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主要登場人物一覧
蔵島壱成(18) …2代目主人公 警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
竹島龍聖(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
中島佑紀弥(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
藤森俊哉(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
室口翔平(41)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース担当教官
西崎保法(38)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース担当教官
北家徳仁(59)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部部長
学校生活が始まり1週間が経過した。ある日ULコースはUL特有の授業が行われた。
ゾンビの生態についてだ。実際に警衛局からULTIMATE中央指令部長の赤木龍一が授業を行うため教育隊大阪地方方面本部にやってきた。
「総員起立。赤木龍一中央指令部長に敬礼。休め」
日直の中島の仕切りでの挨拶が終わった。
「今回より特別授業として奴らの生態について授業を行う。だがその前に授業に何が必要だと思う?そこ答えてみろ」
「やる気でしょうか?」
「違う。他」
「教材ですか?」
「違う。他」
「筆記用具でしょうか?」
「普通の答えばかりでつまらないな。正解を言ってやる。臨場感だ」
赤木が言うと教室に中央指令部員の工藤哲也に連れられ手錠をつけられたゾンビがやってきた。それを見て生徒達は声をあげた。
「心配すんな。俺がすぐに殺す。奴の殺し方を説明するため用意した。早速だがこいつの殺し方分かるやついるか?」
「頭を撃つのでしょうか?」蔵島が答えた。「詳しくは頭部だ。頭部をこういう風に撃つ」そう言うと赤木はゾンビに銃口を向けた。そしてそのまま発砲を行った。銃声と共にゾンビはその場に倒れた。
「他にも殺し方はある。」赤木が言うと今度もまた中央指令部員に連れられ一体のゾンビがやってきた。
「正式に警衛官として任命されると衛刀と呼ばれる刀が貰える。その刀でこうだ」そう言うと赤木は衛刀を構えるとそのまま勢いよく頭部に刺した。そしてそのまま勢いよく抜いた。すると赤木を返り血が襲った。
「きたねーな。まーこんな感じだ」そう言うと赤木は2体のゾンビを紐で縛った。
「次に感染経路についてだが。今のところ不明だ。空気感染など様々な説はあるが、未だ分からずだ。」そう言うと赤木は黒板に何かを書き始めた。
「IFウイルス。彼らは知能がない。つまり考える力が無い。倒すのはカンタンだという事だ。だが考える事が無いため、何かを恐れるという事も無い。つまり彼らに脅しは効かないという事だ。ぼさっとしてるとやられる。死にたくなけりゃ知能と技術を持っておく事だな」
その日の夜蔵島は射撃訓練を行っていた。
「蔵島、こんな時間に1人で射撃練習か」
「室口教官。お疲れ様です」
「楽にしろ。」
「はっ」
「お前はどうやって撃っている?」
「と言いますと?」
「的にしている相手だ。上手く撃つには頭のなかで的を思い浮かべる事が大事だ。」
「はい」
「お前は12年前の衛務島にいたそうだな?」「はい。家族を失いました」
「そうか。俺も大切な仲間を失った。警衛官に大事なのは何だと思う?」
「技術でしょうか?」
「そんなのは正直言って要らん。今お前達候補生は、技術を習得するのに必死だろう。だが戦場ではそんなもん一切要らん。」
「では何が必要なのでしょうか?」
「戦場となれば上から言われる命令に従うのが正義とされている。必要なのは何があっても死を選ばない事だ。何があっても生きる事を前提に置いて行動する。辛くてもしんどくても生きる事に価値がある。俺はそう思う。自ら死を選ばなければ必ず何か糸が見えてくるはずだ。」
「糸ですか?」
「希望の光と言い換える事もできる。今この学校を出ると普通の人間と感染者が入り乱れている世界が広がっている。その中でどうやって生きるか。それを俺はお前ら候補生に学んで欲しいと思う」
「はい」
「すまんな。あの時母親をたすけずお前だけをたすけて。俺を恨んでいるだろ?」
「室口教官ってあの時の?」
「あー。そうだ。12年前ゾンビの進行を止められず俺はお前ら親子を見つけた。そこでお前を助ける事を選んだ」
「そうだったんですか…」
「訓練は程々にしておけよ。明日も朝が早いからな。」
そう言うと室口はその場から去っていった。