「Trick or Treat」
すごい綺麗な発音でクロノアさんが俺に向かってそう言ってきた。
「えっと、…どうぞ」
予め用意していた甘さ控えめのチョコレートを渡す。
ハロウィンに乗っかった企業戦略で売られていたハロウィン仕様のデザインのものを。
「……」
無言でそれを受け取ったクロノアさんはどことなく拗ねているようにも何かを企んでたようにも見える。
「(俺になんの悪戯をする気だったんだ…)」
念の為と持っててよかった。
内心、ホッと肩を撫で下ろす。
そもそもハロウィンの本来の目的は収穫祭とか悪霊を追い払う為の祭りごとであって、仮装で盛り上がったりそういうことを目的としたものじゃない。
今では日本人独特な国民性によるお祭りごとにすっかり変わってしまっている。
「拗ねても悪戯なんてさせませんからね」
「拗ねてないよ、別に」
俺の渡したチョコを食べずにいるクロノアさんにそうだ、と思って声をかける。
「クロノアさん、トリックオアオリート」
クロノアさんのように綺麗な発音はできないけど、お返しといわんばかりに同じことを言う。
「はい、どうぞ」
「え」
ポケットからイチゴミルク味の飴を出して俺の手に乗せた。
「クロノアさんもちゃんと用意してたんですね…」
「しにがみくんとぺいんとがこういうイベントに乗らないわけないだろ」
「まぁ確かに…」
俺も2人に言われてチョコ渡したし。
他の人たちにも。
らっだぁさんにも。
何故かめちゃくちゃ残念がられたけど。
お陰で手元に残ったのはひとつだけで。
「(マジでひとつ残って助かった)」
ピンク色の可愛いらしい袋を破る。
これをクロノアさんが買ってる姿を想像するとなんだか愛らしくて小さく笑った。
飴を口に入れると、人工甘味料独特の甘さが口の中に広がっていく。
ちらりと隣を見れば彼も俺が渡したチョコを食べていた。
「ん」
それを飲み込んだかと思ったら俺のほうを向いて手を掴んできた。
「Trick or Treat」
「………へ、」
さっきクロノアさんに渡してしまったもので最後だったからもう何もない。
「トラゾー」
「え、?、も、もう持ってないです…っ」
手を握るクロノアさんはにこりと笑った。
「あるじゃん」
「は、ぇ?」
カランと口の中で飴が音を立てる。
「ここに」
「え…っ、んン⁈」
まさかと思っていたら口を塞がれた。
「ふッ、んぅっ!」
クロノアさんが口の中の飴を、俺の舌ごと舐めてきた。
咄嗟に離れようとしたけど後頭部を掴まれ、握られる手にも力が入って動けない。
「は…ッう、ぁふ…!、ンん!」
「っ、」
どのくらい経ったのか飴が殆ど溶けたくらいでクロノアさんがそれを奪って口を離した。
ツッ、と俺らを繋いでいた糸が切れる。
「ふはッ、ぁ…」
脱力した俺はクロノアさんの肩に凭れ掛かった。
クロノアさんは俺の口内から奪った小さくなった飴を噛み砕く。
ガリっと砕く音が耳元でやけに大きく聞こえるくらいの近い距離だ。
「甘いね、これ。……それともトラゾー自体が甘いのかな?」
「ひ、ッ…」
首筋というか項を撫でられてびくりと肩が跳ねる。
「ふっ…、真っ赤になって可愛いね」
掠れて潜められた声で囁かれてぞわりと背筋が震えた。
「ぉ、れ…お菓子、わ、たしたのに…っ」
「さっきくれなかっただろ?」
「なっ…⁈」
そんな理不尽な、と叫びそうになった。
「お菓子くれなきゃ悪戯するよ?」
何もない。
食べていた飴も奪われてしまった。
「クロノアさん…ッ」
背中に回っていたクロノアさんの手が服の中に入ってくる。
