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〜62日目〜


 今日はニーゴの打ち上げ。新曲ができる度にみんなに会えるというのは特別感がある。まあセカイで会えるっちゃ会えるけど。


「絵名、今日は珍しく早いんだ」

「え、まふゆ奇遇じゃん!」

「同じ目的地に向かっているから、奇遇かはわからないけどね」


 信号に足を止められているところで話し掛けられた。そのまま横に並んできて、するりと手を繋がれる。


「今日何食べようかなあ。お腹空いてるから今なら何でも食べられるかも」

「どうせチーズケーキは食べるんでしょ。人参も今なら食べられるの?」

「それは無理」



***



 他愛もない話をして、ファミレスに着く。席には既に奏と瑞希の姿があった。二人並んで座っているので、隣は必然的にまふゆになる。


「おお、二人で来たんだ……ぁっ!」

「こんにちは、絵名、まふゆ」

「なんか、奏余所余所しくない?」

「絵名早く座ってよ」

「ああごめんごめん」


 座って、荷物をまふゆとは反対側の外に置く。


「何頼もうっかな〜。あ、ミートソースパスタ見たら食べたくなってきた。じゃあ今日はこれにしよっと。あとオレンジジュース」

「注文、絵名と一緒のやつでいいよ」

「ボク達はもう決まってるし、呼んじゃうね〜」


 そうして瑞希は店員を呼んで、私達はそれぞれ注文を済ませていく。




 私と瑞希が中心的に話をしていると直ぐに注文通りの品が届いた。そしてコップを持つオレンジジュース二つ、コーラと麦茶だ。


「じゃあ、新曲投稿記念にかんぱーい!」

「かんぱーい」


 みんなでコップを合わせあう。カチンといい音が鳴って、私達は中身を飲む。どうでもいいけど、瑞希は今日は担々麺らしい。


「そういえば、瑞希は今日担々麺なんだ」


 まふゆも同じことを思ってたみたいだ。


「そりゃあ好物をずっと食べる訳ではないでしょ。そういえば、まふゆは絵名と一緒のものなんだ」

「それがどうかしたの?」

「べっつに〜。いっただっきまーす」


 結構湯気が出てるみたいだけど、もう食べるのか。瑞希は二回息を吹きかけてから、麺を含んだ。


「あっっつ!!」

「なにしてるの……」

「いや、こんなに熱いと思わなくて、水水……」

「いや分かるでしょ。湯気凄いし」

「は、早く食べたかったんだもーん」


 奏が水を渡して、それを飲んでいく瑞希。


「あ、」


 すると瑞希の持っていた箸が一本するりと手元から落ちていった。


「ちょっと、何してるのよ……」

「なんか、驚きすぎて力入らなかったみたい」

「大丈夫なの……?」

「大丈夫大丈夫〜」


 瑞希は私の声をさらりと受け流して机の中へ潜っていく。 


「えっ!? いっッたぁ……」


 驚きの声と共に、机がガンッとなる音。瑞希が頭をぶつけたのだ。


「ちょ、瑞希ほんとに大丈夫!?」

「ふぅ……何でもないよ……」


 直ぐに苦笑した瑞希が上がってきた。いや、何かあったからそんな風になったのではないのか。


「もう、絵名達も食べなよ」

「ああ、そうね。うん」


 先程から手の力を抜いてはいるのだが、まふゆが離さないのだ。まふゆに視線をやると、漸く納得したのか手を離してくれた。

 少し悲しそうな顔をするのは、やめてほしい。

100日後に付き合うまふえな

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