……俺の恋人は基本的に可愛い。
「ナムジュナ〜、これ一緒に食べよう?」
色々、共有してくれるし。
「これとこれ、どっちが良いかな…」
「…こっちの方が、お前に合ってると思う」
「そう?じゃあ、これにしよっと!」
意見を素直に取り入れてくれるし。
「ジュナ、大好きぃ」
「おぉ……俺もだよ」
「ふへ、幸せぇ」
言葉で伝えてくれるし。
「ジュナ、ぎゅー!」
ぎゅっ……
「ん、甘えたなのか?」
「うん、そう!」
行動でも表してくれる。普通に見たら、何処も問題ないカップルに見えるだろう。…なら、何故基本的に、と付けたのか。それは……
「ナムジュナ」
「ん?」
「今日、ユンギヒョンといる時間長かった。5時間もあの狭い作業室に2人きりだよ?仕事なのは分かってるけど、2時間くらいって言ってたじゃん。何で僕に教えてくれなかったの?予定の時間より3時間と30秒も過ぎてたんだよ。その間、どれだけ僕が寂しくて悲しい、虚しい時間を過ごしてたと思ってるの。電話もしたし、ずーっと泣いてたんだよ…」
「ホバ……悪かった。つい、熱中しすぎて…電話も、気付いてやれなかったな…電源を切ってたんだ」
「電源……何、やましい事でもあったの」
「ないよ。通知が沢山来ると集中出来ないだろ?すぐに終わらせる為にも、切ってたんだよ」
「………作業、捗った?」
「…あぁ。新曲のメロディーが何となくな。ユンギヒョンが、後でお前のパートも作りたいから来てほしいって言ってたぞ」
「………そうなの?それを早く言ってよ……ぐすっ……寂しかった………」
ぎゅぅ……
「ごめんな。次から気を付ける」
「んーん……僕も、熱中しちゃう事があるから…お互い様だよ」
ホバは、少し……否、かなり俺に対する依存心が強い。付き合い始めの時に比べれば緩和されてるようにも感じるが……これは、どうしようもない事だと思う。ただ、この依存されているという事に対して、俺は重いと思った事も、面倒臭く感じた事もない。これも、ホバなのだから。
「新曲、楽しみだな〜…ARMYも、喜んでくれると良いな」
「今回は1パートを長めに取ろうと思ってるんだ。…息が続くか心配だな」
「ふふっ!沢山深呼吸しなきゃ〜」
「……練習しとくか?」
「ん〜?…んふふ、する〜」
ちゅっ……
全てを愛してる…なんて無責任な事はまだ言えないが、どうしたらこいつのこの不安を減らす事が出来るのか…これから先、少しずつ二人で進んでいけば大丈夫だろう。…進めればの話だが。