思ったより冷たくて、それに驚いて変な声が出た。
「ゃ、待っ…!ひゃうッ」
俺に悪戯をしようとするクロノアさんに縋るようにして服を掴む。
それが余計に彼を煽るものと分かっていても何かを持っていないとダメで。
「トラゾー可愛いね。そんなくっついてきて、俺にもっと悪戯されたいの?」
「ち、ッ…んやぁっ」
背骨をなぞるように撫でられて更にクロノアさんにしがみつく。
「やめ…だめですッ、…へ、んになっちゃい、ます…!」
「なりなよ。俺にだけ変になるトラゾー見せて?」
なんの面白みのない胸を撫でられ、先端を摘まれる。
「やぁぁッ!」
「これだけでそんな可愛い声出してくれるの?…ヤバいな」
ジンジンするような変な感覚と、女の子でもないのに胸で感じてしまったことが恥ずかしくてクロノアさんの胸に顔を埋めて隠す。
「項、真っ赤だね。俺に見せてよトラゾーの顔」
「ゃですッ…だって、変な顔、してるから…っ」
「顔見せないなら、もっと恥ずかしいことして強制的に顔上げさせるけど?」
反応しかけてる俺のにクロノアさんのモノが当てられる。
「っつ⁈」
完全に反応してるソレに目を見開く。
ズボンの上からでも分かるくらいに勃っていて、その大きさにも固まった。
「うそ…っ」
「あ、やっぱり可愛い顔してた」
ハッとしてクロノアさんを見上げる。
猫みたいに細くなった翡翠色とにこりと上がる口角。
肌は興奮からか紅潮している。
「あ、ぅ…」
後退ろうと思っても、体は完全にクロノアさんに囲い込まれていて逃げられない。
「トラゾー、お菓子ないから悪戯な♡」
「ふ、ゃッ、んぅう!」
背面に座らされて下からトントンと一定のリズムで奥を突かれる。
「そ、こ、だめぇ…っ!」
「ダメ?でも、悪戯なんだから我慢して?」
「ひゃぁんッ⁇」
両腕を掴まれながら引っ張られて弱い場所を突かれた。
不安定な姿勢のせいで怖くて首を横に振る。
「ぃや、やですッ!、このっ、かっこ…こわい…ッ」
「えぇ?じゃあこうしてあげる」
「っ!!?、〜〜〜ッ⁈」
腕を離されて今度は羽交締めのようにしてクロノアさんに抱きつかれる。
「や゛ぁあ⁈、ふか、いぃ…っ!!」
「こっちのほうが安定しててトラゾーも怖くないし、気持ちいいだろ?俺もやりやすいし」
さっきよりも強く奥を突かれて頭がバカになりそうで、チカチカしている。
「ひぐッ、んゃあぁ゛!」
肩口を噛まれて、身体が強張るせいでナカにいるクロノアさんのを締めてしまった。
「ふぁあっ!?」
「お菓子、もうちょっと持ってたほうがよかったかもね?まぁ、俺が他の人に頼んでお菓子ひとつだけ残してもらうようにしたんだけど」
「ん、なぁ…⁈」
「俺もトラゾーからお菓子欲しかったのもあるし。だから、ひとつだけ残してもらったんだ」
肩甲骨のあたりを吸われてきゅっとまたナカが締まる。
「俺にとってはトラゾーもお菓子みたいなものだしね」
「ひゃんンンっ!!」
グリグリと奥を抉られて首が仰け反った。
「ら、め、らめぇ…っ、くぉ、おあさぁ…っ!!」
「ココにいっぱいに射精してあげる♡」
「やぁぁ…!」
お腹の中にあたたかいナニかが広がっていく。
ビクビクとナカで震えるクロノアさんのに俺もびくりと腰が跳ねてイッてしまった。
パタタとテーブルに散った白濁を目の当たりにして汚してしまったと怯える。
「ぁ、あ…ッ」
「汚しちゃったね?」
「ごめんな、さ…」
「?俺別に怒ってねぇよ。トラゾーが感じてくれたってことだろ?」
お腹を撫でられて、また腰が跳ねる。
「嬉しいよ、トラゾー」
「んぅぁあッ…」
