次の日の朝、椅子の上で起きたお2人は、営業前に来たモングレルの衛兵隊長であるジャックさんに「一緒に来い、お前たちにこの世界で暮らせるように戦闘力を鍛えてやる。」といいお2人を連れて行った。
フューズ「ジャックさんの訓練はかなりキツいって衛兵の人たちが言ってたからお2人とも大丈夫かしら?」
私がそう憂いていてもどうしようもないので私はお2人が帰って来るまでカウンターの椅子でゆっくり待つ。
私はカウンターの机の中に入れてある紙を取り出して見る。
その紙は数年前にこの街に来たサコツさんたちが書き残していったサインが書かれている。
サコツさんが「俺たちが来た印でも残してまたここに来た時の話題にしようぜ!」って言って残していった物。
紙のど真ん中に堂々とサコツと書かれておりその横にはそう思いますと文字が書いてある。
サコツさんの相方らしきヘックスさんはあまり乗り気ではなかったけどサコツさんにしつこく言われて一応紙の端の方に小さくヘックスとサインを書き残している。
私はサコツさんともう1回会いたい。私はサコツさんがこの街から去る前に「私も一緒に連れて行って!」と懇願した。
でもサコツさんは「それはできない。」と断った。私が「なんでですか!」と問いたらサコツさんは「俺の危険な旅に可愛げのある女の子を連れて行くわけには行かない。」と言った。
その後サコツさんは「またここに来るよなんの為に印残したと思ってるんだよ。」と言って街を去って行ったの。
恐らく私はサコツさんに恋心を抱いたんだと思う。それは数年経った今でもずっと変わらない。
フューズ「サコツさん….いつ来るんですか….」
数時間後、うりさんとたっつんさんがジャックさんと一緒にBARに入って来た。
うりさんとたっつんさんは疲れ果てていた。
フューズ「ジャックさん、お2人をどれほど扱き倒したんですか?」
ジャック「コイツらの体力が余りにもないから徹底的に体力作りをさせただけだ。」
うり「いやだからっていきなりランニング10キロ、腹筋100回、腕立て伏せ50回、背筋70回はキツすぎますって!!」
たっつん「全身が痛い。」
衛兵さんたちが言ってたことがわかりますね。
フューズ「ジャックさん、明日からもやるんですか?」
ジャック「当たり前だ、私の訓練の卒業試験はフォグマンと戦って勝つことだ。」
うり「フォグマンと戦うのかよ….」
たっつん「キツいわ〜!」
ジャック「少なくともいきなりフォグマンと戦わせることはしない。まずは他の衛兵たちと戦闘訓練してからだ。それに卒業試験をする時は安全性を考慮して付近に衛兵たちを待機させとくから安心しろ。」
たっつん「フォグマンと戦うのはもう確定なのね!」
ジャック「今日はこれで終わりだ。明日に備えてるように。」ガチャ ガチャリ
ジャックさんが店から出て行った。
フューズ「お2人とも疲れてると思うので今日の仕事はしなくてもいいですよ。昨日の疲れも取れてないと思いますし。」
うり「すいません、ご厚意に甘えさせていただきます。」
たっつん「本当にすんません、寝させていただきます。」
お2人はベッドがある部屋に向かって行った。
フューズ「さて、今日も仕事頑張ろ。」
夜
フューズ「ジャックさんはいつものでいいですよね?」
ジャック「ああ、いつもので。」
私は手慣れた手つきで酒の肴を作り酒が入った瓶とセットでジャックさんの目の前に置く。
フューズ「どうぞ。」スッ
ジャック「ありがとう。」
ジャックさんは夜にいつもここで酒を飲んでいる。
モングレルの衛兵1「隊長、今日もそれですか?たまには別の酒でも飲みませんか?」
ジャック「俺はこの酒が1番好きなんだよ。」
モングレルの衛兵2「隊長昔からそれしか飲みませんよね〜。」
ジャック「俺の酒の相棒はコイツしか有り得ないよ。」ぐびぐび
モングレルの衛兵5「その酒結構度数高いのによくそんなに飲めますなぁ、俺なら1杯で無理ですよ。」
ジャック「ほう、なら飲むか?」
モングレルの衛兵5「お断りさせていただきます。」
モングレルの衛兵7「おいおい、隊長の酒が飲めないのか5〜www」
モングレルの衛兵5「明日の仕事に影響が出たらどうしてくれるんだよ。」
モングレルの衛兵6「隊長が今訓練してる2人が入るから大丈夫だろ。」
