「はぁ…」
反射的に大きなため息を吐いてこれからどうしようかと考える。
「世一!モール行くで!」
考えた末に出した答えは、買い物に行き、教材や日用品を買いに行くことだった。
「モール?何それ…?」
子猫はそれはまぁ素っ頓狂な声を上げた
「ショッピング。買いもんや」
「買いもん!!行く!」
まるで今から道の旅へと出るかのように子猫はキラキラ目を光らせて言う
「ほんなら行こか。」
俺はその表情に釣られて、微笑みながら言った。
***
「わぁ〜!来たの初めて!」
「楽しいか?」
「うん!」
やっぱり正解だったみたいだ。
これ以上ないぐらい嬉しそうな顔をしている。
⬜︎⬜︎⬜︎
「迷うわ〜」
鉛筆とか漢字ドリルとか見たこともないものをたくさん買ってもらった。
それだけで十分だったのに烏は、世一を連れて、子供服売り場にかれこれ1時間以上来ている。
世一が来た服がどれも良かったのか、おっさ…お兄さんはとても迷ってるらしい。
世一もう足クタクタだよ。帰りたい。
自分の服を買いに来て貰っているのでそんなわがままを言えるはずもなく、おとなしく待っている。
「店員さんちょっとええやろか」
やっと決まったか…
烏は煌びやかな笑顔で飛んだ爆弾のような金持ち発言をした。
びっくりして開いた口が塞がらないのは、店員さんも同じのようだ。
何処かでキャッシュドロワーの綺麗な機械音が鳴った。
どうやら取引は成立したらしい。
お礼を言わないといけないと思い、烏に駆け寄る
「烏…ありがとう…」
何処か気恥ずかしく、よそよそしいお礼になってしまったが、烏はそれを読み取ったのか、ただ微笑むだけだった。
柄にもなくその笑顔は、なんというか…
⬜︎⬜︎⬜︎
俺は車にキーを差し込み慌ただしいエンジン音を立てる
「今日楽しかったか?」
「うん…」
服を買った時から世一は何故かよそよそしい。
ただそのワケを追求する理由もないので、触れないでおく。
全然眠そうではないが、こういう時は寝させるのが1番の策だ。
「疲れたやろ。家までかかるで寝とき」
「うん…」
そう返事をして世一は静かに目を閉じた。
ーTo be continuedー
コメント
2件
まさかの烏お金持ち、、、、、