イッたばかりの先端を指先で抉られて、自分じゃない声がまた上がる。
「でももっと悪戯してあげたいな」
「や、やぁあ…っ、くろのぁさん、やです…ッ!」
ナカで大きくなっていくクロノアさんのに圧迫されて苦しい。
苦しいのに、気持ちよくなっていて嫌々と首を振る。
「だめ、だめにな、る、ぅ…っ」
「なれよ。…ね?俺の為にダメになって」
ゆっくりなのに強く下から突き上げられて、目の前で星が散る。
「は、ぅ゛〜〜〜ッッ♡♡⁇!」
ぷつりと理性の糸が切れてしまう。
身体の中も、頭の中もクロノアさんでいっぱいで。
「いーっぱい悪戯してあげるね♡♡」
「ぃ、たずら、ぃやぁあ…♡」
「嘘つき♡」
「んぅぅッッ♡⁈」
ナカ入ったまま最奥をトントンと優しく突かれ、もどかしさに自ら腰を動かしていた。
「トラゾーは激しくされるほうが好き?優しいほうが好き?」
「やさ、しく、と、んとん、や、れす…ッ」
「じゃあこう?」
「ふぁあ゛〜〜っ♡!!」
上から押さえつけられて、下からは激しく突かれる。
「んっ、ぁ、あ♡、きも、ち、ぃッ♡」
「すごく厭らしい音、トラゾーのココからしてるよ?気持ちいい♡?」
耳を塞ぎたくなるような水音のことを言われて恥ずかしくなる。
「いわ、ないれ゛ぇ…♡」
「それに悪戯のほうがいいなんてトラゾーはえっちな子だね♡」
「おれ、えっちじゃなぃ…♡!」
「嘘つきにはもっと悪戯するよ♡?」
きゅぅうと後ろが締まる。
まるで期待してるみたいに。
「ははッ!トラゾーのナカは期待してるみたいじゃん♡素直で可愛いね♡」
腰を抱かれて最奥を抜かれた。
「〜〜♡♡ッ、ヅ───〜〜〜♡♡♡!!」
俺は抜かれた衝撃でイッた。
身体は小刻みに震えてきゅっとその度にクロノアさんのモノを締め付ける。
「すげぇ締め付け♡」
「ひゃ、べっちゃ、りゃ、め…っ♡」
息を整える為に肩を動かせば、筋肉の動きが連動してナカを締める羽目になる。
「ひゃんんッ♡」
「ねぇトラゾー」
耳元でクロノアさんが囁いてきた。
「ふ、ぇ♡⁇」
「今日が終わるまで、たっくさん悪戯(愛)してあげるね♡」
「〜〜♡♡♡!」
ハロウィンの本来の目的はこういうことをする為じゃない。
なのに、そんなことどうでもいいくらい頭の中はクロノアさんにしてもらう悪戯でいっぱいになっていた。
「あれ?でもトラゾー悪戯嫌なんだっけ?」
「ゃっ、♡、くろのあさんに、してほしッ…♡」
びくりと大きくなるクロノアさんのに背筋が伸びる。
「く、ろのあさんにッ…いっぱいっ、いたずら、された、いです…っ♡♡」
「、は、…ははっ♡可愛いね、トラゾー♡お望み通り悪戯してあげる♡」
少し膨らむお腹を撫でられた。
「そもそもお菓子持ってなかったトラゾーが悪いからね♡」
「ごめんなさい…ッ♡」
「悪い子にはお仕置きもしないと♡」
「いっぱぃ、してくらさい…♡」
お腹を撫でるクロノアさんの手を握って振り返り笑う。
「可愛い♡マジでトラゾー可愛い♡」
なんか色々嵌められてる気もしたけど、大好きな人になら何されても嬉しい。
「くろのあさんだいすき♡」
「俺もトラゾーのこと大好き♡」
コメント
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さすがkrさん… 何回もお願いするなんて()しかも他の人に頼んで最後の1個にするなんて…いたずらする気満々だったでしょうね笑笑( *´艸`)ウフフ 以下他の皆さんも同じ考えで… (trick〇〇treatですからね…( ≖ᴗ≖)ニヤニヤ)←勝手に期待してるやつ