私の店のBARにうりさん、たっつんさんと一緒に物資を運び終えたあと私は2人に「BARでなんか食べますか?」と聞き2人は「いいんですか!?」と言っていたが、私は「いいですよ。」と返事をして今私のBARで食事をしようとしています。
私は2人に水を出す。
フューズ「どうぞ。」スッ
うり「ありがとうございます。」
たっつん「ありがとうございます。」
フューズ「メニュー表渡すので食べたい物が決まったら言ってください。」
私は2人にメニュー表を渡して注文を待つ。
うり「何頼もうかな?」
たっつん「俺は魚定食にしようかな。」
うり「じゃあ俺は….野菜定食で。」
フューズ「わかりました。暫くお待ちください。」
2人の注文を承り私はキッチンへ向かいそこでせっせと注文された料理を作っていく。
うり「俺ら以外に客全然いないな。」
たっつん「今営業外なんちゃうん?」
フューズ「はい、今は営業外なのでお客さんはいませんよ。」
うり「そうなんですか。すいません、こんな朝っぱらから。」
フューズ「別に大丈夫ですよ。夜までは案外この店暇なので。」
たっつん「夜には沢山来るんやな。」
フューズ「はい、この街の衛兵さんたちが仕事終わりに沢山来るのでその時が1番大変ですね。」
うり「そうなんですね。」
フューズ「そうなんですよ。しかも私1人しかこの店にいませんから正直言うと疲れます。」
たっつん「従業員雇ったりしないんか?」
フューズ「雇おうと考えたこともあったんですけどその当時の私は1人でもある程度回るので雇わなくても大丈夫!って考えてたんです。」
フューズ「でもその後体調崩して倒れてみんなに迷惑をかけちゃったから近々雇おうかなぁって考えてます。」
うり「そうだったんですね。」
フューズ「ちょっと調理が忙しくなるので私はこっちに集中しますね。」
たっつん「わかりました!」
2人との会話を一旦切った私は注文された定食の調理に集中した。
フューズ「大変お待たせしました。」
私はできた定食を持って2人が座っている机に向かう。
うり「お!来た!」
たっつん「美味そう!!」
フューズ「どうぞ、お召し上がりください。」
2人の目の前に頼まれた定食を置く。
うり・たっつん「いただきます!!」
2人はパクパクと定食を食べ始める。私はカウンターの椅子に座ってそこから定食を食べる2人の様子を見守る。
うり「フューズさん!定食美味しいです!」
フューズ「喜んでもらって嬉しいです。」
たっつん「この魚うんまぁ!」
フューズ(ほんとにあの人みたい。)
フューズ「…….」ジィー
私は定食を美味しそうに頬張る2人の様子をジッと見守る。
たっつん「あの、フューズさんさっきから俺らのことずっと見てるけどどうかしましたか?」
フューズ「いや、数年前にお2人に似た人が来たんですよ。」
うり「へぇ〜どんな人だったんですか?」
フューズ「めっちゃ破天荒で自由奔放な人でしたね。その人の相方らしきハイブの人にいつもなんか言われてました。」
うり「それ俺たちに似てます?」
フューズ「元気なところがその人に物凄く似てるんですよ。またここに来るって言ってこの街から去って行ったんですけど未だにまだ来ないです。」
たっつん「その人の名前は知ってるんですか?」
フューズ「はい、サコツって言う人です。その人の相方らしきハイブの名前は確かヘックスです。」
うり「へぇ〜いつか会えるといいですね。」
たっつん「俺もみんなに会いたいなぁ!」
フューズ「そう言えばお仲間さんたちとバラバラになったんでしたっけ?これからどうするつもりなんですか。」
うり「この街から出て探しに行こうかなと考えています。」
フューズ「いや、この街からは多分出れないと思いますよ。」
うり・たっつん「え?」
うりさんとたっつんさんの手が止まる。
