚悟がないなら引き返すべき。」
K2「言い方はともかく、内容に関しては本当にその通りだ。」
凜々蝶(あれ、これやっぱり俺に言われてる…?)
K2「…さて、ではそろそろブリーフィングを始めるとするか。」
K2「まずこの計画の概要を説明しよう。」
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ブリーフィングは次回‼️
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