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何で毎回悲しいお話…
元貴が殺し屋の世界線
僕は殺し屋。
表では普通の中学生だけど、裏の世界ではよく名が知れている程の殺し屋だ。
今日もいつも通り依頼を受けてこなす。
その繰り返し。
今は6月。暑くなってきたなぁ…
そんなことを考えていると、
《今回のターゲットは、コイツだ》
写真を差し出された。
(…若井じゃん、)
「りょーかい…何で殺すの?」
《お前がそんな事をいうのは珍しいな。》
「…そう?」
《コイツの両親が…〜〜》
頭によく話が入ってこなかった。
いつも通り殺すだけ、それだけなのに。
僕の手は震えてる。
「…っ、?」
僕は自分で自分の手を押さえて帰宅した。
『元貴!今日は学校来てくれるんだね!』
僕は若井の誘いに乗り学校に向かっている。
やったー!と嬉しそうに学校へ向かう若井。
「まぁ…たまには、行こっかなって」
全然嘘だけど、
若井はよく僕についてくる。
その時に殺せばいいだけだ。
僕はポッケの上から小型ナイフを撫でる。
僕の愛用している武器だ。
今は人通りも少ない。
これで、今でも、殺せる。
『ねぇ!元貴ぃ〜!』
「っ!?」
急に僕の前に来て顔を近づけて言う。
『きいてる?』
「…っあ」
『その反応は、聞いてないな〜笑』
そう言うと若井は面白そうにくしゃっとした顔で笑った。
「……」
…別に今じゃなくてもいいや。
やるとしたら、完全に隠蔽しないとだし。
今は住宅街だし。
「聞いてなかったわ、笑」
「何だって?」
『やっぱりじゃん!』
また、いつか。
「…若井、今日僕の家に来ない?」
『…マジ!?行く!』
『わー、お邪魔します!』
「今は、親いないから騒いでいいよ。」
『人ん家では騒がねーわ、笑』
そう、誰もいない。
今なら、やれる。
『で?!新曲!』
『聞かせてよ!楽しみ〜!』
「…っ、うん」
まだ、大丈夫。
時間は、ある。
夜はただ永くて、
僕は捨てきれなくて。
嗚呼…見苦しいなぁ
この期に及んで、なお
『もとき〜!』
若井…太陽に心動いている。
『…き、…と…』
『元貴!』
「…っあ」
『きいてる?』
「え?」
『誕生日!おめでとうって!』
「…もう僕の誕生日?」
『そうだよ〜、自分の誕生日忘れんなよ。』
『9月14日!』
そんな事を考えていたらいつの間にか3ヶ月もすぎていた様だ。
「…あ、ありがとう」
『うんうん!』
『そして、俺からの誕生日プレゼントだよ!』
若井はへにゃっと微笑みながら、
自分の胸をナイフで刺した。
「…は」
「…わかい…?」
それは、ぼくの今までで1番
最悪で、最低の誕生日だった。
抱きしめてしまったら、もう最期
若井を白いと信じた自分の白さを恨む。
若井を好きでいたあの日々が何よりも
大切で、愛おしくて、本当に惨め。
もしも、あの頃の
お日様の様な健気な若井が、
そのままでいてくれれば、僕の黒さなんて知らなければ、
どれほど…どれほど良かったのか。
今はもう、知る由もない。
もう若井が亡くなって10年。
何度目か分からないけど、また
お花をつんで、
手と手を合わせて。
「もうすぐ…其方に往くからね。」
心に蛆が湧いている、そんな僕。
でもまだ、君の香りはしている。
あの日の温もりを醜く愛してる。
「わかい…僕は、どうすればいいの?」
どうすれば良かったの?
ただ、ともすればもう
僕は醜悪な汚染の一部となった。
だからどうすればいい?
「いっそ、君を忘れちゃえばいいのかな…」
どうすればいい?を、どうすればいい?
腐ったこの身を、飾って欲しい。
「わかいっ…」
「僕のことだけは…忘れ、ないでっ…泣」
「若井…あのね」
「僕は、癌になっちゃったみたい。」
「もう、余命はない。」
そしてまたお花を摘んで、手と手を合わせて
「だから、もう、其方に逝くからね。」
心に蛆が湧いても、まだ香りはしている。
人の1番最後に消える五感は嗅覚なんだっけ、
あの日の若井も醜く愛してる。
「天使の笑い声で、今日も生かされている、」
「いや…生かされてしまった。」
あの時にはどうしても言えなかった2文字。
君に伝えたい。
あの頃のままの君に会えたとして…僕は…
いや、今度はちゃんと“〇〇”だって…伝えるから。
私天国大好きです。
更新遅くなって申し訳ない😭
これからも頑張ります!
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コメント
2件
鈴木 と 元貴 が 合わさった … そんな 小説 … 😭