あ…..そっか、お2人とも別世界から来たから知らないんだ。
たっつん「それはどうしてですか?」
フューズ「えっと、ここモングレルはフォグアイランドって言われる場所の中央らへんにある街なんですけど。」
うり「はい。」
フューズ「実はフォグアイランドにはフォグマンと言われる人喰い種族が住んでいるんです。」
たっつん「えぇ!」
うり「マジ?」
フューズ「モングレルはそんなフォグマンの住処のど真ん中にある街なので本来街から出ることも入ることも難しい街なんです。」
たっつん「なんでそんな街が滅亡せずに存続できてんの!?」
フューズ「モングレルの衛兵さんたちがこの街に近づくフォグマンを討伐しているお陰なんです。幸いにもフォグマンも衛兵たちの強さを知っていますからこの街に攻めてくることは滅多にありません。」
うり「でも物資が運搬されてるって。」
フューズ「その物資も毎日命を懸けて衛兵さんたちがフォグアイランドの外から運送してくれているんです。」
たっつん「衛兵さん頼りやなぁ。」
フューズ「大丈夫ですよ、モングレルの衛兵さんたち全員歴戦なのでフォグマンに負けることはありません。」
うり「そうですか…..てかじゃあ俺たち出れないの!?」
フューズ「そうなりますね。」
たっつん「俺ら一生この街で過ごさないかんやん!!」
2人がこの街から出れないとなって絶望している。
うり「俺たちこれからどうしたらいいんだ…」
たっつん「知り合い誰もおらへんし…..」
フューズ「あのーちょっといいですか?」
うり・たっつん「なん(ですか)(や)….」
フューズ「お2人がよければでいいんですけど私のBARで働きますか?」
2人の目がパッチリと開く。
うり「俺たちを雇ってくれるんですか?」
フューズ「従業員を雇おうと考えていたのでお2人がなってくれたら嬉しいなぁ〜ともちろんお2人がこの街から出るまでの間だけでいいので。」
たっつん「もちろん働かせていただきます!」
うり「ぜひ、働かせてください!!」
2人が席から立ち上がり宣言をする。
フューズ「わかりました。なら今から正式に従業員として2人を雇うのでちょっと待っててください。」
私は店のカウンターから従業員の制服を取り出し、お2人に渡す。
フューズ「もう少しで営業時間ですのでこの制服に着替えてください。」
うり「どこで着替えれば?」
フューズ「向こうにしきりがあるのでそこで着替えてください。私はその間に定食の後片付けをするので。」
私は2人が食べ終わった定食の後片付けを開始する。
たっつん「あ!ご馳走様でした!」
うり「ご馳走様でした!」
フューズ「いえいえ、それでは着替えお願いします。」
うり「とりあえず着替え終わりましたけど、俺たち何したらいいかわかりませんよ。」
フューズ「お2人の仕事はお客さんに水を出すこととメニュー表を渡して注文を聞くこと、皿洗いをすることです。」
たっつん「わかりました!」
フューズ「ではそろそろ営業を開始しますね。」
私は店の前に営業中と書いた看板を置き「営業開始しましたー!どうぞ、いらしてくださーい!。」と呼びかける。
後ろを振り向くとうりさんとたっつんが緊張した様子で立っていた。
フューズ「…..まあ、朝にくるお客さんは滅多にいないので今はゆっくりしてても別に大丈夫ですよ。」
うり「いや、こうゆう時こそ人が来るんです!」
たっつん「ゆっくりなんてしてられへん!」
フューズ(本当に来ないんです。)
結局、朝にお客さんは一切来なくてお客さんが来始めたのは夕方からでお2人は朝から気張っていたせいでお客さんが来た頃にはヘトヘトで随分と疲れている状態での接待だったので営業が終わったあとお2人はすぐに眠ってしまった。
コメント
2件
ありがとうございます😊
次の話も楽しみです!これからも頑張って下さい。