モングレルの衛兵8「あーあの2人か。初日でもう死にかけてたな。」
ジャック「明日もするからお前らも手伝えよ。」
モングレルの衛兵1「隊長の訓練はキツいからな。今は慣れてるから大丈夫だけど昔は俺も死ぬかと思ったぜ。」
モングレルの衛兵2「お前訓練が嫌すぎて逃げ出そうとして隊長にバレてたなwww」
モングレルの衛兵3「そんなこともあったなwww」
モングレルの衛兵1「おいやめてくれ。もう随分と昔の話だろ。」
モングレルの衛兵5「いいや何年経ってもずっと擦ってやるからなwww」
モングレルの衛兵6「wwwww」
モングレルの衛兵さんたちがみんな楽しそうに話している。
ジャックさんも酒を飲みながらモングレルの衛兵さんたちと話している。
ここだけを見れば恐らくどの街でも見られる光景だと思いたい。
でも彼らはいつもフォグマンを街に近づかせないように頑張っている。交代の24時間体制でいつもフォグマンに目を光らせている。
彼らがいなくなればこの街には沢山のフォグマンが押し寄せ、簡単に滅亡する。
そして出会いもあれば別れもある。
私にもあるようにジャックさんにもそれがもちろんある。
ジャックさんは今まで何人もの部下を失って来た。それも全てフォグマンによって。
だからジャックさんは部下の衛兵さんたちに厳しい訓練をさせていると私は思っているの。
大切な仲間を失いたくないものね。
フューズ? フューズ
ジャック「フューズ?」
フューズ「は….はい!どうしましたジャックさん?」
ジャック「いや、さっきから声かけても何も反応がないから。」
フューズ「それはすいません。何かご注文ですか?」
ジャック「ああ、部下たちが酒のおかわりだとよ。」
フューズ「わかりました。少しお待ちください。」
うり「さてさて涼しい朝!空は快晴!そして俺たちは!…..厳しい訓練!!」ブン ブン
ジャック「ほらほら素振りをもっと速く。」
たっつん「昨日の体力作りもキツかったけど素振りもキツいわ!」ブン ブン
ジャック「もっと早く振るんだ!アイツらを見てみろ!」ビシッ!
うり・たっつん「ん?」
モングレルの衛兵たち ブンブンブンブン!!
うり「はっや!!」
たっつん「あんな速度で普通振れるかぁ!?」
ジャック「アイツらのように速く振るんだ!」
たっつん「無茶振りやぁ〜!」ブン ブン
うり「助けてフューズさぁぁぁん!!」ブン
ジャック「口より腕を動かす!!」
うり・たっつん「あんまりだぁ〜!!」
ジャック「今日の訓練はこれで終わりだ。明日はコイツらと模擬戦してもらうから覚悟しとけよ2人とも。」
うり「はぁはぁ…腕が…」
たっつん「筋肉痛や….」
モングレルの衛兵1「アンタらお疲れさん。」
ジャック「おいお前らはまだあるからな?」
モングレルの衛兵1「ヘーいへいわかってますよ隊長。じゃあ今から模擬戦やるから誰か俺とやらないか?」
モングレルの衛兵5「じゃあ、俺がやってやるよ。」
モングレルの衛兵1「おっしゃ、じゃあやろう。」
うり「たっつん、とりあえずBARに帰ろう….」
たっつん「そうやな….帰ろう。」
2人がBARに帰ろうとした瞬間、
と街中に鐘を鳴らす音が鳴り響く。
ジャック・モングレルの衛兵たち「!?」
うり「何だ!?」
たっつん「何やこの音!?」
ジャック「おいお前たち!訓練は直ちに中止!門まで全員急行しろ!!」
モングレルの衛兵たち「了解!!」ダダダダ!
訓練をしていたモングレルの衛兵たちが訓練をやめて全員門がある方へ走っていった。
うり「ジャックさん!一体これは?」
ジャック「フォグマンが攻めてきた事を知らせる鐘の音だ。」
うり「え!?」
たっつん「フォグマンって攻めてくるん!?」
ジャック「もちろんだ。奴らはここモングレルが欲しいからな。」
偵察衛兵「隊長!!」タッタッタッタ!
ジャック「偵察衛兵か、フォグマンの数は?」
偵察衛兵「数はおよそ30ぐらいです。」
ジャック「わかった私もすぐに行く。お前も戦闘に参加してくれ。」
偵察衛兵「了解!」タッタッタッタ!
ジャック「おい、2人ともいい機会だ。俺と一緒に来いフォグマンとの戦闘を見せてやる。」
うり「わっわかりました。」
たっつん「わかったで。」
ジャック「ついて来い!こっちだ!!」ダダダ
うり・たっつん「わかりました!」ダダダダ!
