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「第五章 星の旅立ち」
戦場の跡地には、まだ焦げた匂いと粉塵が漂っていた。
遠くでは、赤月の光が薄れ、夜空に本来の星々が戻り始めている。
静寂の中、あなたとセレスティアは崩れた丘の上に座っていた。
「……あの魔女、あなたの過去と深く関わってるんだろう?」
問いかけると、セレスティアはしばらく黙って空を見上げていた。
そして、小さく頷く。
「彼女の名はルナ。
私と同じ、“星を扱う者”の一族に生まれた。
だけど……彼女は星を守るんじゃなく、壊す力を選んだ」
その声には、後悔と怒り、そしてわずかな哀しみが混ざっていた。
「だから、追わなきゃいけない」
セレスティアは立ち上がり、星剣を腰に収めた。
「赤月が昇るたび、あの巨人はもっと強くなる。
止められるのは……私たちだけ」
あなたは立ち上がり、握った拳を胸に当てる。
「わかった。もう引き返すつもりはない」
その時、風が吹き抜けた。
遠く、東の空から淡い金色の光が揺らめいている。
セレスティアはそれを見つめ、微笑んだ。
「あれは“星の門(スターフォール・ゲート)”。
次の赤月が昇る前に、あそこを通って東方の国へ行く。
そこに、ルナの計画を阻む手がかりがあるはず」
夜が明け始め、空に淡い青が混じる。
あなたとセレスティアは並んで歩き出す。
背後には戦いの跡、そして前方にはまだ見ぬ大地。
新しい冒険が、静かに幕を開けた。