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「あぁ、頑張れよ!」
先輩たちとは大学受験の準備のために一緒に帰ることはなくなった。
昼ご飯も一緒に食べることはなくなって、友達と食べることが毎日の日課となった。
それから俺らのサッカーチームは強化練習に力を入れていった。
俺らは先輩の代よりも力はついた。“力は。”
力をつけていくとともにどんどん気持ちは廃れていった。
サッカーをしたいと思わない生徒が過半数を超えて、部活を辞める生徒も多くなった。
それでもサッカーがまだしたい、サブメンバーと俺でチームは一応“カタチ”にはなった。
でも、強いメンバーなんて俺も含めて2,3人。俺らの努力は水の泡になった。
毎年出ていた関東大会にも出られなくなって、先輩との約束を果たすことができなかった。
悔しいというより申し訳なかった。
辛いというより申し訳なくて、仕方がなかった俺はこの学校に傷をつけたことになることを受けいることが苦しかった。
そんなことを思っているともうあっという間に引退のときになっていた。
先輩のような格好良い先輩にはなれず、約束もはたしきれなく俺の部活生活は終わっていた。
追い打ちをかけるように受験勉強が始まった。
大好きなサッカーもサッカーボールも気づけば後回しになっていた。
俺は親から言われた大学に進学することになっていた。公務員になれと言われた。
本当はプロサッカー選手になって日本代表でワールドカップに出てみたかった。
大きすぎる夢だけど、大きい夢だけど。これが俺の夢だった。
ずっと自分の机に向かって勉強している。そんな自分に飽き飽きしていた。