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#デスゲーム
ぱほわ
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#死亡遊戯で飯を食う
ユイ
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#CR
8/|/aB(旧アイビー)
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逃げ惑う者、隠れる者。鬼に抵抗し殺される者。鬼を狩る殺人鬼。騙す者と騙される者。様々な思惑が交錯し、《隠れ鬼》は混沌の最中にあった。
そんな中シルヴィアは洋館の客室のベッドの下でガタガタ震える少女、マフィ•キャンディーのことが気がかりであった。シルヴィアはマフィ•キャンディーを映すモニターを拡大する。
「なんでぇぇぇ私悪いことしてないのにぃぃぃ。こないだリサちゃんの食べてたケーキのイチゴこっそり食べちゃったからかなぁ?デザート盗むのって極刑に値する行為なのぉ……?」
学友の顔を思い浮かべながらマフィ•キャンディーは亀のように縮こまりぎゅっと目を瞑る。
「あの子、本当にマフィアのボスなんでしょうか?私にはあの子が嘘を吐いているようには見えないのですが…….。」
ヘレナがマフィ•キャンディーの様子をじっと観察する。
「…….もしかすると、彼女はなんらかの精神疾患を患っている、もしくは多重人格者なのかもしれないね。彼女は本気で自分を学生だと思い込んでいる。ミステリーじゃよくある手口だ。」
「多重人格者……ですか。」
「俺が以前精神科に研修行った時もいましたよ。自分のことを本気で猫だと思い込んでいる患者が。」
「世の中色んな人がいるんですねぇ。」
シルヴィアが間の抜けた声で呟く。
別のモニターからオレンジ髪のツインテ少女の汚い悲鳴が聞こえた。
シルヴィアが慌ててツインテ少女のモニターを確認する。
そこでは軍用アンドロイドと少女のドタバタ逃走劇が繰り広げられていた。
「あのオッサンボクのこと騙したなぁ!?何が『軍用アンドロイドの背中にはボタンがあってそれを押すと停止する。』だよぉ!?
嘘じゃん!!やだやだやだ来ないでぇぇぇ!!!」
泣き叫びながらも少女は軍用アンドロイドの銃撃を避け続ける。少女が廊下の角を曲がると、
別の軍用アンドロイドと鉢合わせした。
「なんでボクの方に二体も来んのさぁあああ!?」
軍用アンドロイドはより心拍数の高い者を優先的に攻撃する。あれだけ走り回り叫び回っていたら狙われるのも当然である。
「あ…..もうダメ…..。」
ツインテ少女の口から魂が抜け落ちる。
その時、軍用アンドロイド達の動きがぴたりと止まった。彼女の心拍数が急に0になったからだ。軍用アンドロイド達は辺りを見回す。
そして、アンドロイド達は気絶した少女の元を去った。しばらくして少女が息を吹き返す。
「危なかったぁ……。人工心臓無理矢理止めて死んだフリしたけどうまくいったみたい。全く、ひどい目にあったよー。」
少女は深呼吸をしながら、ゆっくりと起き上がる。
「……でも、ゲームマスターには感謝しなきゃだね。だって大勢の国民がボクを見てる!!注目してる!!気持ちいい!!あっ、あそこ監視カメラあるじゃん。視聴者の皆ー!!見てる-!?主人公であるボクの活躍、余所見せずにちゃんと見ててねー!!」
監視カメラに手を振りながら愛嬌ある笑みを浮かべる。大勢の人達に見られている快感によって心拍数が上がり、再び軍用アンドロイドが少女を標的にする。
「やばっ。」
再び少女と軍用アンドロイドのドタバタ逃走劇が始まった。
「あの子、ちょっぴりシルヴィアちゃんに似てるね。」
「それ遠回しに私のことバカにしてません?」
シルヴィアがジト目でヘレナを見る。
「あの女はデミコ•パンドラ。四年前ロタニア王国でバイオテロを引き起こした極悪人ですよ。」
杉田がぽつりと呟く。
「知ってるの杉田?」
「知り合いの医療従事者達から嫌というほど聞かされましたよ。デミコは《流行り病(インフルエンサー)》の異名で知られる細菌を操るテロリストです。…….医者としては到底許せませんね。」
「細菌を操るテロリスト……。」
シルヴィアは軍用アンドロイドから逃げ惑うデミコを注視する。
「医療の進歩は同時に殺人技術の進歩でもあります。高度に発達した医療技術が、皮肉にもノマのような大量殺人鬼やデミコのような凶悪なテロリストを生み出してしまった。」
機械でヘレナの容態を確認しながら医者の杉田は真剣な顔で呟く。
モニターでは死刑囚達が無慈悲に殺されていく映像が映り続ける。
「…….どうやら予選に残る12人が決まったようですね。」
シルヴィアが死刑囚達にアナウンスする。
「死刑囚の皆様、お疲れさまでした。これにて予選、《隠れ鬼》を終了します。お姉さまの体調を考慮し、一回戦は明日行います。今夜は死刑囚の皆様のために高級ホテルにて豪華なディナーを用意しました。皆様、是非とも最後の晩餐をご堪能ください。」
モニター越しにシルヴィアがそう告げる。
斯くして、惨劇の隠れ鬼が幕を閉じた。
「お姉さま、予選はいかがでしたか?」
シルヴィアが不安げにヘレナを見る。
「……私ね、最近ずっと病気のことや死んだ後のことを考えてたの。でも今日は病気のことを忘れることが出来た。ありがとね、シルヴィアちゃん。」
ヘレナが目を細める。
「……はいっ!!見ててくださいお姉さま!!まだまだたくさんお姉さまを楽しませるためのデスゲームを用意してますよ!!」
泣きそうになるのを必死に堪えてシルヴィアは明るく振る舞う。
「楽しみにしてるね。明日も生きなくちゃだね。」
車イスに乗り腕に複数の点滴の針が刺されたヘレナを見てシルヴィアは再び決意する。
このデスゲームで、必ず姉の笑顔を取り戻すと。
コメント
1件
読み終えました!第五話、めちゃくちゃ面白かったです。マフィ・キャンディーの「イチゴ盗んだから?」って本気で怯えてるのが可愛くて笑っちゃいました。でも多重人格の伏線かもしれないって考えるとゾクッとしますね。デミコの心拍数0作戦からのまさかの自己紹介パフォーマンス、あの破天荒さが逆に怖い…。「見られてる快感」で心拍数上がってまた追われるオチも最高でした。それと、シルヴィアが姉のために必死でデスゲームを運営してる姿にじんわりきました。明日が楽しみですね!