3人が走って門まで到着すると門前には5人の衛兵が立っていた。
その向こうではモングレルの衛兵とフォグマンが戦っていた。
ジャック「戦況はどうなってる?」タタタ
モングレルの衛兵23「いつも通りこっちが優勢です。奴らは数だけで質は全くないです。」
ジャック「わかった、おい2人ともあれがフォグマンだ。」ビシッ
うり「?」
たっつん「あれ?」ビシッ
ジャック「そうだ。あの水色の身体をしているのがフォグマンだ。」
うり「何か気持ち悪い。」
たっつん「BARで見たハイブと同じ形やな。」
モングレルの衛兵1「隊長!!」ダダダダ!!
ジャック「どうした?何かあったか?」
モングレルの衛兵1「たった今フォグプリンスを捕縛しました!。」
ジャック「何!それは本当か!?」
モングレルの衛兵1「本当です!今からここまで連れてきますので待っててください。」
そう言うと衛兵1は再び走り出して門の向こうへ戻っていった。
うり「フォグプリンスって?」
ジャック「フォグマンの上位互換みたいなもんだ。奴らに首には懸賞金6000キャットかかってるんだ。」
たっつん「6000キャット!?」
ジャック「いつもはこうゆう襲撃の時にはいないもんだが運がいいな。」
モングレルの衛兵1「隊長ーーフォグプリンス連れてきましたよー。」
モングレルの衛兵2「おら!大人しくしろ!!」
モングレルの衛兵3「コイツ!無駄に抵抗しやがって!!」
フォグプリンス「ウゥゥゥゥゥ!!!」ブン!
モングレルの衛兵3人に拘束されたフォグプリンスがうり・たっつん・ジャックの元へやってきた。
うり「めっちゃ暴れてる。」
たっつん「凶暴やなぁ。」
モングレルの衛兵4「隊長、フォグマンの討伐完了しました。あとこれがフォグプリンスが持っていた刀です。」スッ
ジャック「ご苦労だった。引き続き門の警備にあたっている衛兵は警戒にあたってくれ。それ以外の者は今日の訓練はいい、宿舎でゆっくり休め。」
モングレルの衛兵1「隊長、このフォグプリンスどうします?」
フォグプリンス「ガァァァァ!!」ブンブン!
ジャック「もちろん換金するぞ。おい床に取り押さえろ。」
モングレルの衛兵2「了解。」
モングレルの衛兵3「おら!」ガシッ!
フォグプリンス「うぅぅぅぅ!!」
モングレルの衛兵3人に無理矢理床に押し倒されるフォグプリンス。
モングレルの衛兵1「2、3しっかり抑えとけよ。今からコイツの首切るから。」
ジャック「お前ら、見たくなかったら別に見なくてもいいぞ。」
うり「いや、いつかフォグマンを倒さなくちゃいけないから俺は見守る。」
たっつん「俺も。」
ジャック「そうか、少しグロいから覚悟しとけ。」
フォグプリンス「ウゥゥゥゥ!!」ブンブン!
モングレルの衛兵2「おい1!早く切ってくれ!コイツ思ったより力強い!」
モングレルの衛兵1「待ってろ、今楽にしてやるから。」
衛兵1がフォグプリンスの首の上に刀を置くと
モングレルの衛兵1「フン!」
その刀を足で勢いよく踏む。
ザク!
肉を断ち切るような音を鳴らしフォグプリンスの首を断ち切った。
首を斬られたフォグプリンスの身体からは力が抜けていきやがて無抵抗になった。
モングレルの衛兵1「これでいいだろ。」
ジャック「ご苦労だった。コイツは私が換金しておく。お前たちも宿舎で休んでていいぞ。」
モングレルの衛兵2「了解しました隊長。」
モングレルの衛兵3「1、2行こうぜ。」
モングレルの衛兵3人はフォグプリンスから離れて宿舎へと帰っていった。
うり「うわぁ….血が….」
たっつん「今にも動き出しそうや….」
ジャック「首斬ってるから動かないよ。」
ジャックはそう言いながら斬られたフォグプリンスの首を拾う。
うり「めっちゃ血垂れてますよ!?」
ジャック「あーバケツ近くにないか?」
たっつん「近くにバケツは……見当たらないわ。」
ジャック「しょうがないこのまま持ってくか。」
たっつん「そのままで持ってくん!?」
ジャック「いつもこんな感じで持ってってるから別に大丈夫だ。」
うり「倫理観はどこへ。」
ジャック「こんな世界じゃ倫理観とか言ってられないよ。」
たっつん「頭おかしくなりそうや。」
ジャック「ほら、2人ともついて来い。」
ジャックに促されてうり、たっつんが換金しに行くジャックについていった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!